※記事本編
昨日の記事を書くため久々に『週刊ウルベア魔神兵』第4巻を読みなおしたのですが、「実物のウルベア魔神兵の 胴体には 人間が入り込める 謎の空間が 確保されているそうだ」とありました。
このゲームでは「人」と書いた場合には七種族を指すことも多いのですが、「人間」と書いたら大概は人間族のみを指しま~す。
そして魔神兵内部の謎の空間の広さをドワーフが人間を単位にして強調したいのであれば、「人間サイズでも入り込める」などの表現を使うことでしょう。
よってわざわざここで「人間が入り込める」とだけ記載してきたのには、事実上の名指しに匹敵するほどの意味があることでしょう。
第6巻の「理不尽な戦争に 駆り立てた 人間への復讐の機会を」における「人間」については、相当早い段階で違和感を持ってグルヤンンラシュを暗に指していると見抜きました。それについては過去記事「『週刊ウルベア魔神兵』精読 「脚なんて飾りかを検証!」・「グルヤンラシュの正体は、会う前から半分ネタバレされていた!」・「反骨の出版人ボダッチ氏の地上出版の意図を徹底分析」」をお読みくださ~い。
だからまずこの第6巻からの類推で「第4巻の「人間」もグルヤンラシュを指している」と考えました。
この説が正解であるためには、グルヤンラシュが自分用の人工冬眠装置を作らせた動機がなければなりませ~ん。
これはすぐに思い浮かびました。エテーネルキューブの完成が遅れた場合の保険で~す。そういう場合にしばらくは開発を悠久の時を生きている主人公の兄弟姉妹一人に任せ、自分は冬眠して老化を遅らせようという魂胆だったというわけで~す。
グルヤンラシュが自身の老いを怖れていたことと兄弟姉妹の不老を見抜いていたことについては、5.5前期ムービー「すれ違う兄弟とグルヤンラシュ」*1で明らかで~す。
でも当初の予想以上に簡単にボロヌジウムが入手でき、その代償として兄弟姉妹とも対立し常に権力を保持していなければならない状態になったので、結局この保険は実際には使われずに終わったというわけで~す。
※あとがき
星月夜は同じ『週刊ウルベア魔神兵』の第6巻の「人間」には読んですぐに違和感を持てたというのに、なぜ同じシリーズの第4巻の「人間」には3年間も違和感を持てなかったのでしょうか?
これはやはり、脳の中に問題の解決策があるかないかの違いだと思いま~す。
「対ガテリア戦争を扇動したのはグルヤンラシュであり、グルヤンラシュの正体は人間族のクオード」と先に知っていたからこそ、第6巻を斜め読みしていても「理不尽な戦争に 駆り立てた 人間への復讐の機会を」という文章に脳が初見で引っかかってくれたのでしょう。
一方「グルヤンラシュは老いを怖れており、かつ主人公の兄弟姉妹の不老を見抜いていた」という情報は、物語を5.5前期まで進めてやっと手にしたもので~す。これを知るまでは「クオードには自己の人工冬眠の動機があった」という発想がわかず、第4巻の「実物のウルベア魔神兵の 胴体には 人間が入り込める 謎の空間が 確保されているそうだ」を何度読んでも脳が反応してくれなかったのでしょうね~。