星月夜「ジパングでは現在、大魔瘴期の影響で閉鎖されていた施設が徐々に再開しておりま~す。そこで本日は夕月夜を連れて文京区をぶらり散歩することにしました~」
夕月夜「みなさまこんにちは~、夕月夜で~す。今年に入ってからは、アストルティアでは髪を染めたり声を変えたり色々していましたが、ジパングでの冒険はこれがようやく初となりま~す」
星月夜「まずは小石川植物園にきたよ~。正式名称は東京大学大学院理学系研究科附属植物園だよ~」
夕月夜「え~、植物園なのに農学生命科学研究科ではないんですね~!」
星月夜「これが地球でベタン系呪文の研究が始まるきっかけとなった、かのニュートンのリンゴの木だ~!」
夕月夜「さすが理学系の植物園!」
星月夜「そしてこれが、かのメンデルのブドウだ~!」
夕月夜「メンデルといえばエンドウ豆のイメージが強すぎて、こちらはあんまり感動できないで~す」
星月夜「柴田記念館。中では戦前の研究室の雰囲気が保存されており、様々な展示物も楽しめるよ~」
星月夜「これが小石川養生所の井戸の跡」
夕月夜「時代劇『大岡越前』のファンが喜びそうですね~」
夕月夜「自分が23区内にいることが信じられないぐらい、鬱蒼としてますね~」
星月夜「23区在住の人で、高い交通費をかけて奥多摩や他県で森林浴をしている人には、ここも選択肢に入れることをおすすめしま~す」
夕月夜「鬱蒼とした林を一番奥まで行くと、突然よく手入れされた日本庭園が! まるで桃源郷」
星月夜「自然の美もいいけど、これはこれで趣があるでしょ」
夕月夜「そして池の向こうにお上品な洋館が。何という私好みの世界!!」
星月夜「やはり君を連れてきたのは正解だったようだ~。あれはのちに東京大学医学部となる、旧東京医学校の校舎なのさ~。今では東京大学総合研究博物館の小石川分館」
夕月夜「むむむ、あそこに行くにはこの植物園を出ないといけないんですね。そして一度出るともう無料では入園できない。同じ東京大学の施設なのに頭が固いで~す」
星月夜「一階は常設展、「建築博物誌/アーキテクトニカ(ARCHITECTONICA)」」
夕月夜「スイの塔みたいで~す」
星月夜「二階は企画展、「ボトルビルダーズ――古代アンデス、壺中のラビリンス」。3D技術を駆使して、古代アンデスの複雑な壺を再現したらしいのよ~」
夕月夜「御姉様は地味に中南米も好きですよね~」
星月夜「二階から植物園を見下ろす~」
夕月夜「きゃ~、出た途端に謎の名称の神社が! よ、読めないで~す」
星月夜「落ち着きなさい、これは東京と埼玉に多々ある出雲系の「氷川神社」の一つよ」
夕月夜「なんでここだけこんな難しい文字を使っているのでしょうか?」
星月夜「大正時代に宮司が氷川信仰は出雲の簸川に由来するという仮説に基づき、変えたらしいのよね~」
夕月夜「にゃ~。氷川信仰が始まったころのジパングには漢字なんかほぼ無かったでしょうから、あまり意味のないこだわりに思えますね~」
星月夜「出雲の簸川も、『古事記』で肥河だったり、現在では斐伊川だったりするからね~。そういう意味ではセーラーマーズの実家が「火川神社」と表記されているのは相当リアリティがあることになるね~」
夕月夜「一知半解のまま「火と氷では逆じゃん」なんていうツッコミをしてしまうと、かなり恥ずかしいことになりそうですね~」