ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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時間の村カーラモーラ その10 ニコちゃん末期の月光

 しゃべる花のニコちゃんを創造したのは星月夜の兄で~す。兄が与えた使命に従って、ニコちゃんは自分の身を捧げて創生の霊核の結界を強化しました。

 すぐ滅んでしまう消費財のようなアイテムに自我を与えるとは、兄も酷な男ですね~。

 とはいえ、ニコちゃんとちょっと寿命が違うものの、人間などの知的生物もまた皆、発生しようという自発的意思がない状態から親なり神なりの勝手によって発生させられた、悲しき存在なのかもしれませんね。彼らに宿りし「自我」とは、無から生じ、無に還ることを怖れつつ、無に還っていく哀れなものたちで~す。

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 しかしニコちゃんは死ぬ前に種を残していたらしく、疾風の騎士団の通称「槍男」がそれを育てていました。ニコちゃんの声は兄と星月夜にしか聞こえない設定だったので、槍男は自分の育てた花の正体が判らず、厄介物として星月夜に新しいニコちゃんを押しつけてきました。

 新しいニコちゃんは古いニコちゃんの記憶を完全に保持していました。彼女の視点では、自分は再生したニコちゃんなのでしょう。

 でも古いほうのニコちゃんの本体に存在していた自我の視点では、結局は代替不能な一回きりの死を迎えたことになりま~す。

 さて、この新ニコちゃん、槍男たちから聞いた他の領界の有名な植物も見たいと主張してきました。そこでお好みの場所に運んであげることにしました。

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 まずは炎の領界の炎樹。

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 そして氷の領界の恵みの木。

 こうなるとわかっていたら、「サジェとリルチェラの神聖秘文」と同時並行で進めればよかった~。

 ここで新ニコちゃんに残された「時間」が少なくなってきたことが示唆されました。

 そこで植物はもういいから、最後に闇の領界の月光を浴びたいという話になりました。

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 カーラモーラが「死」と「時間」の物語の舞台であるという証拠を、星月夜はすでに九つも発見していましたが*1、本日またしても新たに十番目の証拠を発見してしまいました。

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 そして旧ニコちゃんと最初に出会った工房に戻ってきました。この直後に魔力が尽き、意思疎通が不可能になるようでした。その後は星月夜の家に植えてくれと言われました。

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 自我も消えたのか、残っているのに対話できない状態なのかは不明ですが、どちらにせよ不幸な疑似生命でした。今後は我が家の庭に置き続ける予定で~す。

 目的のためならば平気でこういうことをする兄のやり口は、到底是認できません。

 しかしナダイアを倒すために、星月夜はやはり兄と手を組まなければならないようです。

 そういう判断をしている時点で、やはり自分も一殺多生の論理の世界から逃れられないようですね。