ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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『週刊ウルベア魔神兵』精読 「脚なんて飾りかを検証!」・「グルヤンラシュの正体は、会う前から半分ネタバレされていた!」・「反骨の出版人ボダッチ氏の地上出版の意図を徹底分析」

 新しく行けるようになった時代について、フィロソロスさんから恒例の依頼がきました。今回のクエスト「太古の偶像を求めて」は、『週刊ウルベア魔神兵』全6巻を買ってくるというもので~す。

 ウルベア帝国では『魔神機歴史概説』という重厚な研究書のシリーズもあるのに、なぜか冊子程度の内容のこのシリーズを要求されました。

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 発行者はこのボダッチさん。万能浮遊椅子による人々の運動不足を憂い、様々なシリーズの第1巻だけ帝都で売り、それ以降を浮遊椅子では行けない整地されていない場所で売ることを思いついたんだそうで~す。

 ちなみに、万能浮遊椅子では行けないという設定の2巻以降の自販機には、ドルボードでなら簡単に近づけました。

 ということは、どうやらボダッチさんの社会貢献の計画は失敗のようですね~。

 ただし商売の観点からいえば、ひょっとしたら帝都で全巻を一気に売るよりもかえって儲かった可能性はありま~す。いわゆる「希少性の原理」効果で。

※第1巻精読

 ウルベア魔神兵の頭部の人工知能についての特集。単に魔神兵を動かすだけでなく、組織間の利害調停まで行えるほどの高度な知能を持っているものの、夫婦げんかの仲裁には失敗してしまったとか。

 星月夜は組織間の利害調停ができても夫婦げんかの仲裁に失敗した原因について考えてみました。

 人の感情は複雑ですので、単純な計算との相性は低いで~す。金銭面では「互いに100ずつ損をする」というのが合理的でも、相手への憎しみから、「自分が110損をしてでも、相手に120損をさせたい」とか人は考えてしまうもので~す。

 でも組織の利害というのは、組織の加盟者の様々な利害感情の最大公約数的なものになりがちなので、こうした敵対組織への個人的感情などは組織内の利害調整の中で捨象されていくもので~す。金銭面での結論はみんな同じで、敵対組織への愛憎の内容が人それぞれだった場合、相互に妥協すると自然に金銭面での結論の近似値が採用されるというわけで~す。

 なので機械的な利害計算のみをするという、魔神兵の人工知能のある意味での「性能の低さ」が、組織間の対立の仲裁には向いていたのでしょう。

 しかし個人間の対立の場合、計算できる部分の比重というのは小さくなりま~す。なので魔神兵の単純な提案は一蹴されてしまったのでしょう。

 ウルベア・ガテリア戦争を例にとるなら、「このまま戦えばガテリアは滅んで100の損をし、ウルベアは勝っても戦費のせいで60の損をする」ということが分かり切っていた場合、あえて細かな事情を無視して単純に「戦争を止め、ガテリアは賠償金20を払う!」と決めてしまえば、「40の差がつく」という相対的な結果は維持されたまま、両国にとって80の利益になりま~す。

 この際には、個々人の持っている「私の兄はX将軍の部隊に殺されたので、X将軍が戦死するまで戦争を継続して欲しい」とか「私の先祖の墓はY村にあるので、Y村をウルベアに割譲するのだけはやめて欲しい」とか「二千年前に帰りたいので賠償金はボロヌジウムで支払ってほしい」といった欲望は、所詮は個人の独自の望みにすぎないとして捨象されるというわけで~す。

 でも「ボロヌジウムが欲しい」などの特定の欲望を持った者が、一国を動かせるほどの大権力者であった場合は、その者の意思が過度に尊重されることで、交渉は夫婦げんか型に近づき、機械による仲裁は困難になるでしょうね~。

※第2巻精読

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 ウルベア魔神兵の右手の高出力ビームは、月まで届き、新しいクレーターを作るほどらしいで~す。

 アストルティアの月はビッグホルンからの打ち上げで人が行ける程度の距離にあるので、そう驚くほどの威力ではないかもで~す。

※第3巻精読

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 魔神兵の左腕はオノですが、左腕もビームに換装することが可能なんだそうで~す。でも好戦的なタイプの人工知能だと、オノのほうを好み、さらには味方とオノを奪い合って戦うこともあるのだとか。

 ビームも十分強いのにオノを好んで仲間割れとは、この「好戦的」タイプって単なる失敗作っぽいですね~。

※第4巻精読

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 胴体には身体を冷凍保存する機能の計画の名残として、謎の空間が残されているんだとか。今でも食料保存などに使われているそうで~す。

 ある機能が要らなくなったのなら、普通は設計からやりなおすもので~す。そうしてこそ、より少ない資源で同じかそれ以上の性能のものを作れるというもので~す。

 でもそうしなかったということは、リウ老師が離脱した後は三流の技師しか残っていなくて、安全な再設計をすることができず、既存の生産ラインを使い続けるしかなかったのでしょうね~。

 「リウ老師の反対を無視して作られた07系統は06系統のマイナーチェンジでしかなかった」という考察は昨日の記事でも書きましたが、第4巻の内容はそれを裏づける証拠といえましょう。

(この第4巻については、追加記事を書きました)

※第5巻精読

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 ウルベア魔神兵の脚部には反重力技術が用いられているので転倒をしないらしいで~す。脚がなくても浮遊できるならと、脚を失くすことを財務大臣が提案したところ、帝国技術庁の反撃にあって失脚したという、ダジャレのような話でした。なお失脚後の財務大臣は前線送りになり、戦死したそうで~す。

 長らくウルベア魔神兵強と戦ってきた星月夜としては、「魔神兵の脚は必要」に一票で~す。以下、写真を使って理由を説明します。

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 暗黒魔力砲を撃ったときの反動でバランスが崩れ、脚部の動きで必死に現場にとどまっていま~す。

 これがホバー走行しかできない機体であれば、暗黒魔力砲を撃った途端に後方に自分が吹っ飛んでいくことでしょう。

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 回転斬りも、脚で軸を支えていなければ、水平を保ってオノを回すのも難しいでしょうし、オノを敵に一撃を浴びせるごとに自分も吹っ飛びそうですね~。

※第6巻精読

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 魔神兵はホバー走行でも移動出来るので、いざ退却するときは早いそうで~す。でも人工知能の性格次第ではそのまま逃亡し、「理不尽な戦争に 駆り立てた 人間への復讐の機会を」狙っているという説もあるそうで~す。

 このゲームでは「人」といえば七種族全体を指す場合もありますが、「人間」といったら人間族のみを指すのが原則で~す。つまりグルヤンラシュが人間族出身であるということは、本人と会う前にこのクエストをすませ、なおかつ注意深く『週刊ウルベア魔神兵』を読んでいたプレイヤーにとっては、この時点ですでに判明していたということになりますね~。

 さらに着目すべきは、この本の内容がグルヤンラシュ批判になっているということで~す。

 するとボダッチさんは、権力者に抵抗する反骨の出版人ということになりますね~。

 ドルボードさえ使えば行けるような場所に自販機を置いておきながら、運動不足の解消だのといっていたのは、どうやら計画倒れなんかではなく、検閲を困難にするための名目だったようで~す。

 標準語でいうところの「地下出版」が、ウルベア地下帝国においては「地上出版」だったというわけで~す。

※後日談

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 フィロソロスさんが学者のくせに『魔神機歴史概説』よりも『週刊ウルベア魔神兵』を欲した理由が、最後に判明しました。付録のキットを組み合わせた1/30のミニチュアの新品版が欲しかったようで~す。

 ここでラミザ王子が学生時代にフィロソロスさんの教え子で、フィロソロスさんから模型サークルを紹介され、以後はサークルの代表者のペリポンさんと仲良くしたのだという設定が明かされました。

 なお学生時代のペリポンさんについて紹介するさいに、「無職の青年」という表現がありました。

 アストルティアでは学生も職を持っているのが当然という雰囲気なんでしょうね~。たしかに現代日本でいう「職」とは違って、アストルティアの「職」は「戦士」とかであればよく、それを通じて金を稼ぐことは必ずしも要求されていないので、学生でも何か「職」を持っているのが普通なのかもで~す。

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 報酬に原寸大のウルベア魔神兵を入手。

(2023年7月2日追記)

 ツイッターでクラウスさんに教わったのですが、このクエストの途中でしか入手できない「だいじなもの」があったようで~す*1

 調べたところ未入手だったので、カタログ埋めのために近々入手しておこうと思いました。

 クラウスさんには改めて感謝で~す!

(2023年9月21日追記)

 例の「だいじなもの」をカタログに登録できました。詳細は本日の記事にて。