ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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性差の激しい波止場のポーズを入手したので、この機に船の仕事に関する性別役割分業について考えました。

1 はじめに

 3.4後期は、やりたいことが山ほどありますが、まずは釣りの新報酬を受け取ることから始めました。条件はビッグサイズのほうもキングサイズのほうも元々達成していたので、すぐに報酬はコンプリート状態に戻せました。

 そして新しく作られた「波止場のポーズ」を入手したのですが、やはり予告通り女性のほうのポーズは男性の帰りを待つようなしぐさでした。

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 21世紀の地球における性の平等についての規範を根拠にして、異世界を描いたゲームの中でもこういう性別役割分業を発見したとたんに怒る人がたまにいますよね~。これもそういう人たちから批判の対象となりそうで~す。

 星月夜は、異世界には異世界の事情があると考えていますので、そういう人たちが嫌いで~す。それに、ゲーム内で描かれる性の不平等を本当に憎んでいるのなら、自分たちが住んでいるのと同じ惑星を舞台にした『信長の野望』などにおける不平等から先に問題視すべきでしょう。

 ただし、「ではアストルティアで船の仕事が男性にほぼ独占されているのは、どんな事情のせいなのか?」と聞かれると、答えるのは容易ではありませ~ん。以下はこの問題について星月夜が考えたことの軌跡で~す。

2 プレイヤーが確認できる冒険者としての能力値は、すべて理由に使えない

 いきなりですが、かなりの縛りプレイになりました。

 冒険者の能力値は、男女で差がありませ~ん。同じだけの経験を積めば同じ速度で向上し、同じところで限界を迎えま~す。

 しかも国勢調査などでは男女の冒険者はほぼ同数ですので、男性の冒険者と同等の能力の女性の冒険者を、ジパングにおける巴御前のような例外的存在とみなすことは不可能で~す。

 冒険者がいない竜族に関しては、「ちから」や「きようさ」といった冒険者において重視される能力につき、「実は男女間で平均値に差があるのではないか?」という仮説を立てることも可能であり、実際にそういう仮説を提唱する記事を執筆したこともありますが、六種族に関してはこれは禁じ手といえましょう。

 だから「船員はいざというときには、海の魔物と戦わなければならないから、HPが高くなければならず、このため男性が多い」などの主張は使えませ~ん。

 能力に原因を求める場合、プレイヤーが確認できる冒険者としての能力値とは別個の能力の範囲内で考えなければなりませ~ん。

 これはステータス画面に列挙された能力値だけの話ではありませ~ん。他人の白チャットの発言が聞こえる距離も男女の冒険者で同じである以上、「男のほうが耳がいいから」などの主張も使えないことになりま~す。

3 その部門に秀でた者が数名いればすむ能力も理由には使えない

 たとえば「六種族においては、天気予報の能力は男性のほうがはるかに優れている」と仮定しましょう。これならばたしかに、前章の問題はクリアーできそうで~す。

 しかし気象予報士は船に数名いればそれで何とかなりそうなので、波止場における両性の典型的なポーズを決定的に違えるだけの文化への影響力を与える理由としては、無理がありま~す。

 羅針盤を読み取る能力とかも同様で~す。

 船で仕事をする者の大半が男でなければならない理由を考えなければなりませ~ん。

4 その一方で女性も事務員や乗客としてならば船に乗れることも忘れてはならない

 前章の条件を重視しすぎると「アストルティアでは女性が乗ると船が沈むという迷信が信じられている」とか「六種族の女性は船酔いへの耐性が極端に低く、到底船には乗れない」などの説に頼りたくなります。

 たしかにウェナ諸島の渡し守はみんな男性ですし、グランドタイタス号も甲板より上は男性の船乗りで占められています。

 しかし女性の冒険者でも渡し船やグランドタイタス号に乗ることはできますし、グランドタイタス号においては接客などのための事務員として女性が働いていま~す。

 女性も船に乗ること自体は可能であり、客船においては働き口があるということもまた、忘れてはなりませ~ん。

5 以上の制限に耐えうる仮説を発表

 大半の仮説は、上述の三つの制限のうちのどれかにひっかかりま~す。

 しかしながら星月夜は、一つだけ優れた仮説を思いつきました。

 それは、「何らかの事情で、船の上では女性が無力になることもある」というもので~す。

 「無力になる」の後に「こともある」をつけないと、女性冒険者がグランドタイタス号の上で、いつもと同じステータスと移動速度で行動できることと矛盾してしまいま~す。

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 しかし「無力になることもある」ならば、念のため船員の大半を男性にしておき、無力化しても影響の少ない立場・人数の範囲内で女性を船に乗せるということは、十分にありうるでしょう。

 そしてそういう世の中であれば、波止場における両性の典型的なポーズに性差が強く反映されていてもおかしくはありませ~ん。

 「何らかの事情」の具体例はいくらでも想像が可能で~す。たとえば、「女性だけを眠らせてしまう謎のブレスを吐くモンスターが陸からかなり離れた海に生息している」という可能性が考えられま~す。