最近のアストルティアは、創造神ルティアナの創った世界の偽物を造ろうとした大魔王の挑戦を受けましたが、外なる世界では絶対神Holy.U.Gの業績の偽物を造ろうとするさらに大胆な連中がいま~す。本日はそうした偽造世界を一つ紹介してみたいと思いま~す。
中国語圏では、『ドラゴンクエスト』は『勇者鬥惡龍』と呼ばれています。星月夜は、そのシリーズの『V』と称する作品を所持していま~す。下の写真をご覧下さ~い。
あまり『ドラゴンクエスト5』っぽくないですね~。老いたケルトの英雄がハンマーを振りかざしていま~す。99%ニセモノですね~。
でも終盤のころのサンチョの脳内の自画像は、こんな姿なのかもしれませんね~。1%の可能性に賭けて、説明書を読んでみました。
1ページ目。前書きも何もなく、いきなり武器の解説で~す。
最弱の武器「木棒」は攻撃力が2、魔術師を倒すと遺留することがあって、「蒙布克」姫の最初の武器…。これはどうやら『ドラゴンクエスト2』の「ひのきのぼう」の説明のようですね~。
すると「棍棒」・「銅劍」・「聖刀」は、「こんぼう」・「どうのつるぎ」・「聖なるナイフ」ですね~。
「羅德西亞」・「撤馬多裏亞」・「蒙布克」についての説明をされる前に、そこの王子や姫の武器だとか書かれても、購入者は何のことだがわからなかったでしょうね~。これは多分、『ドラゴンクエスト2』の説明書ではなく攻略本の一部を訳したものかと思われま~す。
ただし「雷杖」(いかづちのつえ)の効果が「巴基」(バギ)ではなく「基拉」(ギラ)とされている等の虚偽情報も混じっていま~す。
11ページからは呪文の紹介が始まりま~す。「使」という項目で数値が並べられていますが、当然ながら購入者は、これが使用可能になるレベルを意味していると見抜けるわけがありませんよね。
最後の2ページまできて、ようやくあらすじが語られ始めました。
しかしここに書かれているのは、前日譚ではなく、ゲーム中のストーリーのネタバレで~す。終盤に突然登場する最終目的地「哈根神殿」を、そもそもなぜ目指さなければならないのか、さっぱりわからない仕組みになっておりま~す。
ちなみに実際にゲームを起動してみると、中身は『ファイナルファンタジー』でした。
購入者をとことん騙すつもりなら、わざわざカセットにファイナルファンタジーのコピーをインプットする必要もないでしょう。
売ったあとの即座の雲隠れができない状態で、ファイナルファンタジーのデータを「これぞ最新のドラゴンクエストだ!」と偽って儲けたいのであれば、こんなやっつけ仕事にしてはそこそこ頑張った感のある無関係な説明書を同封する必要はないでしょう。こんなものがあると、かえって嘘がばれてしまいます。
これを生産した業者は、一体全体何だってこんなにも効率の悪い、ほほましい詐欺をしたんでしょうね~?