1.「ゼルメライト」とは何か?
『ドラゴンクエストIX』から登場したスライムマデュラは、「マデュライトビーム」を使用してきま~す。シリーズにおけるデザインの担当者の経歴やマデュライトの設定を総合的に勘案するに、『ドラゴンボール』の「アクマイト光線」のセルフオマージュであると星月夜は考えておりま~す。
そして本作では、スライムマデュラの色違いの海溝の煌玉がマデュライトビームそっくりの「ゼルメライトビーム」を発射してきま~す。
この「ゼルメライト」とは何なのかですが、最初のヒントは「マデュライトに似た何か」ということになりま~す。
そして地球で鉱物を命名する際に、由来となる語源に古典ギリシア語で石を意味する"λίθος"(リトス)に由来する"-ite"(アイト)か"-lite"(ライト)をつけるというのは非常に一般的な手法でして、アストルティアにもその傾向が見られま~す。前述のマデュライトだけでなく、「メダライト」・「ナドラダイト鉱石」・「アストライト鉱石」・「ゲフェンダイト」・「暗鉄鉱ネクロダイト」は確実にこの命名法則が適用されていま~す。鉱物かどうか不明ですが「ゼレスタイト」や「レグナライト」もその一つかもしれませ~ん。
以上により、ゼルメライトもほぼ確実に「ゼルメアに因んだ鉱物」なのでしょうね~。
以下、それを前提に記述をしま~す。
2.接尾辞問題
2-1.問題の所在
ゼルメライトのように日本語表記で「ライト」で終わる鉱物の名前は、"l"または"r"で終わる語源に"-ite"をつけたものである場合と、語源に"-lite"をつけただけの場合とがありま~す。
たとえば「アレキサンドライト」は「アレキサンドル」に"-ite"をつけたものである一方、「スギライト」は「杉」に"-lite"をつけたもので~す。
ここでゼルメライトの接尾辞が"-ite"なのか"-lite"なのかが問題となりま~す。
2-2."-lite"説の根拠
「ゼルメア」の発音や綴りが日本語の表記どおり"zerumea"だった場合は、"-ite"を付しても語尾は「ライト」にはなりませ~ん。この場合は正解は"-lite"説で決まりで~す。
2-3."-ite"説の根拠
『ドラゴンクエストX』の架空のカタカナ語は、地球のアルファベットに対応した種族文字で綴るとき、単純な日本語のローマ字表記とは異なる場合も多いで~す。例えば「グレン」は"Guren"でなく"Glen"で~す。
さらに『ドラゴンクエストX』では、架空のアルファベット語の架空の関連語を作る際に、日本語表記における行をずらした例もありま~す。四文字目がザ行の「ネクロジーム」の関連語は、四文字目がダ行の「ネクロディア」や「ネクロダイト」であり、日本語表記だと四文字目の行がすれていま~す。よってこの単語は、地球の"radium"(ラジウム)などと同じく、"necrodium"とでも綴るのでしょう。
そして英語の"ɪər"音で終わる単語が日本語で「eア」と表記されるのはよくあることで~す。たとえば「テロメア」は日本語表記では後半に"l"音も"r"音も存在しないかに見えますが英語では"telomere"と表記されま~す。そしてそれを語源とする酵素"telomerase"は、日本語でも"r"音が復活して四文字目がア行ではなくラ行になり「テロメラーゼ」と表記・発音されま~す。
だからもし例えば「ゼルメア」の表記が"zelumere"で発音が「ゼルmɪər」とかならば、この場合は正解は"-ite"説で決まりで~す。
3.接尾辞問題に対する星月夜の立場
この接尾辞問題については、現状では星月夜はほぼ五分五分の立場で~す。強いていえば51%ぐらいで"-ite"説で~す。
「ゼルメライトと共通点の多い鉱物である「マデュライト」の接尾辞は、「スライムマデュラ」が一つの意味である以上、ほぼ確実に"-ite"である」という事実は、"-ite"説に若干有利といえましょう。
しかしこれは、「ゼルメア」の正しい綴りが配信されたら一瞬で消し飛ぶ程度の優位性でしかありませ~ん。
余談
暁月夜「そもそも運営はそこまで考えてないと思うぞ。「ナドラガ」を語源として鉱石の名前を作るなら「ナドラガイト」になるはずなのに、「ナドラダイト」と命名してるんだから」
星月夜「あの鉱石の名前は、「ナドラガ」の名前すら忘れられたのちのアストルティアの方言だと考えれば、しっくりくるんじゃない?」
暁月夜「そこまで運営を信じていいのか? 『コードギアス』に出てきた、「桜」を語源とするのにどこからともなく"d"が加わって名前が「サクラダイト」になったあの鉱物と、同じ匂いがするな~」