ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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シオドーアの総合研究

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1.はじめに

 シオドーアは、グレン城を奪ったり、レイダメテスに対して持久戦を採用したり、ベルンハルト親子と対立したりといった理由から、イマイチ人気がありませんね~。

 しかしながら星月夜は、彼こそ指導者として最高級の人物だと思っておりま~す。

 敵キャラクターで尊敬しているのは竜王・ゼルドラド・ジャミラスの三名だと前に書きましたが*1、敵キャラクター以外ではシオドーアが一番ですね~。

 本日は彼の能力の高さを証明していきま~す。

2.難民の人間だけでグレン城をガミルゴから奪った天才。

 シオドーアは、神話的な存在とすらいえるガミルゴからグレン城を奪うという快挙をなしとげていま~す。

 彼の戦力は難民としての人間のみで、他の四種族の難民とも協力をしていませ~ん。

 敵はガミルゴ率いるオーガの正規兵に、さらにはヤクルなどの有力者がいる四種族の難民も加わった勢力でした。

 道徳的な問題はさておき、弱小部隊を率いて国を一つまるごと奪ってしまうというのは、それだけでも天才の所業で~す。まして相手が名君であり、僅かとはいえ援軍までいる状態だったのですから、この時点ですでにドラクエ史上最強の指導者であるといえるかもしれませ~ん。

3.クーデターは緊急避難的な措置。

 ガミルゴの統治に任せて水を均等に分配していては住民全員が共倒れになるという状況下で、一部の者だけでも助けようとするのは、倫理的にはほぼ正解といえるでしょう。

4.レイダメテスに対する持久戦は必ずしも失敗ではない。

 レイダメテスの最終的な滅びかたが守護者ラズバーンの死を原因とする墜落だったので、それまでの持久戦の印象も悪いですね~。

 しかしながらベルンハルトの特攻作戦が失策だったのはまぎれもない事実ですし、ある時点までのエルジュが全幅の信用を置くべきでない小僧だったのも事実で~す。

 旧来の歴史でもエルジュの手を借りずしてレイダメテス問題は解決しているのですから、シオドーアの持久戦もまた一つの正解だったのでしょう。

 『蒼天のソウラ11』の88ページにも「さりとて 炎環宮の 守護者殿からは 一日も早く ヴェリナードを 落とせとの 矢の催促… 時間さえあれば 兵糧攻めや 戦力を分散させる 手も あるのだけどな」という発言があり、持久戦を本当に怖れていたのはラズバーンの側であることは、準公式設定であるといえま~す。

5.持久戦をやめるタイミングもガミルゴと和解するタイミングも最高。それはおそらく改変前の歴史でも同じ。

 シオドーアは、レイダメテスの本格的な下降が始まり、エルジュが本格的に成長すると、その機を逃さず即座にガミルゴと和解をしていま~す。

 今までの自分のやり方を最高のタイミングで一気に改めるというのは、英雄とされる人物でもかなり難しい行為で~す。時勢を見極める知力と大胆な決断力の両方が必要で~す。

 改変前と改変後の歴史の違いは破邪船師の伝統が絶えたか絶えなかったかだけなので、改変前の歴史では、シオドーアはエルジュの成長や嘆願とは無関係に、上手にガミルゴと和解をしたのでしょう。交渉の天才でもあるようで~す。

6.難民政権のそのまた残存勢力を率いて異郷で一国を建てる。

 シオドーアが率いていた人間の中には、和平の成立後は故郷のレンダーシアに戻ったり、グレンに残ってガミルゴに仕えた者も多かったようでした。

 しかしシオドーアは、あえて残存勢力を率いてオーグリードで一国を建てました。

 王になりたいという野心もあるにはあったでしょうが、やはり生産力の落ちた世界においては一気に集団で未開の地を開拓するのが、全世界のためになる行為だったと思いま~す。

 人間にとってホームグラウンドではない大陸のそのまた辺境の地で、同時期の建国者であるラダ・ガートのように古代の魔物を復活させてしまうなどという失敗もなく、500年続く王国を建てました。

7.フォステイルの先駆である。

 以上のシオドーアの行動・能力・業績は、ほぼすべてフォステイルの先駆といえましょう。

 「多数を救うためなら少数を大胆に犠牲にする」・「そのためにはクーデターもする」・「そのさいには大陸一の強者だった王に勝つ」・「敵の残党への対処のためには、私益を度外視して、大胆にして適切な手段を適切な時期に採用する」・「一国の建国者として長らく称えられる」

 以上の理想的な指導者像を、そっくりそのまま真似たのがフォステイルであるといえましょう。

 以前、『罪と罰』とリベリオの関係について語った記事で、ナポレオンの業績がラスコーリニコフやジュリアン・ソレルやアンドレイを駆り立ててその亜流を目指させたように、フォステイルの業績がリベリオやブランドンやゼクセンを駆り立てたのだという意味の主張を書きました。

 しかし「巨悪によってでもそれ以上の善を達成する大天才」としての真の先駆はシオドーアであり、フォステイルですらその追随者の一人にすぎなかったのだと、今では思っておりま~す。

8.余談として、名前の分析や地球の偉人との比較。

 シオドーアは、日本語で「セオドア」とも表記されることの多い、英語圏の人名"Theodore"が直接の語源であると思われま~す。

 娘の名前が英語圏に多い「クレア」であることも、その裏付けの一つで~す。

 また、「潮時」を見極める天才という隠れた意味もあるかと思いま~す。上に見た通り、シオドーアは適切な時期に適切な行動をするのが得意ですから。

 "Theodore"のそのまた元ネタは、古代ギリシアの人名"Θεόδωρος"(テオドロス)で~す。意味は「神の贈り物」で~す。

 この系統の名前の人物として多少とも似た業績の人物を探すとすれば、東ローマ帝国を失ったものの、強大な亡命政権であるニカイア帝国を建てたテオドロス一世でしょうね~。

 名前を無視してもっとよく似た偉人を探すとなると、耶律大石を挙げたいですね~。彼は遼国の最後の皇帝の天祚帝が金国に対して不甲斐ないのを嘆き、首都でクーデターを起こして「北遼」を建国しました。しかしやがて天祚帝とは和解し、その後は僅か200名の兵とともに西方に逃れて巨大な領域国家である「西遼」を建国しました。