ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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3.3メインストーリー その9 キリスト教的原罪論が漂う冥闇の塔を攻略し、メシアとなりました。

 冥闇の塔の中身は、影の谷と同じく、火つけ棒による聖火リレーをして結界を消していく作業でした。

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 すると、ナドラガ神のほこらに容易には参拝できないようなあの仕掛けを構築したのも、ワギ神だったのでしょうか?

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 途中で見つけた石碑。文字にかすれているような部分は見当たらないのに、エステラさんは重要な単語を飛ばして読んでいました。ほぼ間違いなく、意図的に重要な情報を隠したんだと思いま~す。

 一番奥の階までいくと、ワギ神から「裁定者の拝礼」というしぐさを教わりました。

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 これを使って、塔の周囲で四つの試練を果すと、ワギ神から裁定者として承認されました。四つの試練のほとんどは簡単なものでしたが、満月の環の試練だけはメカバーンを13体倒すという、それなりに面倒なものでした。

 試練を果すごとに、闇の領界の過去の物語も少しずつ教わりました。

 ワギ神によると、闇の領界の竜族はかつて楽園に住んでいたそうで~す。でも当時の戦乱に積極的に参加し、毒を用いた怖ろしい兵器で大地を汚し、しかもそれによって戦乱は長引いたそうで~す。そうした罪により、闇の領界の竜族は楽園を追放され、汚染された地域で長期間暮らしていく罰を受けたそうで~す。

 この話の流れは、『旧約聖書』創世記第三章に似ていますね。創世記第三章では蛇が人間をそそのかしますが、竜族は蛇の特徴と人間の特徴を兼ね備えてますから、一種二役ができま~す。「知恵」の暴走の果てに楽園を失ったという経緯も同じで~す。加えて創世記で神がアダムに語りかけた発言の中には、"אֲרוּרָ֤ה הָֽאֲדָמָה֙ בַּֽעֲבוּרֶ֔ךָ"「汝のせいで、大地は呪われた」という部分がありま~す。

 この発言の後、神はアダムを楽園から追放し、番兵としてケルビムを置きました。このケルビムに当たる立場なのが、管理端末シリーズであると思いま~す。

 そしてエゼキエル書第一章では、ケルビムは"וְנֹצְצִים כְּעֵין נְחֹשֶׁת קָלָל"「磨いた青銅のように輝いて」いて"וּבְלֶכֶת הַחַיֹּות יֵלְכוּ הָאֹופַנִּים אֶצְלָם"「移動時には車輪がともに移動する」機械的な天使たちとして描かれていま~す。しかもこの車輪の構造は、"וּמַרְאֵיהֶם וּמַעֲשֵׂיהֶם כַּאֲשֶׁר יִהְיֶה הָאֹופַן בְּתֹוךְ הָאֹופָן"「車輪の中に車輪があるかのよう」だと書かれていま~す。キャタピラーで移動する金属製の管理端末シリーズは、ケルビムと立場のみならず外見でも類似性がありますね~。

 またここで、管理端末Q485が毒の浄化までにかかる時間として計測した「5491年」という数値に隠された意味が判明しま~す。5491を逆から読むと、1945で~す。地球のキリスト紀元1945年といえば、戦後も人体をむしばむ毒を撒き散らす大量破壊兵器が使われた年で~す。かつて闇の領界の竜族が用いた兵器は、地球のその兵器になぞらえられているわけで~す。

 バージョン3.3が公開されたのは今年の5月25日でしたが、地球では何と5月27日オバマ大統領がかつてその大量破壊兵器が使われた広島を訪問するという歴史的なイベントが発生しました。オリンピックにちなんだ聖火リレーなんかよりも、さらにずーっとタイムリーですね~。

 このイベントは直前まで発生するかしないかが未確定であったので、確定してからストーリーを書いてゲーム化して発表した可能性はゼロで~す。ある程度こうなることを予測していた可能性はありますが、それにしても凄い奇跡で~す。

 話を冥闇の塔に戻すと、四つの試練を終えた星月夜を、ワギ神は「裁定者」として認めました。闇の領界の竜族に対するワギ神の裁きをさらに裁く立場で~す。

 なぜこんな役職を作ったかというと、犯罪者のみならずその子孫たちまで苦しめる罰というのが正しいものであったかどうか、ワギ自身が随分悩んでいたため、信頼できる他者の見解を聴きたかったようです。

 そして星月夜が闇の領界の竜族を許すべきだと主張したところ、ワギ神は約束通り竜族を許しました。

 キリスト教では、各派によって教義が異なりますが、概してアダムの罪によって人類全体が原罪を負うことになり、それが神と同一人物でもあり別人でもあるキリストによって清められると考えることが多いで~す。

 それと同じように、ワギ神自身の権限の委託によってワギ神を裁く権限を手にした星月夜が、ワギ神によって裁かれた竜族を許したので~す。これは本人とも別人ともみなしうる代理人の手による、原罪の消滅で~す。

 つまり星月夜は、地球に例えるならメシアのような立場になったので~す。えっへん!

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 次回はいよいよ、水の領界へのゲートを開くための戦いで~す。

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夕月夜「緊急警報。闇の領界におけるメシア降臨とほぼ時を同じくして、グレン城下町に裁定者の拝礼の練習をする偽メシアが出現。偽メシアは世界の中心での活動を予告する声明を発表。メシア対偽メシアの世界最終戦争が勃発する可能性高し。ただちに対策を練られたし、ただちに対策を練られたし」