卯の花月夜(うのはなづくよ)「こんにちは~。おひさしぶり~。元気にしてた?」
夕月夜「母上ではありませんか~、おひさしぶりで~す」
卯の花月夜「前に会ったときはあんなに小さかったのに、もうこんなに大きくなったのね~」
夕月夜「そんな大袈裟な」
卯の花月夜「たっぷり歩いてきたから疲れちゃった。もてなしなさ~い」
夕月夜「はーい」
卯の花月夜「う~ん、おいし~。昔からお茶を入れるのが上手だったけど、ますます上手になったね」
夕月夜「ずっとメイドやってますから」
卯の花月夜「あいかわらず星ちゃん相手に召使いごっこやってるの?」
夕月夜「ごっこじゃありませんって。私はこういう性格なんです~」
卯の花月夜「やれやれ、容姿は一番私に似ている夕ちゃんが、まさかこんな性格に育つとはね~。星ちゃんは冒険中なの?」
夕月夜「は~い。冒険者としても腕に磨きがかかってきたようで~す。たまに変なモンスターの屍を手土産にしてくれま~す。」
卯の花月夜「箸より重いものを持ったことがなかったあの子が研究者をやめて冒険者になったのも、夕ちゃんの進路と同じぐらい意外だったね~。学びの庭で何があったのやら」
夕月夜「でも、今でも両手剣とオノとハンマーは持ちたくないっていってま~す」
卯の花月夜「まだそんな怪しげな縛りをしているのか~。もうすぐ画期的な技術革新で世界中のオノが強化されるといわれているのに。これはハンマーでなぐってでも、性根を叩きなおさねば」
夕月夜「そんな、ひどい。その武器は暁月夜を追い払うのに使ってくださ~い」
卯の花月夜「夕ちゃんは昔から暁ちゃんと仲が悪かったよね~」
夕月夜「相性の問題ではなく、御姉様の貞操の危機なんですよ~。二人でこっそりどこかに出かけていちゃいちゃしているに違いないんです。そして暁月夜は二人きりのときは自称が「僕」になっているに決まっているんです。昨日はその場面を夢を通じて見えたぐらいなんですよ」
卯の花月夜「やれやれだわ~」