ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

マキシマムのキャラ設定の二大起源

1.マキシマムについて

 『ダイの大冒険』のマキシマムは、いかにも大魔王バーンの最後の懐刀といった雰囲気で登場しました。長い連載を通じて主人公たちを苦しめたハドラー親衛騎士団とほぼ同等の戦力の部下を従えており、読者を驚かせました。しかもハドラーと違って彼らを完全に操れるという設定なので、フェンブレンのケースのような抜け駆けによる犬死にといった不測の事態もなさそうでした。

 さらに相手のHPを完全に計測できるという能力があり、それに基づいて合理的戦術を駆使していました。

 ちなみにこれは星月夜のカジノにおける態度と似ているので*1*2、星月夜は「カジノ界のマキシマム」を自称しておりま~す。

 さてそんなに強いマキシマムでしたが、表面上の残りHPとは別の謎の耐久力を持っている不死身のヒュンケルには彼の理論は通じませんでした。

 しかも部下が自律的に動かないことがかえって仇となり、懐に迫られると一対一を強制されてしまいました。

 長年自分に仕えてきたマキシマムのこうした弱点を見ていたからこそ、バーンは協調性のない六大軍団長が自由に競争をする体制を目指したのかもしれませ~ん。そしてそれはそれで別の弱点があるということは、過去記事「魔界の軍隊における対極的な二傾向についての研究 ゾブリス将軍を制御しなかったヴァレリアの擁護論を中心に」で書いたとおりで~す。

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2.理論倒れキャラの起源 趙括

 「データに基づいて理屈で戦うのが得意だったが、それが災いして却って敗けた」というキャラは大量にいま~す。なので「これぞマキシマムの直接の元ネタ」という相手は特定できませ~ん。掲載紙や掲載時期などを考えるとスカウターの数字に ゆだんして やられやがったようなもんだった」「よわむしラディッツのバカ」あたりが一番可能性が高いと思っておりますが、断言はできませ~ん。

 こういうキャラたちの起源を遡っていくと、史記』廉頗藺相如列伝の趙括に至りま~す。

 この武将は若いころからシミュレーションでは強かったのですが、いざ将軍に任命されると当時はマスクデータであった「部下の士気」を上げる努力をしなかったので、母に敗北を予言されそのとおりになりました。

暁月夜「これより古いキャラを知っている人からの情報、待ってるぜ」

3.独裁倒れキャラの起源 趙政

 「命令だけは聞く部下を抱えていたら臨機応変の対応をしてくれずに敗けた」というキャラも多数いま~す。掲載紙や掲載時期などを考えると『まじかる☆タルるートくん』のサッカー対決の回の原子力あたりの影響が強そうですが、これも推測の域を出ませ~ん。

 そして星月夜が知る限り最古のキャラは史記』刺客列伝の秦王で~す。この人は現在は「嬴政」と表記されることが多く、また当時は「趙正」という表記もあったそうですが、ここでは同じく『史記』の楚世家における趙政という表記を採用しま~す。

 秦は情よりも規則で国を運営しようとする「法家」のイデオロギーが強かったのですが、趙政は特にその中でも過激でした。たとえ正義のためでも成文法に反したら罰せられるという厳しい社会になったので、誰もが勝手な行動をせずに機械のように趙政に従っており、おかげで不測の事態もなく彼は統治をおこなうことができました。

 ところがある日、荊軻という暗殺者に玉座の側で殺されかけました。玉座の付近には刃物を持たない側近しかおらず、遠くにいる武装兵は趙政が「来い」と命令しないうちに近づくことは違法でした。そして荊軻の連続攻撃を避けるので精一杯の趙政には「来い」なんて言っている余裕はなかったので、荊軻はあと一歩で趙政を殺せるところだったので~す。

雨月「もっと古いキャラも一人ぐらいいそうやな。教えて、偉い人」