ほしづくよのドラゴンクエストX日記

ドラゴンクエストXの世界で体験したことを綴っていきま~す。画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんに著作権があるので転載しないで下さ~い。

「大盗賊の伝説」における『竹取物語』の影響の検証 その3

3.「カンダタ月へ行く」における『竹取物語』の影響の検証

3-1.今回のペリポンは漢部内麻呂

 かぐや姫の要求は決して達成不可能だという通俗的なイメージがありますが、実は五人の貴公子の内の一人はほぼ課題を達成しており、ありえないほどの偶然のせいで最後の最後に失敗者となったので~す。

 その惜しい挑戦者の名前は車持皇子といいま~す。蓬莱の玉の枝を要求されていた人物で~す。

 彼は天才的な鍛冶職人を六名集め、蓬莱の玉の枝のイミテーションを作ってしまうので~す。他の偽の秘宝は見破れたかぐや姫でしたが、これだけは見破れませんでした。模造品とはいえ要求者本人も納得している以上は、これで課題の達成といえま~す。

 なぜこの人の挑戦が失敗したかというと、職人への報酬が遅かったせいで、職人たちが漢部内麻呂をリーダーとして大っぴらに報酬を要求しにきたので、計画が露見してしまったからなのでした。

 もしも車持皇子に、前回紹介した石上麻呂足のような気前のよさがあったなら、彼はかぐや姫と結婚していたことでしょう。あるいは石上麻呂足に車持皇子のような人脈があったならば、やはり成功者になっていたことでしょう。

 前回は倉津麻呂の立場で中途半端な仕事をしてカンダタに怪我をさせたペリポンでしたが、今回はしっかりカンダタを月に届け、カグヤ・ムーンに会わせました。なので今回のペリポンは漢部内麻呂の役で~す。

 エンディングで「お駄賃」をせびっていたのも、彼が漢部内麻呂を演じていることの証拠の一つで~す。

3-2.石上麻呂足と漢部内麻呂という理想のコンビの成立

 さて、漢部内麻呂役のペリポンのおかげで月に行けて、その後はちゃんとペリポンに報酬も与えたことが示唆されるカンダタですが、この理想的な勝利者「理想の人脈を持った場合の石上麻呂足」なのか「理想の人格を持った場合の車持皇子」なのかが問題となりま~す。

 この決着をつけるカギを、二つみつけました~。

 第一は、カンダタが止めを刺した相手が鳥型のモンスターであったことで~す。

 つまり、原作では鳥である燕に負けた石上麻呂足は、本作ではついにカンダタとして鳥に勝ったので~す。

 第二は、鳥型モンスターに勝つには勝ったものの、今回もまた着地時に、気絶して目が白くなるほどの苦痛を味わっているということで~す。

 やはり石上麻呂足の「墜落」というイメージは保持されているわけで~す。そしてその直後のシーンでは、カンダタのマスクの目の部分が真っ白になっていますが、これも『竹取物語』における石上麻呂足が落下した直後の描写「御目は白目にて臥し給へり」と完全に一致していま~す。

3-3.かぐや姫と服薬の話

 「カンダタ月へ行く」の終盤ではカグヤ・ムーンが薬を飲んで元気になりま~す。『竹取物語』でこれに似た場面といえば、やはり迎えに来た天人たちが、環境の悪い地球で体調不良になっていたであろうかぐや姫に薬を与える場面で~す。

 それに照らすならば、薬の材料を調達した主人公や薬を調合したセレスさんは、「天人」の立場ということになりま~す。

3-4.「長き爪」という暗号

 一応はかぐや姫を確保していた竹取の翁は、天人が実際にくるまでは「迎えに来たやつには、自分の長き爪を用いて目つぶし攻撃を仕掛けてやる!」と血気盛んでした。なお、実際に迎えが来ると、彼はただの雑魚でした。

 さて、薬の材料を調達する過程で10匹倒した月面の雑魚敵を思い出してみましょう。

 コスモグールの「まめちしき1」には「鋭いツメには様々な毒が仕込まれている」とありま~す。スペースデーモンとスペースデビルには、外見からしてかなり長い爪があり、倒すとどちらも「するどいツメ」を落としま~す。

 かぐや姫を保護しに来た凄腕の相手に対し、長い爪を活かして立ち向かおうとするけど、やっぱり雑魚にすぎなかった」というこの設定、完全に一致していますね。

 そういうわけで今回竹取の翁を演じるのは、コスモグールとスペースデーモンとスペースデビルで~す。

 彼らの味方であるコスモアイやコスモスライムは、御門が竹取の翁への援軍として派遣した六衛府の二千人の兵士に当たりま~す。

3-5.まとめ 「カンダタ月へ行く」のキャスト

かぐや姫・・・・・・カグヤ・ムーン

※竹取の翁・・・・・・コスモグール スペースデーモン スペースデビル

※天人・・・・・・・・主人公 セレス

石上麻呂足・・・・・カンダタ

※漢部内麻呂・・・・・ペリポン

六衛府の兵士・・・・コスモアイ コスモスライム

※燕・・・・・・・・・レプティリア

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夕月夜「立場が入れ替わりまくって複雑になってきましたね~。主人公は前回は御門を演じておきながら、今回は御門の手下である兵士と交戦ですか~」

星月夜「『竹取物語』全体を一対一対応で置き換えた改作ではなく、名場面を切り取って創作の要所要所に活かしたものだからね~。ややこしくなるから一話ごとに区切って説明した理由もわかるというものでしょ」

夕月夜「ところで「六衛府」って何でしょう? 私は律令制を「二官・八省・一台・五衛府」と習ったのですが…」

星月夜「衛府は統廃合が激しくてね~。『続日本紀』巻十によれば、神亀五年(西暦728年)にはもう中衛府というのが成立するの。『続日本紀』でもこれ以降は「五衛府」という表現が消えて「六衛府」という表現が登場するのよ~。これ以後も衛府の統廃合は何度かあったけど、衛府といったら六つというのがほぼ常識になっていくのよ。『竹取物語』は大宝律令が制定された西暦701年の前後あたりが時代設定とされているけど、さすがの作者も「衛府は六つ」という当時の常識で文を書いてしまったというわけ」

夕月夜「本当にお詳しいですね~。ところでそういう知識はどこで手に入るんです?」

星月夜「ひ~み~つ~」