1.「ルクスガルン大空洞」の第一の語源の復習
「ルクスガルン大空洞」の語源については、ツイートで語った内容を過去記事で紹介しました。
一応ここでも復習しておくと"lux"はラテン語由来でヨーロッパに広く流通している「光」の意味、”garn”は北欧諸国における「糸」。だから「光の糸」の意味で~す。
デンマークにはそのまま"luxgarn"という編み物関連の商売をしている企業があり*1、そこでは日本の近畿編針株式会社*2のブランドの竹編針"Seeknit"*3も扱われているので、日本とも縁が深いといえま~す。
星月夜はこの第一の意味を発見して安心し、そのまま放置していました。
2.最近発見した第二の語源
最近になって、半ば強制的に第二の語原かもしれないものを発見することになりました。
それは最近のロシア対ウクライナの軍事衝突で急に知名度が向上した"Луганская"(ルガンスク)で~す。「ルハンスク」のロシア語読みの日本語表記である「ルガンスク」は、「ル」を二度使って並びかえると「ルクスガルン」になりま~す。
しかも物語としても似ていま~す。
「魔界は過去にアストルティアから切り離された世界であり、魔界の住民たちはアストルティアに無意識の郷愁を抱きつつ、かつて戦禍の邪神が開通したルクスガルン大空洞を通過して攻め込んでくる」という設定でした。
同じくロシア人は現在でこそウクライナとは別の国の住民ですが、かつての都のキーウ(キエフ)に郷愁を抱きつつ、ルハンスク州(ルガンスク人民共和国)などを経由して攻め込みました。
「ルクスガルン大門」の名前が登場したバージョン5.3は2020年9月16日に配信が始まったものなので、当時はまだ2022年2月24日にロシアがウクライナに攻め込むことは完全には予測できなかったことになりま~す。
しかし2014年のクリミア占領の時点で、「ロシアは数年以内にウクライナに対してもう一度似たようなことをするだろう。次に狙われるのはクリミアと同じくロシア系住民が多いルハンスク州の可能性が高い。そしてルハンスクはロシア語ではルガンスクと発音される」ぐらいまで考えることは、世界情勢に通じていれば不可能ではなかったと思いま~す。
以上により「ルクスガルン」と「ルガンスク」が似ているのは、偶然でなく運営の意図的な語源選択であった可能性が高いと考えました。
雨月「やるのう、運営。でも「近未来にウクライナが東西に分断されて戦場になる」という予言のゲームなら、2019年2月28日発売のフロントミッションシリーズ『LEFT ALIVE』のほうが、2020年9月16日配信のバージョン5.3よりさらに先やで~」
星月夜「ところが運営はもっと昔から予言していた可能性が高いんだな~。次章を読むがよい」
3.「エテーネ王国 VS 自由人の集落」もその証拠
運営が「ロシア VS ウクライナ」の構図に昔から注目していたということのもう一つの証拠が、2017年11月16日配信のバージョン4.0で~す。
まず4.0メインストーリーの「エテーネ王国 VS 自由人の集落」の構図が「ソビエト連邦 VS ウクライナの自由地区」を模していました。これは過去記事「「無政府主義対マルクス主義」を表現した、「自由人の集落対エテーネ王国」という構図」で書いたとおりで~す。
さらにサブストーリーの「エテーネ王国軍人たるもの」*4では、そのエテーネ王国のイデオロギーをベルマ以上に教条的に信じている過激派として「ルクス」という兵士が登場していました。
よって運営は5.0どころか4.0の時点で「ロシアのウクライナ侵攻は2014年のクリミア併合にとどまらず、ルガンスクを鉄砲玉とする形でもう一度行われるだろう」と予測し、時事ネタを盛り込んでいたのだと思いました。
4.過去の類例も根拠
こうしたロシア対ウクライナという構図が物語中に表現されていることが、単なる偶然ではなく運営の意図的なふるまいであるということの根拠が、「運営は過去にも複数回近未来の歴史的事件を時見して物語に盛り込んだことがある」で~す。
過去記事「3.3メインストーリー その9 キリスト教的原罪論が漂う冥闇の塔を攻略し、メシアとなりました」では、「2016年5月27日のオバマ大統領の広島訪問にちなんだ可能性の高い物語を、同年同月25日に3.3メインストーリーとして配信した」という前例を紹介しました。
また過去記事「すぎやんたちのゲーム音楽が使用されたオリンピック開会式は、承安四年九月の今様合の現代版。そして新生ライトニング・デスの地球版」では、「2021年7月23日の東京オリンピックの開会式にちなんだ可能性の高い物語を、同年同月8日にサブストーリーとして配信した」という前例を紹介しました。
注.なお本稿はウクライナとロシアのどちらか一方に味方する記事ではありませ~ん。