1.はじめに
以前、「プクリポのNPCたちの名前に関連して考えたことを色々と。プーポッパン王の先祖への高慢な態度とか、ダンダダ団のメンバーとか。」という記事を書きました。
内容を要約すると、「プクリポの名前にはp音が入りやすく、その法則から外れるのは上流階級やその真似をしている者が多い」というものでした。
そしてそこから、プーポッパン王は傍流出身という仮説を立てたところ、後に3.0以降のメギストリスの兵士の発言からその仮説がほぼ正しかったことが証明され*1、実に誇らしい気分になりました。
上流階級が特別な命名をしているのは、プクリポだけではありませ~ん。ちょっと五種族の名前の法則に、各国の王族の名前がどれぐらい当てはまるかを確認してみましょう。
2.五種族の王族における、各種族の一般的な命名の法則の発動率の比較
各種族の名前の法則については『アストルティア創世記』の432ページを参考にしました。
なお、「王族」といっても、メルー公やチリさんなど、誕生直後の命名の時点では王族ではなかったり王族として扱われていなかったりしたキャラクターは、検証の対象にしませんでした。
※オーガ
名前の法則として、男性は「濁音(ガ、ジなど)が入る」、女性は「擬音語や擬態語のような響きが入る」とあります。
王の人数では六種族中最高峰のオーガですが、王権が世襲で「王室」という概念があるのはガートラントだけですね。
ラダ・ガートは建国の祖なので、生まれつきの所属者として名前が確認できるのは、グロスナー王とデルタニス王子とゼラリム姫の三名で~す。
グロスナー王とデルタニス王子は法則に当てはまりますが、ゼラリム姫は当てはまりませんね~。法則の発動率は66.7%ですね~。
※ウェディ
「伸ばす音(ー)が入る」のが法則で~す。
ラーディス王、セーリア姫、女王ディオーレ、オーディス王子。全員が法則に当てはまりま~す。発動率100%!
※エルフ
「日本の大和言葉をカタカナにしたもので、伸ばす音(ー)は入らない」のが法則で~す。
ナシュロイ王、リタ姫、ニコロイ王、リン姫。こちらはヴェリナード王家とは逆に、発動率0%ですね~。
※ドワーフ
男性は「「タ行+ア」または「タ行+小さな文字(ァ、ッ、ャなど)が入り、伸ばす音(ー)は入らない」のが法則、女性は「同じ文字が連続し、伸ばす音(ー)は入らない」のが法則のようで~す。
皇帝ボラングムニス、ビャン・ダオ皇子、ウラード国王、ラミザ王子。ここも法則の発動率が0%ですね~。
※プクリポ
「ハ行ではじまり、半濁音(パやピなど)が入る」とありま~す。ただし、ここで典型例として挙げられているキャラクターの80%はパ行で始まっているので、ここでいう「ハ行」とはパ行を含んでいると考えられま~す。
生まれながらの王族としては、メギストリス姫、エパト王、プーポッパン王、ラグアス王子が挙げられま~す。
「パルカラス王」というキャラクターもいましたが、所属していた国の名前も「パルカラス」なので、「パルカラス(という名前の)王」ではなく「パルカラス(王国の)王」という意味で解釈して、本名不詳とみなし、検証の対象から外しました。
そうなると、法則の発動率は25%ということになりま~す。
3.発動率の原因の探求
エルフとドワーフの王族では、一般的な命名法則の発動率が0%で~す。そしてウェディでは逆に発動率が100%で~す。
オーガとプクリポの王族における発動率は、一見すると中庸に見えま~す。
でも即位後も親戚が王城から排除されているプーポッパン王を事実上の庶民出身とみなせば、プクリポの王族における法則発動率は0%となりま~す。
また、法則の違うオーガの男性と女性を別個にカウントすると、オーガの男性の王族における発動率は100%、女性の王族における発動率は0%となりま~す。
こうした作業をすると、発動率が100か0かに二分できるので、法則の発動を支配するメタ的な法則を類推しやすくなりますね~。
そしてここで気づいたのは、法則が発動しなかった場合、種族の典型的な名前よりも発音がしやすくなる方向に変化しているといえることで~す。
以上から考えるに、「エルフとドワーフとプクリポとオーガ女性の、命名法則に従ってつけられた名前は、異種族には発音しにくいので、将来国際会議の席などで異種族と深く交流をすることがほぼ確定している王族の新生児には、種族の命名法則から外れた名前をつける場合がほとんどである。ウェディとオーガ男性の名前は、命名法則通りでも異種族に迷惑をかけない発音になりやすいので、そうした工夫はしないことになっている」と仮定すると、すべての辻褄があいそうで~す。
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