ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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伝承合成の理想のタイミングを数学的に考えました。

1.本稿の目的

 「伝承合成は、伝承元のアクセサリーに伝承させたい合成効果が1個ついた時点ですぐやるのと、2個ついた時点でやるのと、3個ついてからやるのと、どれが一番お得なのか?」

 この有名な疑問に数学を使って答えている攻略記事は、管見の限りでは見当たりませんでした。

 そこで自分で書くことにしました。

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2.単純計算

 まずは合成エナジーなどを一切考慮しない、単純計算をしてみま~す。

 伝承させたい合成効果が1個つくまでの苦労を「1」としま~す。時間やゴールドを総合的に考えての費用で~す。

夕月夜「単位は何ですの?」

星月夜「何でもいいし、なくてもいいよ。でも即興で「1苦労」ってのを思いついたので、使ってみるね」

 以下、各手法での、伝承させたい効果が伝承されるまでの苦労の期待値を計算してみました。

※3個ついてから伝承させる手法

 この場合、ちょうど3苦労で目標の伝承ができま~す。証明するまでもないで~す。

※1個ついた時点ですぐ伝承させる手法

 目標の伝承が1回目で成功する可能性が1/3。2回目で成功する可能性が2/3の1/3倍。3回目で成功する可能性が2/3の2/3の1/3倍。これが無限に続きま~す。

雨月「無限! これが噂に聞く極限攻…」

 よって「n回目で成功する確率」は、以下のとおりで~す。

{ \displaystyle \begin{equation} \frac{2^{n-1}}{3^n} \end{equation} }

暁月夜「お、読みやすい! いつの間にこんな技術を習得したのか知らんが、過去の記事の通常の文字で書いた読みにくい数式たちも、速やかに修正してほしいもんだ」

星月夜「かなり面倒なので、仮に修正するとしても、うんとヒマな日にね」

 「伝承させたい合成効果が1個つくまでの苦労」が1苦労なので、n回目で成功したときにそれまでかかった苦労はn。そこで苦労の期待値は、先ほどの数式をn倍すればいいということになりま~す。

{ \displaystyle \begin{equation} n\cdot\frac{2^{n-1}}{3^n} \end{equation} }

 総和の公式を使いやすくするため、分母と分子を等しく2倍しましょう。これで"n-1"という厄介な冪数が"n"になりま~す。

{ \displaystyle \begin{equation} \frac{1}{2}n\left(\frac{2}{3}\right)^n \end{equation} }

 さて、これを1回目での成功から無限回目での成功まで、全部足しま~す。

{ \displaystyle \begin{equation} \frac{1}{2}\sum_{k=1}^{∞}k\left(\frac{2}{3}\right)^k=3 \end{equation} }

暁月夜「ぬわ~、綺麗に3苦労になり、さっきの手法と完全に引き分けた!」

※2個ついた時点で伝承させる手法

 目標の伝承が1回目で成功する可能性が2/3。2回目で成功する可能性が1/3の2/3倍。3回目で成功する可能性が1/3の1/3の2/3倍。これが無限に続きま~す。

 よって「n回目で成功する確率」は、以下のとおりで~す。

{ \displaystyle \begin{equation} \frac{2}{3^n} \end{equation} }

 ただしさっきと違って、n回目の合成までにした苦労は2n苦労で~す。だから苦労の期待値は、この式を2n倍すればいいで~す。

{ \displaystyle \begin{equation} 4n\left(\frac{1}{3}\right)^n \end{equation} }

 さて、これを1回目での成功から無限回目での成功まで、全部足しま~す。

{ \displaystyle \begin{equation} 4\sum_{k=1}^{∞}k\left(\frac{1}{3}\right)^k=3 \end{equation} }

 またまたちょーど3苦労、他の二手法と引き分けで~す。

雨月「これがホントのザン苦労ね!

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3.あとはケースごとに微修正

 単純計算だと三手法の苦労の期待値がほぼ同じとなると、基本はお好み次第とし、あとはケースごとに対応を微修正していけばいいで~す。

 その「ケース」は無限に考えられますが、参考までに典型的な実例をいくつか考えてみました。

※伝承元が「+3」になる前に伝承させたい合成効果がついてしまった場合

 上述の単純計算は、「「1個ついた時点ですぐ伝承させる手法」を採用したいと思えば常に採用できる」という架空のルールに基づくもので~す。でも実際のリーネは伝承元が「+3」になるまで伝承してくれませ~ん。

 このため、伝承元が「+3」になる前に伝承させたい合成効果がついてしまった場合のそれを「+3」にするまでの1~2回の合成は、「1個ついた時点ですぐ伝承させる手法」絶対主義だと、前章の単純計算では考慮しなかった余計な苦労に感じられてしまいま~す。

 「自分は臨機応変派なのさ!」と思い込んでそう行動するほうが、精神衛生上お得感がありそうで~す。

※失敗しても伝承先のほうが伝承元より強く、即戦力になる場合

 この場合は、「1個ついた時点ですぐ伝承させる手法」がお奨めで~す。

 あるいは変則パターンとして、「理想の合成効果が仮につかなくても最初に入手した伝承元が「+3」になった時点で必ず一度目の伝承をし、あとは他の要因を重視する」などの方法も考えられま~す。

※普段は伝承元を使っており、伝承に失敗すると今の伝承元より弱い伝承先を使うことになる場合

 この場合は原則として、「3個ついてから伝承させる手法」がいいで~す。

 ただし伝承先の性能自体も徐々に進化しているのであれば、事態は流動的なので注意が必要で~す。

※合成エナジー28ぐらいで1度目または2度目の理想の合成効果が来た場合

 これはあと少しがんばれば31回目の合成ができるので、もう少し耐えましょう。

夕月夜「単純計算だとどうせ引き分けなので、結局のところ常識的な臨機応変こそが最高というわけですね」