主人公をオーガにして始めると、ランガーオ村にはジェニャというお金を稼ぐのが大好きな子がいて、序盤のストーリーにかかわってきます。
他の種族で始めた場合でも、星月夜が最近クリアしたサブストーリー「真のパラディンとは」*1の重要人物としてジェニャは登場します。
そしてクエストNo.102のズーボーの発言から、ランガーオ村の出身であることがわかります。
またこのクエストでの本人の発言によると、自分の出身集落は、貧しくて子供がばたばた飢え死にしているような所だとのことです。
でも実際にランガーオ村に行ってみると……。
こ~んなに恰幅の良いかたがたがいらっしゃいました~。
住民の皆さんにインタビューしてまわったところ、子供たちは飢え死にするどころか、修行に励んでいました。労働の手伝いとかすら、やらされていません。
他にも「ヤキトリじいさん」という通称のご老人までいらして、特に食糧に困っているという雰囲気はありませんでした。
こうした実地調査の結果、ジェニャの言う「集落」とは、ランガーオ村の全体のことではなく、ゲーム上は主人公が出入りできない、ランガーオ村の一部であるという結論に達しました。
『ドラゴンクエストX』世界において、「集落」として登場するのが、「入り江の集落」や「木かげの集落」といった、村より小さな規模の組織であることも、この結論を後押ししました。
では、なぜランガーオ村の中でジェニャの出身集落だけが貧しいのでしょうか?
最初に考えたのは、村王クリフゲーンの責任です。普通はこういう場合、政治が所得の再分配を怠っていると考えるのが自然です。
でも、ランガーオ村の追加クエスト「ランガーオ村の王者」で明かされたクリフゲーンの政治家人生から考えるに、彼が無能または無慈悲という可能性は低そうです。
しかも、オーガの初期ストーリーでは、クリフゲーンはジェニャを少しでも儲けさせるため、大人である主人公から無料で得られたはずの情報を、わざわざ金を払ってジェニャから入手しています。
以上により、ジェニャの出身集落が貧しい理由は、ランガーオ村の政治以外のところにあると私は考えました。
ジェニャは自分の集落が存続できている原因はバウギアのおかげだとも言っています。またバウギアに「みやぶる」を使った後に判明する豆知識でも、バウギアと「集落」との間の因縁が書かれています。
こういったことを考えると、出身集落に何らかの「呪い」のようなものがかかっている可能性が浮かんできました。たとえば、「この地に生まれた者は、売買によって入手した富は使用できるが、贈与によって入手した富は使用できない」といった呪いです。今回はこれを当座の仮説としようと思います。
「真のパラディンとは」の終盤のグロスナー王からの伝言では、先に払った金を返さなくてもよい理由がわざわざ付されていました。これも、私の仮説が正しかった場合、単に集落民の精神的負担を軽減させるためのものではなく、彼らが受け取った金貨を使用できるようにするための一種の「おはらい」であったことになります。
(以下、2019年9月28日追記)
その後、ジェニャの出身集落はランガーオ村から遠くにあると判明しました*2。