星月夜は紺碧の試練の責任者のカンティスの語源を、ラテン語の"cantus"(カントゥス)と英語の人名"Curtis"(カーティス)であると考えていま~す。
本稿ではそれを証明したいと思いま~す。
1.カンティスと"cantus"の関係
1-1.発音だけなら"cantis"が最強
星月夜が知る限り、この世で日本語の「カンティス」に最も発音が近い単語は、ラテン語の"cantis"で~す。
これは「歌う」を意味する"canō"の直説法現在能動態の二人称複数なので、「あなたたちは歌う」を意味しま~す。
しかしこれは動詞の格変化の一つにすぎず大抵の辞書の見出し語にもなっていないので、運営の命名の担当者がいきなりこれを思いつけた可能性は低いで~す。
夕月夜「中々酷いこと言ってますね」
1-2.そこで妥協して名詞の"cantus"
そこで妥協して「普通の辞書の見出し語に限定する縛り」でカンティスに似た単語を探すと、名詞の"cantus"が出てきました。「歌」という意味で~す。
これは物語との関連も深いで~す。カンティスは「始源の歌姫」のリナーシェを贔屓していましたし、その贔屓の仕方もリナーシェの「歌」の力に深く関係するものでした*1。
発音の類似性・単語の知名度・物語との関連性の三点を総合評価すると、やはりこの単語こそがカンティスの語源の一つだった可能性が高いと思いま~す。
1-3.余談としてエテーネの歌姫の話
"canō"や"cantus"の語源をさらに遡ると、印欧祖語"*keh₂n-"に至りま~す。
エテーネの歌姫の「シャンテ」の語源であるフランス語"chanter"*2も、遡るとやはりこの単語に行き着きま~す。
暁月夜「妹キャラのシャンテに、義理の弟のカンティスが登場したというわけか」
2.カンティスと"Curtis"の関係
2-1.思考過程
先に「カントゥス」が「カンティス」の語源の一つだと決めた以上、もう一つ語源があるとすれば「カントゥス」に足りない部分を補うものである可能性が高いで~す。具体的には「ティ」成分がほしいところで~す。
これは過去記事「「水竜ギルギッシュ」と「ギルザッド地方」は、同じ元ネタから同じ目的のために作られた双子だった可能性が高いで~す。そして昨日その可能性がさらに飛躍的に高まりました」における発想と少し似ていま~す。
そうして「ティ」を特に重視しながらカンティスに似た単語を探した結果、"Curtis"にたどり着いたというわけで~す。
2-2."Curtis"も物語との関連性が深かった
"Curtis"は人名であるという点でも天使の固有名詞の語源に相応しいのですが、さらに語源を遡ると物語とも深く関係していました。
この名前の語源は古フランス語の"cort"であり、その意味の一つに「裁判所」というものがありま~す。
ここでカンティスがいる施設の名前を思いだしてみましょう。「裁定の清堂」で~す。「裁判所」とほとんど同じ意味で~す。
雨月「「裁定の清堂」って、カンティスのリナーシェへの態度から、「最低の清童」って意味かと思っとったわ」