1.グランゼドーラ軍の新旧制服の比較
グランゼドーラ王国軍支給の一般兵用の制服は、1000年前と現代で随分違います。
1000年前の制服の外見ですが、頭はレベル50から装備できる「トレジャーキャップ」の可能性が高く、体上はレベル28から装備できる「はがねのよろい上」の可能性が高く、体下は「トレジャーコート下」の可能性が高いですね~。
手袋と靴は小さい上に類似品が多くて面倒なので分析しませ~ん。
現代のは、全体的にレベル21から装備できる「新兵支給セット」を青く染めただけという感がありま~す。
また現代には、やはりレベル21から装備できるてつのよろいセットを着用する部署もあるようで~す。
1000年前にはこれに相当する別個の制服はなかったようですね~。
近衛兵の制服だけは、昔も今もレベル42から装備できるプラチナメイルセットでした。
この世界にはドレスアップの魔法もあるので、彼らが実際に外見どおりの装備をしているとは限りませ~ん。しかしドレスアップをするにも本物が必要なので、昔のほうが金がかかっていたというのはほぼ間違いないでしょう。
2.制服の変更の時期の調査
一体いつごろこの簡素化が行われたのかについてですが、星月夜はその答えを探るため、現代と同じ制服を着たグランゼドーラ兵がいた通常版の王家の迷宮に行きました。
4階のエメリヤ妃や8階のフェリナ姫とは違って、彼ら三人の兵士はアルヴァンが昇天した後も未練が消えないらしく、初回と同じ発言をしてくれました。
1階で会った兵士の亡霊。現代と同じ制服ですね。
本人が「輝かしくも 忌まわしき あの時代」に生きていたことを示唆してくれますが、彼の発言は曖昧すぎて決定打に欠けま~す。
4階で、やはり現代と同じ制服の兵士の亡霊を発見。
「あの方」が「我らのもとを去った」という話をしてくれます。おそらく勇者アルヴァンの話なのでしょうが、まだ絶対的証拠ではありませ~ん。
そして彼が、現代と同じ制服の7階の兵士の亡霊。
記憶も明瞭で話しかたも普通で~す。帰還したアルヴァンが、「もはや 我らの知る アルヴァン様では」なかったという話をしてくれるので、彼は確実にあの戦争を兵士として体験した人物なのでしょう。
すると、グランゼドーラ王国軍の制服が現代のように簡素になった時期は、1000年前の戦争の直後ということになりますね~。
3.制服簡素化の理由の推測
ではなぜ簡素化がなされたのか、その理由を複数考えてみました。なお、以下に挙げる仮説は必ずしも互いに排斥しあうものではなく、いくつかの理由が複合した可能性もありま~す。
※仮説1.小規模な王朝交代を記念(可能性小)
ジュテ国王の一人息子と思われるアルヴァンは子孫を残さずに王家の迷宮へと消えました。
フェリナ姫が中継ぎとなって子孫を残したとしても、ここで男系は勇者と無関係な血統となった可能性がありま~す。
あるいはエルノーラの息子あたりの、遠い支流がジュテ国王の後継者になった可能性もありま~す。
とりあえずアンルシア様の存在から、勇者の遺伝子を王家に残せたことは事実のようですが、小規模な王朝交代といってもいい程度の断絶があった可能性は高いですね~。
ただしそれを記念して制服が一新された可能性は低いですね~。そういう場合は儀礼的な近衛兵の制服こそ先に変更されるでしょうから。
※仮説2.1000年前の制服は戦時中の一時的なもの(可能性中)
強大な魔軍と戦っている間は性能のいい服を支給し、戦いが終わったら元に戻したという経過も考えられま~す。
しかし戦時中に軍事費が増えたとしても、普通はそれは新しく豪華な鎧を買うためよりは、兵士の頭数を増やすために使われそうですね~。そしてその場合、むしろアマチュアでも扱いやすい制服へと変化すると思われま~す。
またグランゼドーラに戦時中は高性能の防具を支給するという伝統があった場合、マデサゴーラとのより激しい戦争のさいにもそれが行われてしかるべきでしょうね~。
※仮説3.貧困化・弱体化にともなう、予算の縮小(可能性大)
1000年前の戦いを機に、グランゼドーラ王国は一気に貧しく弱くなったと考えられま~す。
かつては戦時中ですら、カミルの巨大な像を造る余裕があったというのに、その後は平和な時代ですら、カミルの名誉が回復されてもアルヴァンと対になるカミル像は造られませんでした。小型のものすら造られなかったので~す。
かつて存在したグランゼドーラ領の大城壁も、東の山への侵入が困難になった現代においてこそ一層役立ちそうなものなのに、かなり前に放棄されて今や跡形もありませ~ん。
こうした緊縮財政の下で、兵士の制服も一気に安物へと変更された可能性がありま~す。
4.新制服はモンスター討伐隊やラッカラン軍の制服と酷似
「青く染めた新兵支給のよろいセットか、素のてつのよろいセットを着用」というルールは、実はモンスター討伐隊でも採用されていま~す。
さらにはラッカランの客人であるウェルナー隊長以外にも、本当にラッカラン所属の兵士であるランディまでもがこの制服を着用していま~す。
クエスト「記憶のつめあと」の回想シーンでは、ランディの元同僚のマレンもこれを装備していま~す。
5.酷似の理由の推測
ラッカランがグランゼドーラ王国より後にこの制服を採用したのは明らかですが、グランゼドーラ王国とモンスター討伐隊とでは、どちらが先にこの制服を採用したのかは不明で~す。
これについては現状では情報が不足しすぎていて、研究は困難ですね~。
そこで考えた仮説が、「モンスター討伐隊とラッカランは、名目上はグランゼドーラの所属である」というもので~す。
ゴーレックは実質的には一国の主であっても、名目上はグランゼドーラ王国の自治領の領主にすぎない場合、その指揮下の兵士がグランゼドーラ軍の制服を着ているのはむしろ自然で~す。
また民間の武装組織の自由な活動を保障する国際法が存在しなかった場合、名目上だけグランゼドーラ軍の一部隊ということにしておけば、手続き上何かと便利で~す。
実際に冒険者もチームを結成する場合には、五大国のどこかに名目上所属して一万ゴールドの上納金を支払う必要があるので、これはかなり有り得る設定だと思いま~す。
またヴェリナード王国も、レベル50以上の優秀な魔法戦士を名目上自国の所属にしたまま自由に活動をさせる制度を持っているのですから、似たような制度をグランゼドーラ王国が採用することも可能でしょう。
「グランゼドーラ王国軍第一独立部隊長ウェルナーと、その部下の無数の現地採用兵たち」の通称が「モンスター討伐隊」だと考えれば、グランゼドーラ軍の制服を着たウェルナーが六種族の混成部隊を率いて世界中のモンスターを討伐していることも決して不思議ではありませ~ん。
以上は、現段階ではまだまだ単なる辻褄の合った想像の域を出ないので、より多くの情報が開示される日を待つしかないですね~。