1.総論
今月の上半期は、ロスターのお題にスライムジェネラルが初登場しました。これを記念してスライムジェネラル関連の話を語ろうと思いま~す。
スライムジェネラルは「なかま呼び」でキングスライムやクイーンスライムを呼びま~す。「なかま」というからには彼らは原則として同格であり、一度に数匹呼び寄せている様子を見ると若干スライムジェネラルのほうが偉そうな雰囲気もありま~す。
世の中には「王」が常に「将軍」より偉いと思っている人がいるらしく、そういう人にはこのなかま呼びが不評のようで~す。
たとえば「DQ10大辞典を作ろうぜ!!第二版 Wiki」の現在の「スライムジェネラル」の記事(Last-modified: 2021-04-27 (火) 23:48:25)には「将軍が王と女王を戦場に呼ぶとはこれいかに…」と書かれていま~す。
しかし「王が将軍より偉いに決まっている」というのは、単なる思い込みにすぎませ~ん。そういう思い込みは、現在の地球で知名度の高い王の大半が主権国家の元首であることからきているのでしょう。各主権国家より偉いものは存在しないというのが現在の地球の建前であり、また元首は原則として各国で一番偉いからで~す。
実際には王と将軍が同格程度の関係だなんて珍しくもなんともないで~す。
以下に、有力な将軍の「なかま」や格下でもおかしくない王たちの実例を紹介しま~す。これらを読めばきっとスライムジェネラルの「なかま呼び」にも納得がいくことでしょう。
2.立場が弱い王の例
2-1.古代ジパング
近衛大将の官位相当は従三位の時代が長く、また従三位より高い地位の公卿が兼任することも多いものでした。
一方、天皇家から分家して数代を過ぎた「王」が従五位下あたりから官歴をスタートすることは普通でした。
だから桓武天皇も称徳朝時代の大半を従五位の「山部王」として過ごし、のちに自分の臣下となる従三位の近衛大将の藤原蔵下麻呂の後塵を拝していたので~す。
2-2.近代ジパング
近代ジパングでも、王号を持つ皇族たちが、軍人としての職務執行中は平民出身の大将に対して同格や格下だったりしました。
2-3.現代フランス
フランス領のウォリス・フツナ諸島は人口が10000人強の小さな島々ですが、ここになんと3人もの「王」がいるので~す。
2-4.アストルティア
そしてアストルティアの六種族にも、村一つしか支配していない「村王クリフゲーン」がいま~す。当然ながら六王会議にも八王会議にも彼は呼ばれませんでした。
2-5.200年前の魔界
当時のバルディスタではゾブリス将軍は魔王ヴァレリアの許しを得ずに独断で軍を動かす権限があり、実質的な二頭体制でした。
二人は仲間意識は低かったでしょうが、地位という観点においては君臣というよりも「なかま」に近かったことでしょう。