卯の花月夜「にゃ~、追いついた!」
星月夜「その声は母上。ごきげんようで~す」
星月夜「は~い。母上の名をはずかしめないよう、がんばっておりま~す」
卯の花月夜「それはいいんだけど、今日はあなたの両手剣・オノ・ハンマー不使用縛りについて忠告しにきました。夕ちゃんの話だと、まだ続けているそうね」
星月夜「は~い。姫はそんな重そうで武骨な武器は使わないので~す」
卯の花月夜「何が姫じゃ」
星月夜「ばふ! ハリセンの使いかたがちょっと変です!」
卯の花月夜「そもそも、それらの武器が重いだなんて思い込みだよ。星ちゃんの好きなヤリなんて、レベル85~93以上のものだと、それぞれ重さ57・62・66でしょ。対して両手剣の場合は44・47・50、オノは全部44。ハンマーはバトルマスターとして両手に同じものを持っても、計50・54・60だよ」
星月夜「実際の重さがどうこうというよりも、見栄えなんですよ。戦乙女(いくさおとめ)としての見栄え」
卯の花月夜「何が戦乙女じゃ」
星月夜「あと、その質量自体を利用する戦い方がイマイチ好きになれないんですよね~。重いものを敵の上から重力任せに振り下ろすだなんて、原始的ですよ~」
卯の花月夜「だったら先に特技の岩石おとしから封印せんかい」
卯の花月夜「私はね、星ちゃんのことが心配でやってきたのよ。そんなに武器を縛っていたら、その武器が流行している時期に活躍できないでしょ。ここ最近は両手剣が全盛な上に、もうすぐオノまで強化されるのよ。片手剣だけで前衛をしていたら、どんどん遅れをとるわよ」
星月夜「いざとなったら暁月夜く……暁月夜ちゃんが助けてくれるもん!」
卯の花月夜「やれやれ、夕ちゃんの心配が半分当たっていたか。あの子だって女の子なんだから、いつまでもナイト役をやらせてたらかわいそうだよ」
星月夜「あれは暁月夜ちゃん本人の趣味でして……」
卯の花月夜「母さんも暁ちゃんみたいな性格だったからわかるんだけどね、本当はそろそろ本格的におめかしとかしたい時期だよ。それにいつまでも暁ちゃんの善意に甘えてたら、星ちゃんは一生本物の男の子から相手にされないよ」
星月夜「うう。実は、ある秘密の訓練所では星月夜も武器縛りを外して、雄々しく武骨な武器を振り回す訓練をしているんですよ。この記念写真に免じて今日のところはご勘弁を」
卯の花月夜「それは人間族の子の写真じゃないか!」
星月夜「わうわうわう、これには深いワケが……」