星月夜「夕月夜~。ジパングでエジンベア人の三浦按針を記念する三浦按針祭ってのをやるらしいんだけど、これを機にその周辺を一緒に観て回らない?」
夕月夜「ふふふ。ど~せ男のフレンドを先に誘い、全員に断られてから私を誘ったんでしょ~。わかってます、わかってますとも」
星月夜「行かないんだったら、私は暁月夜と二人だけで行くからね~」
夕月夜「わう~。それだけは阻止せねば」
暁月夜「これ以上ありえないほど、小田原だな」
夕月夜「でもこの小田原提灯って名前と形状だけ有名ですが、実際にはあまり見かけませんよね~」
星月夜「そもそも本物の提灯自体がレアだもんね」
星月夜「小田原の歴史は長いけど、この北条早雲とその子孫が支配した百年弱の期間が、非常に強調されてるのよ~。関東の事実上の首都だったという栄光の時代でもあり、また小田原が一気に大きくなった時期でもあるからね」
暁月夜「この男はかつては一介の冒険者出身と言われていたが、最近では岡山県の豪族出身で幕府の役人として関東に下向したと言われているらしいな」
夕月夜「わう~、暁月夜のくせに知的な発言を~。ど~せゲームで学んだんでしょ~」
星月夜「ここが後北条氏が滅亡したときに、四代当主氏政とその弟氏照が切腹した場所よ~」
夕月夜「御姉様が切腹させられそうになったら、私も殉死いたしま~す」
暁月夜「では私はせめて介錯を…」
星月夜「この店では、歴史のある有名なお薬とお菓子を売っていま~す。私企業なので迷惑にならないよう、店の前にあった石碑だけ記念に撮影しておきましょう」
夕月夜「わお、美味しそうなお菓子! お土産にぴったりね~」
暁月夜「で、これを食べると30分間上昇する能力は何なのだ?」
暁月夜「なんだこれ。やくそう・上やくそう・ようせいの霊薬・エルフの飲み薬禁止縛りプレイ推奨か?」
星月夜「歴史ある薬屋さんの側でこういう標語は、ちょっと営業妨害よね。違法な薬物だけを禁止しなければいけないのに」
夕月夜「理屈っぽい人たちね~。標語はインパクトのためにも、ある程度の不正確さが必要なんですよ~」
星月夜「さて、いよいよ小田原城に突入!」
暁月夜「小田原城は町の周辺にも城郭があるので、広い意味ではここも小田原城だがな」
暁月夜「手裏剣道場だってさ、やってみたいな~」
星月夜「でもこの陣屋、入り口がどこにもないよ」
夕月夜「きっとニンジャしか入れないのよ」
星月夜「天守閣は博物館をかねているので、入場料500ゴールドよ~」
暁月夜「やっぱりエルフはこういう家に住まないとな。お二人の住んでいる家はレンダーシア風すぎて落ち着かないや」
夕月夜「暁月夜を追い払う効能があると判明した以上、我が家の設計思想は今後も絶対維持ですわ~」
星月夜「天気は悪いけど見晴らしがいいね~」
暁月夜「風も気持ちい~」
夕月夜「反対側の景色には海がないけど、それなりに味わいがありますよ~」