ほしづくよのドラゴンクエストX日記

ドラゴンクエストXの世界で体験したことを綴っていきま~す。画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんに著作権があるので転載しないで下さ~い。

「無政府主義対マルクス主義」を表現した、「自由人の集落対エテーネ王国」という構図

0.はじめに

 指針書を捨てるのが唯一の共通了解である自由人の集落ですが、私有財産制を否定する思想も強いですね。

 これをもって共産主義的であるとする見解もあり、現在の「DQ10大辞典を作ろうぜ!!第二版 Wiki*」の「自由人の集落」の項目の記述*1では、ソビエト連邦を元ネタとする仮説が書かれていま~す。

 しかしながら星月夜は、「自由人の集落は無政府主義を象徴しており、エテーネ王国こそマルクス主義を象徴している」という別の見解を持っているので、本日はこの見解について語ろうと思いま~す。

1.マルクスバクーニンについて

 無政府主義は論者によって主張内容がかなり異なりますが、マルクス主義との対比という形で真っ先に名前が挙がるのはミハイル=バクーニンで~す。

 バクーニンは、マルクスとはかつての友人でもあり、やがては決定的に対立するに至ったということで、こういう話題で使いやすい無政府主義者で~す。

 二人の最終目標はほぼ同じだったのですが、マルクス理想社会を強大な国家権力という手段を使って達成しようと考えていたため、国家権力が大嫌いなバクーニンとは対立するに至りました。

 第一次世界大戦後にソビエト連邦等のマルクス主義の国々が実際に出来上がると、スターリンやその模倣者たちにより大半は強大な国家権力で国民を苦しめる国々になったので、バクーニンの危惧はほぼ当たっていたといえましょう。

 なお第一次世界大戦後の無政府主義者は、ウクライナに「自由地区」という自治区を作りましたが、これはしばらくしてソ連に滅ぼされました。

2.自由人の集落に投影された無政府主義的要素

 以上の基礎知識から、自由人の集落には無政府主義関連の三つの情報が投影されているといえま~す。

※その1.バクーモフとバクーニンの発音上の類似性

 自由人の集落には「バクーモフ」という有力者がいましたね~。バクーニンにそっくりな名前で~す。

f:id:hoshizukuyo:20171229012406j:plain

※その2.「自由人の集落」と「自由地区」の意味上の類似性

 意味はほぼ同じですね。規模が違うだけで~す。

※その3.「元々は権威主義者たちと組んでいたがやがて独立した」という歴史の類似性

 エテーネ王国に住んでいたものの、やがて自立したのが自由人たちで~す。

 マルクスと組んでいたもののやがて対立したのが無政府主義者バクーニンであり、ソ連と組んでいたもののやがて滅ぼされたのが無政府主義者による自由地区で~す。

3.エテーネ王国に投影されたマルクス主義的要素

 エテーネ王国についても、マルクス主義マルクス主義国を連想させる要素が数多く見られま~す。

※その1.「書記」が権力を強めていった歴史

 ドミネウス王などを輩出したエテーネ王家は、元は時見の箱との対話で未来を予知する祭司長であり、指針書を通じて徐々に国民の生活のすみずみまで指導監督する力を得ていったという設定で~す。初代国王レトリウスの子孫ではない可能性も示唆されていますね。

 マルクス主義国でも、スターリンが就任した「書記長」が強大な権力を手にしていき、名目上の国家元首は傀儡になっていきました。スターリンが晩年のレーニンとの面会権を独占したことで権力者になった経緯も、時見の箱を独占したエテーネ王家に似ていま~す。

f:id:hoshizukuyo:20171230021332j:plain

※その2.「ルクス」と教条主義マルクス主義者の類似性

 エテーネ王権を支える指針書を絶対的に信奉していたのが、「ルクス」で~す。以前の記事でも対比したことですが、指針監督官であるベルマですら、指針書の理屈に外れた存在である外国人が引き起こす不測の事態を警戒していました。これに対してルクスは、同じく指針書の理屈に外れた存在であるモンスターが引き起こす不測の事態を想定すらしていませんでした。完全な指針書原理主義者ですね。

 マルクスの書いた本の内容は絶対だと考える教条主義マルクス主義者や、マルクス主義国の指導者の指示に機械的に従う「模範的」国民の像が、彼に投影されているのでしょう。名前もマルクスに似てますしね。

f:id:hoshizukuyo:20180103082829j:plain

※その3.エテーネ王国とザミャーチンの『われら』の世界の類似性

 これは直接の類似ではないのですが、ソ連の負の側面が放置された場合の未来予測小説として、ザミャーチンの『われら』という小説がありま~す。エテーネ王国のように、日常のありとあらゆる行動を権力が統制する世界を描いていま~す。

 全体主義批判の名作小説には他にも『すばらしい新世界』や『1984年』や『華氏451度』等様々ありますが、ソ連を一番狙い撃ちにした作品となると、やはり『われら』なので~す。