ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

「水竜ギルギッシュ」と「ギルザッド地方」は、同じ元ネタから同じ目的のために作られた双子だった可能性が高いで~す。そして昨日その可能性がさらに飛躍的に高まりました。

1.前回記事の紹介と要約

 本稿は過去記事「魔界の海水の軽さの証明 & 元ネタ「弱水」と血潮の浜辺とギルザッド地方の関係について」の続編で~す。

 前作を要約すると、以下のとおりで~す。

 「ギルザッド地方での実験*1などで証明してきたことだが、このゲームの水は深海や海水浴場などの一部の例外を除いて非常に軽い。だから血潮の浜辺のようにその存在だけで障壁として機能する。

 中国には「弱水」というそういう軽い水が西方に存在するという伝説があり、特に『旧唐書』高仙芝伝では小勃律(ギルギット)地方に弱水が存在し唐軍が活用したと書かれている。

 1.0から水の軽さをギルザッド地方でなら証明しやすかったのは、この『旧唐書』高仙芝伝にちなんだ可能性が高い」

2.もう一つの小勃律、水竜ギルギッシュ

 1.0メインストーリーのムービー「襲いくる水竜ギルギッシュ」では、水竜ギルギッシュが雲海を自由に飛び回ってから襲ってきま~す。

 ファンタジーの世界で大空を自由に飛び回れる竜がいるのは何もおかしいことではないのですが、その竜があえて「竜」とされていると少しだけおかしくなってきま~す。水と空気の重さが非常に異なる地球の常識に照らすと、水中を本拠地とするようなタイプの竜が空を上手に飛べるのは奇妙だからで~す。

 しかしこれも「「水竜ギルギッシュ」と「ギルザッド地方」は、同じ元ネタから同じ目的のために作られた双子だった」(以下、「双子説」と表記)と考えれば、一気に自然になりま~す。

 その「同じ目的」とは、当然ながら「このゲームの水は、原則として『旧唐書』高仙芝伝に登場するギルギットの弱水のような比重だ」とプレイヤーに1.0の時点から教えるというもので~す。

 文字の上では「水竜」であることを強調し、ムービーでは空中を自在に飛び回らせれば、プレイヤーに自然にそれを伝えることができま~す。

3.昨日公式によって劇的に強化された双子説

 元ネタ「ギルギット」から見て、「ギルド」は「ギル」と「ッ」が同じで「ド」がやや「ト」に似ているものの、「ザ」の部分が非常に残念でした。

 しかし双子として「ギルギッ」までが同じで「シュ」が全然違う「ギルギッシュ」がいたと考えると、「ザ」の部分の改変にも非常に納得がいきますね。

 本稿の下書きは昨日まではここまでで終わっており、「ト」をわざわざ「ド」に変えた件までは説明しきれていませんでした。「ギ」と違って「ト」は双子のどちらにも存在していないので、難敵でした。

 ところが昨日『天星の英雄たち』の特設サイトで新職業「海賊」の情報が更新されました。

 そしてツイッターでのひささんの指摘*2にあるように、そこでは公式自身が海賊への転職クエストの受注場所である「ギルザッ地方」を「ギルザッ地方」と書いていたので~す。(翌日には修正ずみ)

 よって「この地名の最後の一字は「ド」にも「ト」にも成り得る」というのが公式設定である可能性が、飛躍的に高まりました。

 そしてこの地名が「ギルザット」でもあるならば「ギルギット」とは「ギ」の一字違いであり、それは双子の「ギルギッシュ」が隙間なく埋めてくれるというわけで~す。

 こうして長らく下書きとして温めてきた星月夜の双子説が正解である確率は、昨日を境に飛躍的に高まったので~す。

 実は本稿は本来の予定では24時間早く発表するはずでした。ツイッターでの軽いやりとり*3により、本日発表へと予定を変更しました。おかげでこういう長い付記を書け、しかも時事的な勢いに乗ることができました。これも運命でしょうかね~?

4.実は4.2時代に相当強化されていた双子説

 「ギルザッド」が「ギルザット」でもあることの原因としては、第一には「実際の発音がアメリカ英語の"flap-t"のように日本語の"t"音と"d"音の中間的なものであり、どちらとも決めがたいものである」ということが考えられま~す。

 第二には「時代や民族によって発音が微妙に異なるため、日本語への転写のさいに表記が揺らぐ」ということが考えられま~す。

 日本でも標準語では無声歯茎破裂音である音が東北などの方言では有声歯茎破裂音になるというケースがありまして、標準語では"oto"である「お父」が、地域や時代によっては"odo"だったりしま~す。

 もちろんこの二つの理由が複合している可能性もありま~す。

 そして「ギルザッド地方」に隣接する「ガートラント領」が、1300年前には「ドランド平原」であったことは、4.2時代にすでに明かされていました。

 この時点でオーグリードのこの地域一帯では"t"音と"d"音の中間的な音が存在し、時代や民族によってその発音は微妙に異なるため、日本語への転写のさいに表記が揺らぐ」という設定は、ほぼ明かされていたといってもいいで~す。

 だから4.2の時点でこう気づくべきだったので~す。

 「ドランドがトラントでもあるように、ギルザッドはギルザットでもある。そのギルザットはギルギッシュと合わせると地球の地名「ギルギット」になり、これら三単語はどれも伝説の「弱水」と関係がある」と。

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余談.またもや発見した水の軽さ

 またもやこの世界の水の密度の低さを証明する現象を発見しました。

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 聖鳥の炎でなくとも、大雨ぐらいでは火は消えない。

 こうなってくると、業炎の聖塔の第二試練を力押しで解決しようとしていたトビアス*4を、あんまり馬鹿にできませんね。あれは本当にこうげき魔力が高ければ、力押しで何とかなったのかも?