ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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5.3メインストーリー その1 大魔王城の新情報の整理。特に芸術史関連。そして治世の始まりを少しだけ。

 いよいよ5.3メインストーリーの紹介で~す。

 星月夜が「ほしづくよ城」に戻ると、様子がかなり変わっていました。

 まずは西翼の新キャラ「幽霊作家バケンズ」の紹介から。

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 元ネタは「お化け」と『クリスマスキャロル』などで有名な「ディケンズ」で~す。大魔王の自叙伝の代筆家らしいのですが、業績の情報に飢えているようでした。

 そこで週課「大魔王の代筆家」を依頼してくるのですが、初回にあった「侵略からの防衛!」という依頼では、アストルティア防衛軍での勝利を要求してきました。

 このエピソードが魔界で美談になるということは、ボーガたちの黒幕って、魔界にとってはアストルティアの主勢力と一時的に手を組んででも倒すべき、より強大な敵ということになりま~す。

 すでにバザックスが防衛軍と組んで銀甲の凶蟲兵団への抵抗運動をしていたので*1、ある程度はこういう設定を予測していましたが、それでも多少は驚きました。

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 続いてやっと完成した東翼。

 工事が遅れていた理由については、図書室の『大魔王城 建築日誌』である程度推測できま~す。ユシュカはファラザード風の内装の大魔王城を建てていたのに、自分が大魔王になるのを諦めた途端に雰囲気を一気に変えさせたらしいので~す。

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 魔界各地に手記を残した元ウェディにもあっさり会えました。今の名前はボネーブで、昔のことはあまり覚えていないようで~す。

 やっぱりネクロデアでアンデッド系に一度瀕死の重傷を負わされたトラウマから、呪いの泉の効果はこのように出たようですね~。

 彼を元に戻すのは今や簡単ですが、現状に満足している者の姿を無理に戻すのもためらわれま~す。

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 新しい大魔王の即位を記念して作成された最新の魔界の地図らしいのですが、それにしては東西と北方が途中で切り取られていて、コマンドで見られる領域とほぼ同じですね~。

 この外部って地図にする必要もないような地域なんでしょうかね~?

 会議室では『魔界紳士録』という本をみつけました。大魔王の即位のたびに刊行されるシリーズの一冊らしいで~す。

 これはゼルドラドが「魔元帥」の肩書で載っていることから、相当の確率でマデサゴーラ即位記念号ですね。ただしゼルドラドは1000年前にも別の国で元帥を務めていた可能性があるので、マデサゴーラ即位記念号である確率は100%ではありませ~ん。

 この本には魔王モルゼヌやゾブリス将軍も現役の名士として載っているので、マデサゴーラの即位が200年以上前であることは、自分の中で90%ぐらいの確率になりました。

 ちなみに5.0当時はスラズマーの台詞を重視していたので、150年前の即位ですら50%弱でした。5.2で即位以後もしばらく戦乱の時代があったと知り、やっと50%になっていたところでした。

 図書室では特に歴史関連の本が充実していました。

 まず『始まりの大魔王 五つの偉業』

 かつて魔界でも一度に神々が消えたらしく、その後は統治者を失った魔族同士の乱世となったそうで~す。それを統一したのが始まりの大魔王で、その後にアストルティアの側が先制攻撃してきたのだとか。

 あとゴダ神殿も魔仙卿による大魔王選定制度もアストルティア侵攻の伝統も、全部その始まりの大魔王が作ったのだそうで~す。

 続いて『栄光のゼクレス王家』

 初代ワラキウスは、「魔界東部を荒らしていた 激昂の巨人を 自身の魔術で封印し ここに国を打ち建てた」そうで~す。

 むむむ、記事「コマンド「今いる大陸」で見られる魔界の地図が、魔界の辺境地域の地図であることの証明。さらに「中央から見てどの方角の辺境なのか?」と「そんな辺境の戦争がなぜ魔界大戦なのか?」という二つの問題に挑戦」で星月夜が主張した「ゼクレスは魔界の東方ではない」が、大いに陰りました。

 もちろんゼクレスがエテーネ王国やカミハルムイ王国のように魔界東部から魔界南部へと遷都をした可能性も残っていますし、「ここに」というのが地理的な意味ではない可能性も残っていますが、それでも過去の主張が瀕死レベルの大打撃を受けたのは確実で~す。

 七代目のジグネールは、宝物庫情報*2にあった、例のゴダ神殿で惜しくも急死した名君でした。

 十四代目のバルメシュケは混沌の魔術王と呼ばれ、ゼクレスでは二人目の大魔王になったのだとか。そしてその後はゼクレスから大魔王が輩出されていないのだとか。

 続いて『ヴァルザード戦記』

 ヴァルザードはまず血潮の浜辺の戦いで大タコを石化し小国ザードを建国し、ズムーラ覇王国を打倒して飛躍、レジャンナにも外交で勝利、最後はゲルヘナ幻野の戦いでゼクレスに勝利し、順当に大魔王になったのだとか。

 続いて『不死の魔王と十二将』

 ネロドスが本当に大魔王だったのかどうかについては5.3を始めるまで五分五分ぐらいの気分だったのですが*3、このユシュカが厳選した文字媒体でしっかり大魔王と明記されたので、一気に95%ぐらい大魔王説に傾きました。

 十二将は、ドラゴンガイアが最強、ベリアルが最古、黒竜丸が最速、トロルバッコスが最良、バトルシェイカが最愛。これは暗記ですね~。

 そして一番のお楽しみは『マデサゴーラ絵画の歴史』

 『朝食 その悲しみ』が初期作品で、当時はかなり前衛的。『黄金虫の胎動』はゴーラ王即位と同時期。『雷葬』でゼルドラドを心服。『影と光の抱擁』は大魔王即位の直前の作品で、超暗黒主義の萌芽。大魔王即位後に『虚無』を発表し、これが「マデサゴーラ黄金期を代表」。以後の作品は大型化し、建築分野に拡大。

 こういう本には一般的に通説が載るので、ブホネールの独自見解との比較がしやすいですね。

 以前ブホネールは独自見解として「大魔王即位前の『雷葬』の時点で 彼の妄執的な 創造主への羨望が 超暗黒主義の 技法の中に 密かに顕れていた」と語っていました*4。これを聞いたときには、「創造主への羨望」の顕れの時期が通説より早いだけだと思っていたのですが、実は「超暗黒主義の 技法」も通説より早い時期に登場していたと考えていたのですね~。

 そして、その芸術家人生の途中に「黄金期」と呼ばれる時期があったということは、その後の評価はそれよりは低いということになりますね~。

 ブホネールが、通説として「即位後の『虚夢』や『パートス』で執拗に描かれた めくるめく妄邪のモティーフが 後期マジックデモニスムの極致」と語っていました。後期マジックデモニスムの極致こそ世間的な評判の黄金期であるということは、それを独自に発展させたエビルキュビズム*5の評価は低かったのでしょう。

 一つ思い当たるフシがありま~す。「クエスト「天才と凡人と」 & ヌッジォ派の思想とマデサゴーラ芸術への影響関係と現在の影響力についての考察」という記事で証明したことなのですが、エビルキュビズムは実は前期マジックデモニスムである可能性の高いヌッジォ派の技法に多分に先祖返りをしているので~す。マデサゴーラに芸術の革命を期待していたファンたちは期待を裏切られた気分になったことでしょう。

 ではなぜ古風な写実主義に先祖返りをしてしまったかですが、これも一つ思い当たるフシがありま~す。おそらく建築部門に手を出したからで~す。建築芸術は物理学に大幅な妥協をしなければならず、場合によっては予算や建築法への妥協も必要となってきま~す。すなわちこの世の現実を大幅に認めて、最後に少しだけオリジナリティを出す分野で~す。建築を含めた総合的な芸術を目指したことにより、絵画の部門ではその革命性が退歩してしまったのでしょう。

 歴史の本の他に、『古代研究誌 輝ける結晶』という本もありました。

 古代の魔物の化石から細胞を抽出し、現代の魔物の細胞と融合させて、輝晶獣を創ろうとしているという内容でした。

 さて、新情報の確認はこのくらいにして、そろそろ物語を進めましょうかね~。

 玉座に着くと、忠誠心に問題のありすぎる例の三魔王が出仕してきて、儀式の間だけは礼を尽くしてきました。

 『漢書』の叔孫通伝で、漢が初めて儒家の礼節を取り入れて普段生意気な臣下たちに儀式の間だけでも大人しくさせたとき、高祖劉邦は「今日はじめて皇帝であることの貴さを知ったぞ!」という感想を漏らしたそうで~す。このときの星月夜の気分もこれに近いで~す。

 その後の会話では、やはり魔仙卿が問題となりました。魔仙卿が代々の大魔王を選定してきた期間は「何万年もの間」のようで~す。これはかなり重要な設定ですね~。

 あと魔仙卿の権威を借りられなくなった以上、大魔王は民にその威厳を見せつけなければならないという話にもなりました。

 以後は三魔王は城の東翼に常駐してくれるようになりました。

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 アスバルが結界で魔仙卿の襲撃から城を守り、ヴァレリアがバルディスタ軍を使って魔仙卿を捜索し、ユシュカは「応援」とやらをしてくれるようで~す。

暁月夜「結局ムービーひとつ分しか物語は進まなかったのか…」

(2020年12月31日追記)

 『魔界紳士録』のこの号は、1000年以上前のものだと判明しました。詳細はこのリンク先の記事で~。

(2023年1月29日追記)

 現在のゼクレスが魔界の東部にあるのか中央にあるのかについては、2021年10月配信のぬいぐるみですでに結論が出ていたようで~す。詳細は本日の記事にて。