本日は前回の記事で予告したとおり、『蒼天のソウラ』で箱舟が使用されたときの移動速度と比較した場合、ゲーム中の箱舟の移動速度の見た目があまりにも速すぎるという問題を研究してみたいと思いま~す。
以下に、この問題を説明するために使えそうな仮説を列挙しました。これらは互いに排斥するものではないので、正解が複数である可能性もありま~す。もちろん、全部不正解の可能性もありま~す。
仮説1.漫画版の鉄道とゲーム版の鉄道は完全に別物であり、制度も速度も異なる。
「へっぽこ冒険者」と世間から扱われているソウラたちが、ゲーム中ではVIPしか利用できないはずのドルワーム駅を平然と利用しており、それについて不信がられている様子もありませ~ん。
また前回記事で検証した時間の巻き戻しのような現象も、完全には、もしくは、まったく、起きていないようで~す。ソウラがグレンからドルワームまで大地の箱舟で移動し、そこからすぐにカルサドラ火山まで歩いた時間内に、マルチナがカミハルムイからグレンに行き、グレンでバグド王と交渉し、そこからさらにカルサドラ火山と移動したのに、ちゃーんとソウラに追いついたということが、第3巻の127ページで語られていま~す。
このときのマルチナの大陸間の移動手段が、ルーラストーンであったか後に登場する快速ガレオン船ミーティア号であったかそれらの複合であったかは不明ですが、とにかく大地の箱舟を利用して移動している冒険者を追い抜く速度で移動する手段が存在することは、明らかで~す。
よって漫画で使われた鉄道は、ゲームで見かける鉄道とは、制度についても速度についても、設定が別物である可能性が高いで~す。
別物である以上、漫画内の世界では外見上もゲーム中の速度とは別の速度で走っていても、おかしくはありませ~ん。
仮説2.漫画版のアストルティアは、ゲーム版のアストルティアよりも広大である。
『蒼天のソウラ』で描かれたゴブル砂漠東のイメージは、ゲーム中のものよりも広大で~す。
第2巻60ページには「さ…砂漠の旅って大変なんだね 昼はメチャクチャ暑いし夜はメチャクチャ寒いし…」というセリフがあり、ドルワームからカルサドラ火山まで徒歩で移動をするのにかかる時間がゲーム中より長いことが示唆されていま~す。
またオアシスの隊商宿も複数存在していることになっていま~す。
世界が広大であれば、移動に時間がかかるのも当然ということになりま~す。
仮説3.大地の箱舟は大地から遠く離れると速度が極端に低下する。
『蒼天のソウラ』第2巻21ページによれば、ソウラたちが乗る列車はグレン→レンドア→カミハルムイ→アズラン→ドルワームと移動していきま~す。
このうち、海ばかり続いて外にずっと出られない区間があるのは、「グレン~レンドア間」・「レンドア~カミハルムイ間」・「アズラン~ドルワーム間」の三区間で~す。
そして46ページのセリフによれば、この旅は「一週間以上」だったそうで~す。またここでは「海の上とかマジで何日も外に出られねーしなあ」とも語られていま~す。
二週間でも三週間でも、あるいは逆にちょうど一週間でも、論理の世界では「一週間以上」ですが、日常会話で「一週間以上」という言葉を使った場合、普通は「八日間か九日間」を意味しま~す。期間が十日間を越えた時点で、日常会話では一週間との比較による表現を使わなくなりま~す。
よってこの旅は長めに見積もっても九日間だったという可能性が高いので~す。
そして「何日も」という表現が適当な日数は、三日間が最低限度であると思うので~す。そしてそういう期間が三回あれば、それだけでもう九日間以上になってしまいま~す。
以上、仮定の上に仮定を積み重ねた計算になってしまいますが、「ソウラたちの列車の旅にかかった時間のほとんどが海上で費やされ、陸の移動は瞬時に終った」という可能性はかなり高そうで~す。
名称に「大地の」とついているだけあって、箱舟には大地のエネルギーが活用されていて、大地から離れて蒸気機関だけで動かそうとすると急に遅くなってしまう、という設定の可能性もありま~す。
通常のドルボードが水上を飛べない件とも、何かしらの共通の理由があるのかもしれませ~ん。