0.はじめに
ネロドスについては、アストルティア内で得られる情報では「不死の魔王」とだけ呼ばれており、長らく「大魔王」設定は知らされていませんでした。
このため星月夜も、ネロドスが魔王にすぎないことを前提にした記事を書いてきました*1*2。
しかし5.0の月明かりの家で突如として「大魔王だった」という設定が語られました。
本日はこの件に関して考えたことを書いていきま~す。
とはいえ今月の16日に始まる5.3の予告映像を観るに、もうすぐネロドスに関する新情報が追加されそうなので、その内容次第では本稿の価値の寿命は二週間程度の短いものになるかもしれませ~ん。
1.捨てがたい有力仮説「大魔王設定のほうが嘘だった」
この認識のすれ違いについては、「アストルティア民が「魔王だ」と勘違いしていたのではなく、魔界の民のほうこそが「大魔王だ」と勘違いしていた」という仮説をまず考えました。
最大の根拠は、公式のモンスターリストの表記で~す。本人は「不死の魔王ネロドス」と表記され、また「無限獣ネロスゴーグ」のまめちしきでも「魔王」呼ばわりで~す。
ただし「魔王」には「大魔王より格の低い魔の王」(以下、「並魔王」と表記)という狭い意味の他に、「大魔王を含む魔の王たち」を広く指す意味もありま~す。現代日本で「大臣」といったときに、「総理大臣以外の閣僚」の意味の他に「総理大臣を含む閣僚」の意味もあるのと同じで~す。
そういう理由もあって、自分の中でこの仮説の正解率は50%程度で~す。
逆にこの説の弱点はというと、「本人や院長が嘘を吐いたり勘違いをしたりしたとしても、大審門の開閉の歴史からすぐに真実が明らかになるだろう」という反論が成り立つことで~す。
仮説を擁護するためにこれに再反論をするとなると、「5.0で候補者全員が不合格になったあとも、5.2で主人公が大魔王になったあとも、門は開きっ放しだ。閉まるまで時間がかかる扉なんだろう。閉まるまでの期間内にネロドスがアストルティアに攻め入って死んだから、大魔王であるという誤解が修正されなかったのだ」という主張が思い浮かびま~す。
再々反論としては「主人公は正式な即位をしていないから門が閉まらないだけ」が思い浮かび、再々々反論としては「それならすぐに門が閉まらないことを根拠に、大魔王の即位を承認しない主張が出てくるはずだ」というものが思い浮かびま~す。
このように、門の問題は情報が少ないので水掛け論になりやすいですね。
前述したようにどうせ5.3でネロドスと大審門の追加情報が集まりそうなので、現時点ではこの水掛け論に深入りする意味はほぼありませ~ん。だから正解率約50%の状態で留めておきま~す。
2.アストルティアから大魔王だと認識されなかった問題
グランゼドーラ城の図書室にある『不死の魔王と勇者の戦い』には、「不死の魔王の配下 魔軍十二将が率いる軍は かつてない規模の 大戦力で またたく間に 世界を侵略した」とあり、ネロドスの侵略軍の規模は大魔王ヴァルザードの侵略軍の規模を超えていたことがわかりま~す。
数の上で超えているだけではなく、幹部のみならずガーゴイル級の雑魚すら倒してもしばらくすると復活するのですから、対ネロドス戦は二重の意味で対ヴァルザード戦より苦しかったことでしょう。
そうであるのに、ネロドスがアストルティアでは並魔王と決めつけられてしまい、主人公の管見の限りでは「大魔王かもしれない」という異説すら存在しなかったのは、少々不思議ですね。
仮にネロドス側が何らかの理由により「ネロドスは並魔王です」と宣伝しようとも、普通なら多少は疑ってしかるべきでしょう。
そうなると「あんな奴、どんなに不死で物量を有していても、地位は並魔王に決まっている!」とアストルティア側に強烈に確信させる何らかの事情があったと思わざるをえませ~ん。
3.大魔王だと認識されなかった理由の最大候補
ではその「並魔王に決まっている!」とアストルティア側に強烈に確信させた事情ですが、星月夜にはちゃ~んと心当たりがありま~す。
2.2のガルレイ戦の途中でルシェンダが「そうか……。 大魔王の加護を得た 魔族は 通常の攻撃では 倒せないのだったな……」と設定を思い出しますが、すぐに四種類の「破邪の秘技」さえ会得すれば大魔王の加護に対抗できるという設定を持ち出してきました。当時のルシェンダは他の三魔将の正体すら知らなかったのに、実際にその思惑通りになりました。
つまり「大魔王の加護」の効果はいつも同じようなものであり、勇者の光・勇者の眼・勇者の盾・勇者の心で解決できるものばかりだということで~す。
そしてネロドスの部下たちが「歴代大魔王軍の有力幹部のいつものおなじみの技」を一切使ってこなかったため、アストルティア側は「あ~、今回は大魔王の直属軍ではないんだな」と思ったと考えれば、完全に説明がつきますね。
とはいえ1000年前のアトラス・バズズ・ベリアルとは戦う機会がなかったので、あの三将だけは大魔王の加護を受けていたという可能性は決してゼロではありませ~ん。
しかしそれだとネロドスの生前にはドラゴンガイアが三将を差し置いて「トップの座」だったことの説明が困難になるので、やはり十二将の誰も加護を受けていなかったと考えておくべきでしょう。
4.ネロドスが大魔王の加護を部下に与えなかった理由は?
ではそうした対勇者戦以外では無敵となれるような大魔王の加護を、ネロドスが部下に与えなかった理由を複数考えてみました。
4-1.そもそも大魔王ではなかったから
本稿第1章のネロドス並魔王説を採用した場合、回答は必然的にこれになりま~す。もちろん正解率の自己評価も連動して5.3が配信される日までは約50%程度となりま~す。
4-2.ネロドス大魔王説の場合の諸仮説
以下はどれもネロドス大魔王説を採用した場合のもので~す。
4-2-1.部下の台頭を怖れたから
元々不死の力を与えていた十二将に大魔王の加護まで与えたらネロドスですら制御しきれなくなるという説で~す。『旧約聖書』でも序盤に似たような話がありましたよね。
しかしそれならば、不死の力をまだ与えていなかった新入りの幹部に加護を与えればいいことになりま~す。
たとえばネグールドラゴンはネロドス軍に現地採用されたくてたまらなかったようですから、候補者不在ということはないでしょう。
4-2-2.並魔王と思わせて油断させたかったから
手の内を隠すことで、六種族側の油断を誘い、緒戦でグランゼドーラに協力しないような国を作ることで、各個撃破を狙ったという説で~す。
しかし前掲『不死の魔王と勇者の戦い』では、ネロドス軍は速攻で世界中を攻めているので、わざわざ六種族の分断を狙う意味があまりありませ~ん。
ましてネロドスは、魔軍十二将では時間稼ぎにもならないほど成長した勇者に対して、盟友と二人がかりでかかってくるよう猶予を与えるほどの傑物だったのですから、弱く見せかけて相手に手加減してもらうようなタイプの卑怯さとは無縁でしょうね~。
4-2-3.並魔王と思わせて逆に脅したかったから
並魔王と思わせたかったという点までは「4-2-2」説と同じですが、そうふるまうことで逆に威圧しようとしていた可能性もありま~す。
すなわち散々暴れた上で、「自分らは「あの神話」でいうところのバラモス軍程度の存在なんですよ。背後にはゾーマ軍みたいなもっと凄いのが控えていますよ」と匂わせるというわけで~す。
しかしセットですべき「大魔王は別にいる」という宣伝工作の痕跡が一切見当たらないので、所詮は妄想レベルの仮説で~す。
4-2-4.いざというときのため使わないでいたから
ネロドス大魔王説の中では、現時点ではこれこそが自己評価で最強の正解率で~す。
まずネロドスを倒してから不死の力を消すまでの間のセリフから考えるに、ネロドスは時間さえかければ何度でも挑戦することで最後は自分が勝つと信じ切っていたようで~す。これが重要なヒントとなりました。
また2.2で四魔将を倒したあと、マデサゴーラは彼らの後継者のようなものを任命しませんでした。加護を与えてもどうせ勇者にはもう勝てないとしても、別の作業をさせる分にはそれなりに役に立ちそうなものですが、それでもあれっきり加護を与えなかったので~す。
すると大魔王の加護を与えるには、かなりの費用またはリスクがともなうとか、もしくは一度与えたら次まで当分待たなければならないなどの、厄介な事情がありそうで~す。これも重要な設定で~す。
以上の二つの設定を組み合わせて考えたのですが、ネロドスはどうせ絶対に勝つ予定の対六種族戦に加護の力を使ってしまうのではなく、対ナドラガ戦・対ダークドレアム戦・対キュロノス戦・対ジャゴヌバ戦(?)などのためにその力を温存していたという結論に至りました。
冒険者にもこういう判断をする人、結構いますよね。負けても竜牙石や破魔石が没収されない戦いではアイテムを節約し、負けるとコインが没収される迷宮コインボスが相手のときはアイテムを大盤振る舞いするとか。
※9月4日お礼
ツイッターで翠梟@ロルさんから竜牙石とレグナライトを勘違いしているとご指摘があったので、修正しました~。感謝で~す。