「パクレ警部の事件簿」に登場した時空監察機関は、パクレ警部の夢想だというのが公式で明言された設定でした*1。
元々の設定でも、パクレは警察がまだ存在しない世界で警察機構を夢想する構想力とその構成員に成りきって行動する実行力の持ち主ですから、これを「単なる夢落ち」として批判するのは間違いでしょう。
一般論として夢落ちが駄落ちだとしても、主役にパクレを選んだ時点で夢落ちの中ではマシな部類であるといえましょう。
さてこのパクレの自身が所属したい機関についての夢想の能力についてですが、警察に関しては、以前の記事で書いたとおりその原型的存在がアストルティアにも存在していたので、一流の思想家であれば思いつくのは困難ではないでしょう。
しかしSF小説のようなものも流通していない世界で、時空監察機関などというものを詳細な設定つきで思いつき、現実世界に干渉するほどの強い夢想を抱くというのは、才能がありすぎる気がしますね~。何かこれも原型があるのではないでしょうか?
しっかり思い出してみたところ、いましたよ~。自身が時間も空間も超えられて、危険な敵は時空の狭間送りにもできるという、時空監察機関のエージェントじみた英雄が。
そう、パドレで~す。
アストルティアでは自分の目標とする存在に似た名前を称する文化があるということは、このブログで何度も指摘してきました*2*3。挙げてきた例の中にはあくまで類推の範囲内のものもありましたが、パクレ警部の宿敵の「ダンダダ団」の名称が「カンダタ」を元ネタにして考案されたことは、クエスト「大盗賊登場」*4のムービー中で語られた完全な公式設定で~す。
「パクレ」がパドレにあやかった変名である可能性があるのみならず、仮に変名でなかったとしても、カンダタにあやかったダンダダ団と戦い続けているうちに、パドレに深い縁を感じたという可能性もかなりあるといえましょう。
そしてパクレは「P890」や「パッキュレイ神父」という変名を見るに、自己の「ク」を数字の「9」と強く結びつけているようですね~。
パドレの「ド」は「10」と結びつけることが可能なので、両者は単なる「一字違い」なんかではなく、「一違い」でもあったことになりま~す。
こうなると、「パクレ」には「伝説のエージェントのパドレに一歩及ばない」という意味が込められていた可能性が非常に高いといえましょう。福田定一さんが「司馬遷に遼かに及ばない」という意味を込めて「司馬遼太郎」と名乗るようなもので~す。
さらにはパクレの「クレ」がパッキュレ神父モードでは「キュレ」と変化していることに着目するなら、パドレの力の源泉が宗教的権威でもあったキュレクスにあったことも見抜いていた可能性がありま~す。
パッキュレイが「パラ・キュレクス」の転であった場合、その意味は「準キュレクス」になりま~す。
以上により星月夜は、「パクレ警部の「時空監察機関」という夢想の元ネタは、パドレである」という仮説を主張しま~す。
「続・パクレ警部の総合研究」という記事で、「パクレ」の名には、「メグレ似」・「逮捕しろ」・「真似しろ」の三つの意味があるという説を提唱しましたが、こうして「パドレの後輩」・「準キュレクス」というさらに二つの意味を思いついてしまいました。
つい数日前に「ラン」さんに四種類の意味があることに驚きましたが*5、もうそれを超えてしまいました。
*1:https://hiroba.dqx.jp/sc/topics/detail/2b8eba3cb0d0f1d761cb74d94a5ace36/
*2:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2016/11/15/000000
*3:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2019/03/17/174954
*4:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2015/04/26/000124
*5:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2019/04/11/180000