星月夜「三浦按針はエジンベア人だったけど、ジパングに漂着して徳川家康に仕えて、この伊東市でヨーロッパ流の船を建造したのよ~。だから伊東市では三浦按針が郷土の英雄になっているのよ~」
暁月夜「『田舎者は帰れ』の国と『外人が嫌いなのじゃ』の国との懸け橋になったと考えれば、とんでもない偉業だな」
夕月夜「一昔前のレンダーシアと現在のメギストリスをまたにかけて活躍したようなものね」
暁月夜「何だ? 特技はマッスルポーズだったのか? かなり親近感がわくな」
星月夜「もうすぐパレードが始まるわよ~。こっちこっち!」
夕月夜「按針さんは、時渡りの術まで使えるみたいよ。わざわざ400年前の世界から、この祭のパレードのために演説しにきてくれたんですって!」
星月夜「時を渡るだけならフォステイルでもできること。滞在した先の時代でMPを消費しないことこそ、エテーネ人の特権なのよ~」
暁月夜「なあ、何であのネズミ型モンスターにあんなに人が群がっているんだ? 主役より人気のようだが?」
星月夜「こっちの世界ではケセランパセラン級のレアモンスターなのよ~」
星月夜「やっぱりパレードって楽しいね!」
暁月夜「あっちのほうで花火大会もするそうだぞ。行ってみようぜ」
夕月夜「まあ綺麗。こんな至近距離で花火を見たのは初めてです!」
暁月夜「しかし酷いラグだな~。光ってから音がするまで平均0.7秒ぐらいかかってるぞ。こっちの世界の運営って、りっきーだったか、ヤハウェだったか? とにかく仕事しろ!」
星月夜「この世界では音の速度は光の速度よりもずっと遅いのよ~。温度にもよりけりだけど、空気中だと秒速約340メートルぐらいかな」
暁月夜「すると200メートルぐらい先で爆発しているってわけか。ならば、仰角が約60度ぐらいなので、ここから発射台までの距離は約100メートルで、花火は地上約170メートルで爆発している計算になるな」
夕月夜「わ~、お馬鹿の暁月夜が一瞬で三角比の暗算をしてのけた。くやし~」
星月夜「そろそろ宿屋に行きましょう」
星月夜「エヘン。諸君のために山海の珍味を取り寄せた。好きなだけ食らうがよい」
夕月夜「わお、純エルトナ風高級料理の数々! とってもおいしそうだけど、全部食べ切れないかも」
暁月夜「普段食べなれてないものばかりだ。食わず嫌いなものも多いな」
星月夜「ふふ、夕月夜は舌が肥えていても胃が小さい、暁月夜は腹が肥えていても味覚が貧相。よしよし、夕月夜が食べ切れなかった分と暁月夜に食べる勇気がなかったものは、私が食べてしんぜよう」