0.はじめに
大魔瘴期が始まったばかりの5.5前期クリア後で後期開始直前の状態で会話をしたところ、かなり多くの重要な設定が集まりました。本稿はその備忘録で~す。
中には「その情報なら5.4でも聞けたよ」というものも混じっているかもしれませ~ん。もしそういうものがあったなら、お許しくださ~い。
最初は考察も大量に書き加えていたのですが、下書きの文章があまりに長くなってきました。そこで数行ですむ軽い考察のみを残し、長文の考察は本稿から設定を引用する形で別途記事にいたしま~す。
1.ゼクレスの城下町はフィールドより魔瘴の濃度が薄い。このため出町禁止令が出た。
ゼクレス魔導国のリリパットらしきルクバスによると、「町の外では もっと ひどい魔瘴が 吹き荒れ」ているそうで、「魔瘴で 身体がキツい」のだそうで~す。
魔幻宮殿のような肉眼で見える強力な結界のないゼクレス城下町ですが、それでもその内外で魔瘴の濃度は違うようで~す。
近くにいるダーティラビッツらしきジーマも「魔瘴が 荒れ狂っている間は 城下町から出るな」というおふれが出たことを語り、魔族のレギーナやゲアトも似たようなことを語るので、この設定はほぼ信じていいと思いま~す。
密閉空間でもない城下町でそのような効果があるということは、おそらく第8章で紹介する結界の安価版のような仕掛けなのでしょう。
ちなみにジーマは、この移動制限令を破って抜け駆けで輸入をすることで大儲けをしたようで~す。
こういう違法で儲かる商売もある状況下なのに、闇商人としては大先輩のはずのグルジャは、魔眼石が関所前で売れなくなったあともあえてゼクレス国外の危険なフィールドにとどまっていま~す。
ひょっとしたらイーヴ王と似たような呪いの効果により、ゼクレスの領土内に入れない立場なのかもしれませ~ん。
2.空気中と海中でも魔瘴の濃度が違うらしい。
出典はイジャランがどこかで聞いてきた情報で~す。海中は空気中より魔瘴が濃いのだとか。
本当だとすると、まだ海で元気に泳いでいられる魚にはどれも強い魔瘴耐性があることになり、この義兄弟もそんな解釈をしていました。
3.魔瘴への耐性力を決定づけるもの
ゼクレスの貴族のディータは、「魔瘴への耐性は 魔力に 比例しますゆえ 我々 貴族への影響は 今のところ さほどありません」と語ってきま~す。
一方ファラザードの官僚のニェルニャンは、「魔瘴への耐性は その者の魔物としての強さで 変わるゆえ」と語ってきま~す。
今までも「強い者は魔瘴耐性も高い」程度の漠然とした相関関係の情報は、クエスト「華のウルフ道極めるっす!」*1のネシャロットのセリフなどでありました。
今回の二人のセリフでその強さの基準が多少具体的になりました。しかしまだまだ相当曖昧で~す。二人が語る魔瘴耐性の基準の「魔力」も「魔物としての強さ」も、定義が曖昧だからで~す。
これについては長くなるので、近々別の記事でじっくり考察しま~す。
4.ゼクレス貴族は概して魔力が高い。
そして前章で紹介したディータのセリフから、もう一点「ゼクレス貴族は概して魔力が高い」という設定も明らかになりました。
これについては平民のハイノルも「魔力の低い 俺たち 平民」と語っていたので、ほぼ信じてよいかと思いま~す。
実はこの設定も以前から匂わされていました。5.3時代に白フード集団から「強い 女の魔族」の居所を聞かれたテアノーテが、エルガドーラはもう死んでいるからという理由でベラストル家のリンベリィをほとんど機械的に繰り上げで一位とみなし、紹介していました*2。
とはいえ、エルガドーラと同じ父母から生まれたはずのオジャロスは不出来だったようですし、家柄がよいはずの心眼のゴレッポも無能でしたし*3、完全な実力主義のバルディスタのNPCはゼクレスの血統主義を馬鹿にしていたので、血筋だけですべてが決まっているわけではないようで~す。
よってイーヴ王の貴族制廃止論は、近代の地球の類似の理論ほど立派なものではなく、かといってまったくの愚論でもないという、中間的な評価に落ち着きそうで~す。
5.魔界大戦でゼクレスの兵士数は半減した。
ルドロッホからの情報で~す。
魔界大戦の被害の規模はあまり語られてこなかったので、これは重要な設定で~す。
6.ファラザードを「魔界南端」とする立場がある。
ハーリーは「魔界南端のファラザード」と表現してきま~す。
しかし地図を見ると、ファラザードの西南西にも東南東にも陸地が広がっていま~す。万魔の塔をファラザード領に含めても、まだ南端ではありませ~ん。
何か特殊な地理概念に基づいているのかもしれませんし、または万魔の塔の建っている島ような名目上のファラザード領の島々がさらに南方に点在しているのかもしれませ~ん。
とりあえずこういう立場があることだけは記憶しておきましょう。
7.かつてファラザードは他地域より魔瘴が薄かった。
これは、前章で紹介したハーリーと本稿第3章で紹介したニェルニャンからの情報の総合で~す。
そして、だからこそ魔瘴対策が他国に後れをとっているのだとか。
以下しばらく魔瘴対策の話題が続きま~す。
8.魔瘴への魔術的対策について
カルラによると、ベラストル家では魔瘴を防ぐ強い結界があるらしく、いざとなったら避難してきていいという手紙をもらえたようで~す。
ただしこういう手紙をもらえたと喜んでいるのは、「下町にいる貴族」すなわち下級貴族のカルラ一名のみ。
おそらくリンベリィは、他の大貴族の家には同じぐらい強い結界があると考え、また「魔力の低い」平民まで全員を救おうとして共倒れになるよりは貴族だけでも救済するのが正しいと考えたのでしょう。至極まっとうなトリアージで~す。
9.魔瘴への物理的対策について
魔瘴は結界や魔法布だけでなく、物理的な手段でも防げるようで~す。
風通しのよすぎるファラザード城より大魔王城のほうが避難場所として優れているという設定を、グタクが語ってくれました。
一方ファラザード城内にいるルガーナは、城がまだ魔瘴に耐えているという話をしてくれま~す。この城は一見風通しがいいけれども外壁の角度や窓の位置が計算づくで砂ぼこりが入ってこず、文脈上おそらくは同じ理由から、魔瘴もまだ防げているのだとか。
これは物理の範囲内での話なので、城の風通しという細部はともかく、物理的障壁で魔瘴をある程度防げるという大筋としては、グタクと同意見といえましょう。
ボハラも、いざというときはザード遺跡を住民の避難場所に使うよう、ユシュカから命じられているようでした。これも物理的な対策で~す。
魔術に秀でたゼクレスでも、町の外で勤務しているガスヴィンは、いざとなったら近くの洞窟を利用した物理的手段で魔瘴を乗り切る予定のようでした。
10.魔瘴への治療的対策について
第8・9章で見たように、ゼクレスでは王家どころか大貴族の家にすら強い結界があるのに、王城すら主に物理的な対策の話題ばかりが聞こえてきました。
よって対ゼクレスでは、第7章で紹介したファラザード民の「魔瘴対策が他国に後れをとっている」という自己卑下も納得がいきま~す。
しかしバルディスタに行くとどちらの対策もまともになされている様子がなく、一見すると本当にファラザードより魔瘴対策ができているのか疑問に思ってしまいま~す。
そこで思い出したのが、かつてヤイルが魔瘴の特効薬と偽って毒薬を持ってきた場面で~す*4。あのとき智将のベルトロですら僅かな疑念を持ちつつも半ば騙されたということは、魔瘴の特効薬自体はバルディスタではありふれたものなのでしょう。
そしてこの「治療」という観点では、やはりファラザードはバルディスタに大きく劣っているようで、ウラハブの語る基本の対症療法とは単なる「絶対安静」でした。
なお第3章で紹介したクエスト「華のウルフ道極めるっす!」でも赤狼組が薬で魔瘴の被害を治療する場面があったので、組長の弟子が王をやっているファラザードでも一応は魔瘴用の特効薬があるのでしょう。しかしその製造技術・保管技術などにおいてバルディスタに後れを取っているため、通常の治療ではそう簡単に使うわけにはいかないというわけで~す。
11.魔瘴は無味無臭である。
オウミドからの情報で~す。
この設定のせいで、事前に危険を察知しにくいのだとか。
12.ネゲブーはかつて普通のスライムだった。
本人の自己申告によると、ネゲブーは元々はノーマルスライムで、魔瘴の海に落ちたせいでじめじめバブルになったのだそうで~す。
おまけ.僅かな不満
本稿で紹介したように、『ドラゴンクエストX』ではストーリーに合わせてNPCのセリフがめまぐるしく変化し、そのセリフも確固たる世界観を背景に丁寧に作りこまれていま~す。それがこのゲームの魅力となっていま~す。
しかしファラザードの裏通りにいるギラムは、万魔の塔を一週も欠かさずクリアしてきた星月夜が5.5前期クリア後に話しかけても、「……ん? 誰かと思えば お前かよ。 なんだ 今度こそ 挑戦する気になったのか?」と、まるでこちらが未挑戦者であるかのように語りま~す。
他のNPCのセリフの変化が丁寧なだけに、余計にギラムのセリフの欠点が目立ちま~す。