ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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セカンドディスクのボスたちの多くも、弱いと感じられるようになった後でも、その立場が不自然に見えないように描かれてました。唯一の例外を除いて。

 前回の記事の二番煎じみたいな記事で~す。

 ファーストディスクのボスほど極端ではありませんが、セカンドディスクのボスたちも、今ではかなり弱く感じられるようになってしまいました。

 それでもやはり彼らにも、「大魔王が描いた絵のほうが強いんだから、絵をボスにしておけばよかったのに!」みたいな感想が生じないように、設定が練られていますね。戦闘は弱くても、その地位にいることが決して不自然ではなく、しかも時には戦闘力以外の理由で脅威だったりしました。

 以下で具体的に確認していきま~す。なお各地の中ボスの前座や部下として登場するムッチーノや魔創兵などの小ボスは省略しました。

 2.0時代

※悪夢の右手・・・本気を出せば一瞬でメルサンディ村を滅ぼせる魔女グレイツェルが、ザンクローネへの嫌がらせのために趣味で作っただけのモンスターなので、極端に強くある必要はない。しかも訪れる冒険者が少なく、ザンクローネが弱体化している偽メルサンディ村では、この程度でも十分に脅威であった。覚醒前とはいえアンルシアを拉致するのに成功したという業績もある。

※魔人エンラージャ・・・身の程を知っている彼にとって、大人との近接戦闘は最後の手段である。理想は永遠に大人と戦わずにすむ体制を構築することであった。もしも復活時に教会に主人公が居合わせなかったら、その理想は実現していた。しかも後述するように、その被害は町一つの陥落で終わらず、やがて大陸全土を滅ぼしかねないものであった。

※破戒王ベルムド・・・体制が安定するまでの当座の支配者としてその地位が認められていたにすぎなかった。大魔王軍においては、窓際族である魔勇者の補佐官のキルギルのそのまた手下のバスラ―隊長が現場の判断でいつでも殺していいという、陪陪陪臣的存在。なのであまり強くないほうがむしろリアリティがある。

※絶望の巨像・・・アンルシアの精神世界で本人を苦しめていたものであるので、外部者にとって強くある必要はない。

※魔勇者アンルシア・・・大魔王からは失敗作とみなされた窓際族であった。キルギルの助力で多少強化されたが、その力量すら、後にはキルギルからも失敗作扱いされてしまう。なのであまり強くないほうがむしろリアリティがある。勇者姫を上手に吸収していれば脅威になっていた可能性もあり、また敗北後に復活するための保険を入念にかけておくなど、物語上はそれなりに危険人物であった。

 2.1時代

※ハートボイルド・・・これもグレイツェルが趣味で作ったモンスターで、強くある必要はない。

邪教祖サダク・・・神の緋石を破壊することなくして、真のレンダーシアを偽のレンダーシアで浸食することに、あと一歩で成功していた。魔元帥ゼルドラドとその部下が莫大な時間と犠牲を払ってようやく成し遂げた業績を、軽く超えていたはずであった。敗北の経緯も、偽の世界でエンラージャが偶然滅んだことでリゼロッタが日記の執筆を続けられ、その内容がルコリアに届き、それによりルコリアが積極的に動き始め、その活動中に偶然きつけそうの隠れた効能を知る機会に恵まれたという、奇跡のような偶然の積み重ねであった。言動は小者風であったが、実際には魔王軍で一番危険な相手であった。

※あなうめ三兄弟・・・本来の任務は戦闘ではなかった。そして殺されつつも任務は達成した。

ヘルバトラー・・・警護対象が無事に任務を達成できれば、本人が負けても仕事は成功といえる立場だった。そして任務は達成された。

 2.2時代

※グレイブディガー・・・小規模の盗賊団の使い魔にすぎない存在。そういう立場にしては、レベル99時代になって回顧しても、むしろ強いとすら思える。

※獣魔将ガルレイ・・・本気を出す前からそこそこ強い。本気を出して闇のころもを使い始めると、勇者不在で勝利するのはほぼ不可能。物語上も、時間稼ぎの役目を十分に果たした。

※幻魔将ファズマ・・・単に人間に変身できるだけではなく、実在の要人に酷似した姿に変身し、入れ替わることが可能なので、工作員としては実に厄介な相手。戦闘でも分身術の達人であり、勇者不在で勝利するのは困難。

※妖魔将ゲジュラ・・・質量保存の法則を無視して小さな虫に変身できるので、工作員としては実に厄介な相手。戦闘でも魔瘴を越える史上最強の毒を使用するので、勇者不在で勝利するのはほぼ不可能。

※豪魔将姉妹・・・なげきのさけびを使われると、勇者不在で勝利するのはほぼ不可能。

※恐怖の化身・・・大魔王が余興として即興で作った敵。魔幻宮殿の防衛はこの時点では鉄壁であったので、彼より強い門衛を配置する必要は特になかった。

 2.3時代

※飛竜たち・・・物語上ではボスといえない立場の竜たちであった。戦闘で倒してもピンピンしていた。

※魔導鬼ベゼブー・・・戦闘は本来の任務ではなく、本人も戦闘力においてさらに大きく劣るベドラーに対し、むしろ業績の観点からコンプレックスを持っていた。

※三枚の絵・・・大魔王が余興で描いた絵。それにしては今でも十分強く感じられる。

※魔元帥ゼルドラド・・・指揮官や謀略家としての才能は十分。最期も囮として戦っていただけなので、楽勝した場合でも一杯食わされた不快感が残る。

 2.4時代

※大魔王マデサゴーラ・・・大陸一個を創造した大魔王。様々な謀略を駆使し、あと一歩で究極の力を手にしていた。しかも闇のころもを使えるので、やはり勇者不在で勝利することは今でも困難。

※創造神マデサゴーラ・・・奈落の門が開いてちょっと強くなったというだけで図に乗って、より強くなるという本来の目標を忘れ、実験的に勇者姫と戦っているうちに死んでしまった。闇のころもも使えなくなっているので、一流の冒険者ならば勇者と組まなくても勝てそう。ある意味ではセカンドディスクで一番情けないボス。

 夢現

ダークドレアム・・・グランマーズの力を借りなければ化身に挑むことすら不可能。化身を倒したとしても、問題を先送りにしたにすぎない。本体は数多くの世界をたやすく完全消滅させてきた、ドラクエ史上最強のボス。

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 こうしてストーリーとからめて確認してみると、挑んだ当時は「弱い!」と思って魅力を感じなかったボスも、「そういう立場にしては十分強い!」とか「戦闘力以外の理由でかなり危険だった!」とか感じるようになりました。その最たる者が、邪教祖サダクですね~。

 逆に、当時は一番苦戦した創造神マデサゴーラに対してこそ、「大して強くないのに図に乗って不自然な戦闘を自発的に仕掛けてきて滅んだお馬鹿さん!」という感想を持ってしまいました。