ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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魔界の海水の軽さの証明 & 元ネタ「弱水」と血潮の浜辺とギルザッド地方の関係について

1.魔界の海水の軽さの証明

 以前「大きな魚を人力と釣りざおだけで釣れる理由の考察」という記事で、アストルティアでは淡水も海水も空気とほぼ同じ重さであることを証明しました。

 そして魔界でもアストルティアに生息しているものと共通の魚が泳いでいることから、ほぼ100%の確率で、水の重さは魔界とアストルティアでほぼ同じであると予想できました。

 そしてこのたび、ウエスタンさんの「やることがないからファラザードの囚人を観察してみた ~Ver5.1プレイ日記(その5)~」という記事の影響の下で、さらに二つほどその補強証拠を挙げることができました。

※補強証拠1.海水中のモンスターの生態

 血潮の浜辺で鉄のほこらを作動させずに海水中のモンスターの様子を観察すると、空気中と同じような動きをしていま~す。

 海水が重かったら、ビッグファングなんて浮力で水から追い出されているでしょうし、重力を活用したおばけヒトデ・強の横移動ももう少し緩慢になっているはずで~す。

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 なお現地で海中生物を観察する場合、普通に眺めようとするとこの写真のようになってしまい、かなり困難で~す。

 でも以下の写真のとおり、フィルターをソフトにしたカメラを使うと、非常に鮮明に海水中の様子がわかりま~す。

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夕月夜「近年追加されたカメラのフィルター機能って、写真愛好家のためのものだとばかり思っていましたが、こうして世界観の研究にも役立っているですね~!」

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 そしてこれが水を抜いたあとの様子で~す。水があるときと比較して、モンスターのふるまいに何の変化もないで~す。

※補強証拠2.鉄のほこらに関する設定

 鉄のほこらは、行商人などの安全な人物だけを通過させて野盗などの危険人物を通過させないために、ネクロデアが作った仕掛けで~す。

 もしも地球のように海水が空気より格段に重かった場合、水で通路を塞いでも野盗は泳いで通過してしまうので、費用に見合った事業とはいえませんよね。メインストーリー中の主人公も、鉄のほこらを作動できなかったというだけで、わざわざイルーシャ救出を諦めて引き返したりはしないでしょう。

 海水が強力な障壁になるということは、「多くの生命にとってその中では息ができず、かつ比重が空気のように軽いから泳ぐこともできない」という性質であることを示しているといえましょう。

2.元ネタ「弱水」と血潮の浜辺とギルザッド地方の関係について

 こういう性質を持ち絶対の障壁となっている水の元ネタは、おそらく中国の伝説上の水である「弱水」で~す。

 伝説によって多少の異同はありますが、一般に「中国のはるか西方に西王母の住む崑崙山があるものの、山の周囲を弱水が囲っているのでたどりつけない」とされていました。

 『漢書』西域伝の顔師古の注釈で引用された『玄中記』には、「昆侖之弱水,鴻毛不能起」(崑崙の弱水は羽毛ですら浮かない)とありま~す。

 また『旧唐書』高仙芝伝や『新唐書』高仙芝伝では、吐蕃チベット)と小勃律(ギルギット)の間にある娑夷河が弱水とみなされており、橋さえ壊してしまえば決して渡れない河として描写されていま~す。特に『旧唐書』には「娑夷河,即古之弱水也,不勝草芥毛髮」(娑夷河の水は古い伝承にある弱水であり、雑草や毛髪ですら沈んでしまう)と明確に書かれてありま~す。

 「遠く西方にはそういう水もある」という中国の伝説が、この血潮の浜辺の仕組みの元ネタになった可能性が高いと、星月夜は考えておりま~す。

 そして前掲記事で星月夜がアストルティアの水の比重の低さを実験で証明した地域は、その実験が一番しやすそうなギルザッド地方でした。『旧唐書』や『新唐書』で弱水が実在するとされたギルギット地方と、何と発音が似ていることでしょうか!

 弱水と血潮の浜辺とギルザッド地方は、実は全部こうしてつながっていたので~す!

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夕月夜「今回も楽しませていただきました。高仙芝って、ジパングではタラス河畔の戦いにおける唐軍の大将として世界史の授業とかで暗記させられるせいか、知名度だけは抜群ですよね。その一方で、正史における彼の伝記の本文中に「弱水」が登場することって、全然知られてないですよね」

星月夜「みんな名前だけ暗記して終わっちゃうのよね~」

夕月夜「ところで地球のギルギット地方に、本当に弱水は存在したのでしょうか?」

星月夜「地球物理学の常識から考えると、実在の可能性は低いよね。でも「娑夷河は橋を使わないと渡れない」という設定を利用して、唐軍が橋を破壊することで吐蕃の大軍を引き返させたという記録もあるので、そう簡単には否定できないわ~」

夕月夜「何とかして物理学と軍事史学の折り合いをつける仮説はないものでしょうか?」

星月夜「たとえば、「当時のギルギット地方には比重の重い木材しかなく、河を渡る船を造れなかった。それが、詳しい事情を知らない漢族には、伝説上の西域の弱水の実在と感じられた」と考えれば、一応整合はつきそうね」

夕月夜「まあステキ。それで結論でいいのではないでしょうか?」

星月夜「どうかな~。八世紀の中央アジアに詳しい植物学者の話も聞いてみないと、ただの思いつきで終わってしまいそう」

雨月「というわけえ、教えて~、偉い人!