ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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ユーライザの犯した罪の内容の大胆推測

0.はじめに

 聖天区画では、ユーライザが「罪」を払拭しない限り死んでも転生できない立場であることが強調されていました*1

 しかし具体的にどんな罪を犯したのかは、直接的には語られませんでした。

 そこで本稿では、現段階の限られた情報から可能な限り大胆に推測をしてみました。

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1.禁忌から考える

 さて、「罪」というからには違反の対象である「禁忌」から考えなければなりませ~ん。

 大した罰を受けないであろう中小の禁忌ならば、大量に挙げられま~す。たとえばカシュラとジュッセが犯した怠惰*2、カンティスが試練のさいに犯した不手際や依怙贔屓*3などで~す。アルビデの捜索*4のために立ち入ったエリアも本来は立ち入り禁止でした。

 しかしこれらの禁忌は易々と破られ、かつ破った者も大して悪びれる様子もなかったので、軽い禁忌であるといえましょう。ユーライザが受けたような重い罰に対応する禁忌である可能性は低いで~す。

 むしろほぼ誰もが不自然な程に律儀に回避している行動にこそ注目すべきで~す。

 それは「ルティアナの創った世界での争いには介入しない」というもので~す。

 『地上界観測記録:レンダーシア編』によると、マデサゴーラが偽のレンダーシアを創ったときには戦務室による人間族への支援が検討されました。その必要がなくなったあとも界律課が派遣されました。

 しかし5.4~5.5後期までの時期にルティアナがジャゴヌバを相手に苦戦をしていた時期には援軍が派遣されず、派遣が検討されたことを匂わせる形跡・言動も6.0時点では一切ありませ~ん。大きな危機の到来の直後に瞬間的に勝敗が決した3.5後期や4.5前期とは異なり、5.4~5.5後期までの期間というのは比較的時間の余裕があったのですし、地上の英雄たちの活躍を延々と見守っている導きの天使たちが大勢いるのですから、ルティアナの危機を天使たちが知らなかったというわけではないでしょう。

 またメインストーリーでのアシュレイ兄弟のセリフによると、過去の大魔王たちによる侵略の被害と比較して、マデサゴーラによる被害こそが最小限だったようで~す。仮にこの証言が思い出補正による虚偽だったとしても、少なくともネロドスによる被害がマデサゴーラによる被害を越えていたことだけは、4.1メインストーリーで見たとおりで~す。

 さらには話をマデサゴーラに限っても、彼の脅威が一番増したのは光の神殿に突入して創生の霊核を入手する可能性があった時期であるというのに、その下準備である偽のレンダーシア創造の問題ばかりがこの書では語られていました。

 よってこの書の記述は実に不自然で~す。むしろ「不自然だと気づけよ!」という運営からの強いメッセージすら感じま~す。

 以上により「ルティアナの創った世界での争いには介入してはならない」という極めて強い禁忌が存在していると考えるのが自然で~す。

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2.祈願の神殿の客たちの願いもこの説に合致

 祈願の神殿で主人公が店番をしているときに来る客は24人いますが*5、この中の誰一人として「特定の敵との戦いを有利に運びたい」という願いを申し出てきた者はいませ~ん。

 ストーリーで一回だけ客になるエメルダもゴーレックもそうですし、クエスト「まめに働く天使たち」で主人公本人が客になった場合もそうでした。

 まだ購入物を決めていないマカスタとピティもそうで~す。

 モンスターによる被害が多く、六種族同士でもランガーオ村やコロシアムではチャンピオンを決めるための戦いをしているこの世界で、30人弱もの客が戦闘に直接役立たない願いばかりをしていったというのは、偶然の可能性は相当低いと評価できま~す。

 やはり天使たちは「ルティアナの創った世界での争いには介入してはならない」という禁忌に縛られているがゆえに、その禁忌を破らずににすむような客ばかりを招いている可能性が高いで~す。

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3.その禁忌をユーライザが破った可能性は?

 少ない情報からようやく一条だけ見つけてきた強い禁忌ですが、ユーライザが実際にそれを破ったことを匂わせる情報がなければ、本稿の題名に掲げた「大胆推測」よりも確度がさらに一段階低い「妄想的推測」になってしまいま~す。

 さてその禁忌違反の形跡ですが、冥獣王ネルゲル戦で光輪を作ったのがユーライザだった」とすれば、一気に辻褄が合いま~す。

 まず「光輪を作ったらしきキャラが他にいない」ということが挙げられま~す。その程度のことならできそうなキャラとは今まで何人も会ってきましたが、「あのタイミングで都合よく支援してくれてかつ戦闘には不介入で、その後の別の強敵との戦いではロクな支援をしてくれなかった」という不自然さを説明できたことはありませんでした。しかも相当仲良くなったあとでも光輪の件が話題に出たことはありませんでした。

 しかしユーライザは主人公がエテーネの村を出発した日からずっと見ていたというのですから、適切なタイミングでの介入も簡単だったことでしょう。

 ユーライザはこの件をわざわざ誇ってきませんが、誇るに値しない禁忌違反だったと考えれば納得がいきま~す。

 戦闘には不介入だった理由も、その後の強敵との戦いで二度目の支援をしてくれなかった理由も、それがさらに重い禁忌だと考えれば納得がいきま~す。

 動機も十分ありま~す。フォーリオンでの会話で得た情報によると、導きの天使は自分が選んだ英雄候補を過度に贔屓する傾向があるそうですから*6

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4.結論

 以上により、6.0段階の情報を元にする限りでは「「ルティアナの創った世界での争いには介入してはならない。直接戦闘行為をした場合や複数回介入した場合は特に重く罰する」という極めて強い禁忌が存在し、主人公を贔屓しすぎたユーライザは冥獣王ネルゲル戦で少しだけその禁忌を破った」というストーリーが、一番辻褄が合っていると考えました。

(2月5日追記)

 きゅろいぬさんのこの記事によると、6.0クリア前の天務室のネブリールは「下界で起こる さまざまな争いには 原則不介入を つらぬいてきました」と語っていたようで~す。

 こうして第1・2章の主張の根拠が一つ増えました。

(8月23日追記)

 6.0で主人公が神化の儀を受ける直前の聖天舎では、これでユーライザの罪が消えるという話になっていました。

 しかし6.2でユーライザが主人公とともに多くの悪神を討伐したあとでは、別の功績で罪を相殺してよいのかが議論になっているという話でした。

 主人公が神になった場合のみ正しく過去の罪が遡及的に払拭されるというルールとなると、やはりユーライザの罪は主人公がらみである可能性が高いということになりま~す。

 これも新しい本稿の根拠で~す。

(11月23日追記)

 6.3メインストーリーで本稿の推測が当たりました。詳細は記事「6.3メインストーリー その3 ワルスタットという暗号の解読 & マデサゴーラ芸術の奥深さ」にて。