『アストルティア創世記』の20~23ページは「アストルティアの神話」という章なのですが、この章については「この手記はグランゼドーラ王国の歴史学者にして神学者、ロッサム博士による著作「アストルティアの神話」の内容を一部抜粋、要約したものである」と書かれています。
一方317ページのロッサム博士の人物紹介では、「古代史を研究する考古学者」と紹介されております。316ページのヒストリカ博士に関する記述でも、ヒストリカ博士が考古学者であることとロッサム博士とはライバルであることとが書かれています。
この二つのロッサム博士について、別人であると片づけてしまうことも可能ですが、それだけではあまりに芸がないので、同一人物である可能性も考えてみましょう。
考古学と歴史学は完全に畑違いというわけでもなく、特に文献の少ない時代については、考古学の成果は歴史学にとって重要な史料となりま~す。
そこで、かつて歴史学者にして神学者であったロッサム博士が、既存の史料による研究に限界を感じ、自ら遺跡などを調査するようになったとも考えてみました。そうするうちに、考古学者としての名声のほうが高まり、今ではそちらのほうが「メイン職」とみなされるようになったとすれば、『アストルティア創世記』の20ページと317ページの記述の間の矛盾を解消できそうで~す。
古い石板の文字をスラスラと読めたのも、元のメイン職が歴史学者だったと考えれば、決して不思議ではありません。
ちなみに2.2終盤以降のロッサム博士は、ソーラリア峡谷がねじれたる異形の大地になったために研究が続けられず、怒り狂いながら立ちつくしています。奇しくも、研究の行き詰まりかたがアサナギ君と同じで~す*1。秀才型の人物の限界ですね。
一方、ヒストリカ博士は、偽の世界と容易に往来できる人材を直感的に見抜き、本来は苦手であった人脈作りもその相手との間では成功させ、研究の行き詰まりを打破していました。こういう人を天才と呼ぶのでしょうね。
ドラゴンクエストX アストルティア創世記 (SE-MOOK)
- 作者: スクウェア・エニックス,スタジオベントスタッフ
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