ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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「夢幻魔王の勲章の理論値は二種類作らなければならないのか?」を考えました。

0.凡例

 以下の文章では、特に注記しない限りは夢幻魔王の勲章には「攻撃時1%でためる」を伝承させていることを前提としま~す。

 夢幻魔王の勲章に「行動時1.5%テンション消費なし」が三つついた理論値を「消費なし理論値」と表記し、「テンション時魔物にダメージ+10」が三つついた理論値を「ダメージ理論値」と表記しま~す。

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1.夢幻魔王の勲章の理論値への迷い

 夢幻魔王の勲章の理論値については、他所の攻略ブログなどでは、消費なし理論値だけで十分だという意見と両方を作るべきだという意見とを両方目にしました。

 でも両者の深い論争の場のようなものは見当たらなかったので、どちらが正しいとも判別がつきませんでした。

 そこで素朴な計算をし、さらに星月夜の置かれた具体的状況を加味して、悩んでみました。

 もっと単純な計算か複雑な計算をしたい人にも、具体的状況が異なる人にも、一定の参考になると思いま~す。

2.まずは単純計算から

 まずは単純計算で比較してみました。

 テンション時に消費なし理論値がダメージ理論値に勝る影響とは、次のターンの第一段のダメージが「普段の0.5倍+75」ぐらい増える可能性が約4.5%増えるということで~す。

 テンション時にダメージ理論値が消費なし理論値に勝る影響とは、そのターンのダメージが30増えるというもので~す。

 そこで消費なし理論値を左辺とし、ダメージ理論値を右辺とし、普段の攻撃の第一段のダメージをxとして、右辺の価値が左辺の価値に勝利する条件を不等式で計算してみました。

0.045 ( 0.5x + 75 ) < 30

0.5x + 75 < 2000/3

0.5x < 1775/3

x < 3550/3

 よって単純な状況下では、普段の攻撃の第一段のダメージが1183以下ならば、ダメージ理論値のほうが優れているということになりま~す。

 「単純な状況下」とは、具体的には「勲章以外でテンションの上がる可能性がほぼ0であり、いてつくはどうや死亡などでテンションを消される可能性もほぼ0であり、攻撃手段は事実上一種類しかなく、その攻撃は一段階のテンションではダメージキャップに届かない」というような状況で~す。パラディンの背後の安全地帯でメラゾーマを何発も撃つような場合ですね。

 なおそういう単純な状況でも、消費しなかったテンションがさらにもう一度消費されないという複利計算や、その上さらにもう一度テンションが上がり二段階目以降に突入する可能性などを考慮すると、左辺の価値は若干向上しま~す。

 逆に敵のHPが少なくて「次のターン」なんてものがないターンの比率が高まれば、左辺の価値は若干低下しま~す。

 複雑な状況を考えるさいにも、この章での計算の成果をどう修正していくかがポイントとなりま~す。

3.ダメージ理論値が勝つ場合の勝ちぶり

 前章でダメージ理論値が勝つケースもあるとは判明しましたが、大して差がないのであれば2個目を作るのは趣味程度の利益ということになりま~す。

 このブログの過去記事の例でいえば、ぐるぐるメガネの魅了ガード理論値が状況次第ではダークアイの魅了ガード理論値より便利であることを十分に理解した上で、その僅差の価値が装備枠1マスの価値に劣ると考えて売り払ったことがありま~す。

 前章の単純な計算式において、右辺が左辺に一番勝てるのは、x=0という極端な状況で~す。自分の攻撃方法が打撃でありかつ敵の守備力が異常に高いときには、それに近い状況もあるでしょう。

 しかしそういう状況においてすら、勲章の「攻撃時ためる」の発動率は5%なのですから、仮に魔結界などの攻撃以外の行動を一切しなかったとしても、「テンション時」なんてものは20回に1回しかきませ~ん。

 先の計算の右辺の価値なんて、1ターンあたり1.5ダメージ未満ということになりますね。

 まして本当にx=0付近のときは2回に1回ぐらい攻撃が「ミス」になってしまうので、その1.5ダメージの価値もさらに半減することになりま~す。そうなるとダメージ理論値の優位性の現実的な最大は1.4程度でしょう。

 星月夜としてはもうこの時点でダメージ理論値なんて作る気がしなくなりました。

4.ダメージ理論値の第二の強敵、ガナン帝国の勲章

 それでも守備力が高い相手への1.4ダメージの僅差を求めて、ダメージ理論値まで作ってみようと思ったかたがいらっしゃるかもしれませ~ん。

 でもそのように守備力がう~んと高い敵には、会心の一撃の価値がう~んと高まりま~す。

 たとえば普段なら10ダメージしか与えられない相手には、ダメージ理論値なら5%の確率でそれを約120ダメージにしてくれるので、1ターンあたりの期待値は約5.5ダメージで~す。この時点では消費しない理論値に約1.5勝っていますね。

 でも会心暴走率を伝承したガナン帝国の勲章を装備してその効果込みで会心の一撃で10から810へとダメージが増える場合、毎ターン会心率が1.5%上がっているので、もう毎ターンの価値の期待値は12ダメージで~す。

 特技による会心補正も考慮に入れると、それでも稀にダメージ理論値のほうが勝つケースもあるにはあるんでしょう。

 しかし会心補正の強い特技には多段攻撃が多く、多段攻撃の二段目以降は会心こそあれテンションは原則として乗らないで~す。

 また特技の中にはスタンショットのように、「ダメージ効率の微妙な差なんてどうでもいいから、補正されようがとにかく少しでも会心率が上がってくれたほうがいい」というものも多いで~す。

 よって「特技主体だから、ダメージ理論値が消費なし理論値のみならずガナン帝国の勲章にも勝つ」というケースは、稀の中の稀となりま~す。

 こうなるとますますダメージ理論値なんかほしくないですね~。

5.星月夜の具体例

 本章からは、今まで極端例まで出して抽象的に語ってきた検証を、星月夜が現在恒常的に挑んでいるコンテンツの例で語ってみま~す。

5-1.天地雷鳴士で挑む万魔の塔

 これは敵の耐性にもよりますが、テンションのないめいどうふうまのダメージは約770程度で~す。

 第2章の単純計算で出した1183に負けているので、テンション1段階の瞬間に限ってはダメージ理論値のほうが強いのでしょう。

 でもこの塔では機神の眼甲のおかげで頻繁にテンションが2段階目以降になりま~す。

 テンションが第2の段階に行くと、消費しない理論値の価値は一気に2倍になりま~す。

 第3~4の段階でダメージがキャップの1999に達すると、消費しない理論値の価値の伸び悩みが始まりますが、同時にダメージ理論値の価値がほぼ0になりま~す。

5-2.魔法戦士で挑むガルドドンI・II

 これは第2・3章で見たとおり、夢幻魔王の勲章同士だけで勝負をしたならばダメージ理論値が若干勝つケースで~す。2ケタぐらいしかダメージを与えられませんからね。

 加えて、せっかくテンションを消費しなくても、それを使う前に頻繁に死にま~す。

 しかしこれぞまさに第4章の話の具体例で~す。

 ガルドドンの守備力は高いので会心率こそ重要であり、弓の特技の多くは多段であり、フォースブレイクも会心率が重要となりま~す。

 加えて、せっかくテンションをためても、それを使う前に頻繁に死にま~す。

5-3.スーパースターで挑むデルメゼI(大幅修正)

 これもバイキルト時の双竜打ちの第一撃が700程度なので、夢幻魔王の勲章同士でならダメージ理論値が勝ちそうで~す。

 しかし本稿を最初に発表した時点では完全に忘れていたことなのですが、テンションのあるときだけ強いという「双竜打ちの真髄の宝珠」というものが存在しま~す。

 これをレベル6まで上げていることを前提とすると、追加ダメージはテンションのあるときだけさらに120増えま~す。

 よって第2章の不等式は双竜打ち中心の戦いではこう修正されま~す。

0.045 ( 0.5x + 75 + 120 ) < 30

0.5x + 195 < 2000/3

0.5x < 1415/3

x < 2830/3

 基準値が943まで低下しました。まだ双竜打ちの第1撃である700よりは勝っていますが、それでもかなり700に接近してきたということは、これは元々僅差だった価値がさらに縮まったことを意味しま~す。

 具体的な追加ダメージは、ダメージ理論値ならば700の半分に5と100と120を足して575になりま~す。これが5%の確率で発生するのですから、1ターンあたりの価値は28.75といったところで~す。

 対する消費しない理論値のほうは、545が5%の確率で発生し、それが4.5%の確率でもう1度発生するのですから、28.48といったところで~す。

 一方でガナン帝国の勲章は、この神髄の宝珠との相乗効果のようなものはほぼありませ~ん。

 ガナン帝国の勲章をつけてバイキルト時の会心が出ると一気に500程度ダメージが伸び、双竜打ちは二段攻撃でありかつ会心補正が50%なので、1ターンあたりのガナン帝国の勲章の「会心率増加」による価値は、500の2倍(多段)の0.5倍(補正)の0.015倍(勲章の1.5%)で7.5程度で~す。

 そして勲章の会心率に頼らずに出した会心でも50ダメージの追加がありま~す。ほしづくよのスーパースターはガナン帝国の勲章を装備するときようさが530程度なので、雪豹さんの計算式*1では素の会心率がほぼ4%となりま~す。そしてタンブラーリストの会心率が4.9%会心練磨の宝珠で1.2%、仮にスマッシュポテトの★★★を食べたとしてたもその効果が2.2%。計13.3%となりますね。そしてこちらもでも二段攻撃と会心補正50%とがちょうど打ち消しあって、1ターン当たりに出る会心回数の期待値は0.133。よって1ターン当たりの勲章効果以外の会心による勲章の追加ダメージは6.7となりま~す。

 7.5+6.713.2なので、スーパースターでデルメゼに挑む場合はガナン帝国の勲章よりも夢幻魔王の勲章のほうが便利なのでしょう。

 ここまでの比較だと僅差でダメージ理論値が最強に思えますね。第4章の表現を借りるなら、「稀の中の稀」というケースで~す。

 でもこの件には実は第三の強敵がいま~す。

 スーパースターの証を装備してプレシャスレインをすると、そのターンは双竜打ちより1000ぐらいダメージが伸びま~す。

 ただしスーパースターの証には夢幻魔王の勲章やガナン帝国の勲章と違って「こうげき力+5」がないので、バイキルト時には一回の双竜打ちで14ぐらい差をつけられてしまいま~す。たまにもっと強い特技を入れると差はもう少し広がりま~す。

 でも28.75に14を加えてさらに少しだけ夢幻魔王に贔屓をして毎ターン50の差が開くと仮定しても、20回の攻撃に1回ぐらいプレシャスレインを混ぜるだけで、もうスーパースターの証に抜かれてしまうというわけで~す。

 この程度の差ならば、ゴールドの節約まで考えて夢幻魔王の勲章を装備するのも一つの手ですが、「僅差とはいえダメージ理論値こそがここでは最強」ということにはこの戦場でもなりませんでした。

 さらにいうと、本当にゴールドの節約を考えるならば、0.27の差を求めてダメージ理論値を作るというのはやはり愚かなことで~す。

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6.おもさ伝承のほうでダメージ理論値を狙ってみる

 以上の話は、「攻撃時1%ためる」伝承を前提とした場合の話で~す。

 パラディンの証やガナン帝国の勲章では相撲にギリギリ勝てない相手に、おもさ伝承版の夢幻魔王の勲章で相撲をとることを考えてみましょう。

 この場合、話は第2章の単純計算に限りなく近づきま~す。

 しかも、すでに伝承させたいおもさ理論値の魔人の勲章を持っているならば、新たにためる版の第二の理論値を作る場合とは異なり、装備枠を圧迫することもありませ~ん。

 だから誤差の範囲内とはいえ、おもさ伝承版はダメージ理論値のほうがいいかなとも思いました。

(2月1日追記)

 計算が雑だった部分、とりわけ5-3をしっかり計算しなおして、大幅に加筆修正しました。

(2月5日追記)

 会心練磨の宝珠のことを忘れていたので盛り込みました。ただし今回は全体への影響はほぼゼロで~す。

(9月17日追記)

 9月22日のメンテナンス以降の時代に備えて、計算をやりなおしました。詳細は本日の記事にて。