0.はじめに
先月の「バージョン6の黒幕考察酒場」*1をきっかけにして「黒幕」について深く考えるようになり、約一ヶ月かけて自分なりに満足できる結論に達しました。本稿ではその成果を語りま~す。
あくまで6.0段階で開示された情報からの推測なので、今後の配信の内容次第では結論が覆る可能性がありま~す。
その場合でも「6.0時代の運営はこのように誤誘導をしていたのだ」という資料としての存在意義が残り続けるだろうと自負しておりま~す。
1.総論
先に結論をいうと、現段階で一番怪しいのはヘルヴェルで~す。
以下、その「怪しさ」を紹介していきま~す。
2.怪しすぎる白灰の試練場
2-1.主人公の落下は偶然ではない可能性が高い
ムービーでエックス君が射落とされた場面を見ると、放たれた武器は放物線を描かずにかなり不自然な動きをしてからエックス君に当たっていました。
よってこの武器は単に射落とすために放たれたのではなく、タイミングやベクトルも計算し尽くしてエックス君とその燭台を白灰の試練場に誘い込む目的で動いていた可能性が非常に高いといえましょう。
エックス君が主役を務めるムービーはプレイヤーが体験する物語の内容と若干違っていることが多いので資料的価値は低いのですが、それでも黒幕が主人公とその燭台を確保したくて意図的に白灰の試練場に誘った可能性はそれなりにあると考えておくべきで~す。
ならば怪しいのは、白灰の試練場の管理者ヘルヴェルで~す。
2-2.宿屋などの施設
四つの試練場の中では白灰だけ「そなえの場」が設けられており、施設も人員も充実していま~す。
ここに一人フォーリオンの施設を使えない立場の英雄が長期逗留することが計画に入っていたからこそ、こういう配慮をした可能性がありま~す。
また後述するように自分が不在でも試練が運営されるように、大量の助手を集めたとも考えられま~す。
あるいはヘルヴェルは、悪辣な計画がばれてフォーリオンの中央政界を追放された場合に備え、便利なこの地に割拠することまで考えているのかもしれませ~ん。
2-3.記憶操作されたとしか思えない部下たち
過去記事「クエスト「まめに働く天使たち」 単独の物語としては優れていますが、全体の世界観に照らすと疑問が大きいで~す」で指摘したように、白灰の試練場に配属された天使たちはフォーリオンにも存在するはずの「階段」などの設備に関する記憶が欠落していました。
このクエストをクリアした当初は、物語の違和感を運営のミスのせいだと決めつけていたのですが、実は周到な「記憶操作」設定だったのかもしれませ~ん。
2-4.そなえの場で慣れぬ仕事を担当させられた天使たち
フォーリオンでは、本来下界特有の商売については、六種族の専門家を招聘して責任者にしていました。
しかし白灰の試練場では、そういう仕事に慣れていない天使たちを無理に働かせていました。
これも手元に直属の部下や人質を多数確保しておきたいというヘルヴェルの願望の表れである可能性がありま~す。
3.怪しすぎる白灰の試練の内容
3-1.心の試練の怪しさ
白灰の試練場における第二の試練である心の試練は、王・王妃・王子の三人の中から一番罪深い者を選ぶというものでした。
この試練は二度選びなおせば必ず通過できるものなので、試練の担当者であるヘルヴェルの価値観を英雄たちに強要することに主眼があったといえましょう。
そして王子は「邪王に 生まれついた罪」を認めて自らを罰すべきだと説明されてしまいました。
ある運命を背負って誕生したこと自体に罪があるというのは、中々酷い価値観ですね。せめてキリスト教のように人類全員に原罪を与えるのであれば平等なのですが、ヘルヴェルの価値観は運の悪かった新生児に対して過酷すぎま~す。
この異常な傾向に、ヘルヴェルの怪しさがにじみ出ていま~す。
3-2.力の試練の怪しさ
白灰の試練場の最後の試練である力の試練は、「儀礼の評定者」と戦って勝つというものでした。
でも戦闘力の検査は紺碧の試練の眼目であり、わざわざ他の試練場で似たようなことをする必要はありませ~ん。
しかもまめちしきに「儀礼の評定者は挑む英雄に ふさわしい強さに変化する」とあり、かつ戦闘中に実際に「英雄を 再評定中…… まもなく評定完了…… 評価不能! 出力全開します!」と語ってくるように、どうやら戦闘が苦手な英雄でもこの評定者にはちょうど勝てる仕組みになっていたようで~す。
一定の戦闘力を持った英雄を通過させるのではなく、その能力を評定してから全員合格にしているということは、ここで行われていたのは英雄への試練ではなくヘルヴェルの情報収集だったということになりま~す。
データが必要だった理由としては、やはり英雄たちの邪神化の黒幕だったからである可能性が高いで~す。
3-3.白灰だけハプニング発生せず
これはあくまで主人公の視点の話ですが、他の試練場では何らかのハプニングが発生したのに対し、白灰の試練場では不測の事態は起きませんでした。
だから一連のハプニングの黒幕がヘルヴェルだった可能性が高いで~す。
3-4.アリバイもなし
他の試練場で事件が起きている間、せめてヘルヴェルが白灰の試練場で忙しく仕事をしている様子があったのであれば、多少は疑いも晴れるというもので~す。
ところが白灰の試練は責任者が不在でも話が進むようにできており、いつ確認しにいってもヘルヴェルの姿はありませ~ん。
白灰の試練の内容は、ヘルヴェルが自由に裏で動き回って別の試練場でスライムアンノウンなどを作りまくれるように設計されていた可能性がありま~す。
3-5.責任者不在のメタ的な意味での怪しさ
これは物語の外部の話になりますが、マップのどこかに普段から立っていないNPCは、後々運営が好き放題に使えるキャラとなりま~す。
いつか悪役として敵対してきて滅んでも一向に構わないキャラとなるわけで~す。
これがカンティスやフェディーラを悪役とする場合、物語の進行に合わせて裁定の聖堂や生誕の花園について二種類のマップを用意しなければならず、非常に面倒になるというわけで~す。
もちろん悪役になりつつ普段の酒場に立っていたゲーダムの事例もあるので*2、これは絶対の証拠というわけではありませ~ん。
4.アルビデから考える
4-1.縁の深さ
現時点で黒幕の側にいたと確実に判明している天使はアルビデのみですが、このアルビデは最初からずっとヘルヴェルの側近として登場していました。
悪役の上司なので、悪である可能性が高いというわけで~す。
4-2.名前
「アルビデ」の「アルb」の部分は、ラテン語由来の「白」という意味で~す。遡ると印欧祖語の"*albʰós"に至りまして、「アルプス」・「アルバニア」・「アルビオン」・「アルビノ」などの有名な単語は全部これに由来しま~す。
「悪役であるこの天使の所属は「白(灰)」だ!」という、運営からのメッセージとしての命名であった可能性が考えられま~す。
5.言動
神化の儀式が失敗して邪神が大量発生して大騒動になったあともなお、さらに主人公まで神化させてみようと提案したのはヘルヴェルでした。
本気で賭けに出ようとした可能性もありますが、邪神大量発生計画の黒幕ならではの発言であった可能性も高いで~す。