0.はじめに
職人の数値の計算式のコンプリートを目指し、調理にも挑戦することにしました。
1.『魔人本』と常識からわかること
『魔人本』256ページの表を見るに、最初の基準値nが12~18の7種類の自然数であることは明白でした。
さらにそれの基準値が、半熟封じの使用の有無x・全体の焼き加減を変化させる特技y・マスの性質zによって変化することも明白でした。
xは、通常が1、「半熟封じ」中が0.5で~す。
yは、普段が1、「弱火焼き」中が0.5、「強火焼き」中が1.5で~す。
zは、中央の「強」マスが1、その上下左右の「中」マスが0.5、四隅の「弱」マスが0.25、「火力上昇」状態のマスが2で~す。
かつx・y・zがどれか単独で作用したときには、小数点以下の切り上げが発生することも明白でした。
また本には書かれていませんが、会心の有無wによって1倍または2倍になることも有名で~す。
しかしこれら四種類の変化はどれも次の変化の前に整数化をともなうものであったので、計算の順序はしっかり見抜く必要がありました。
2.計算順序を見抜く
2-1.x対y
n=13のときもn=14のときも「半熟封じ中」(x=0.5)は7になりま~す。でもその後目をそのまた強火焼き(y=1.5)に移すと、n=13なら10、n=14なら11に分かれていました。
この10はn=13でy=1.5のときに切り上げてできた数値20の半分であり、11はn=14でy=1.5のときにできた数値21の半分を切り上げたもので~す。
つまりxとyでは、yが先に計算され、そのときに切り上げを伴うというわけで~す。
2-2.x対z
n=13でz=2で他の変数が1のとき、当然ながら26になっていました。ところがそこからさらにx=0.5の方向に進むと、13ではなく14になっていたので~す。
つまりn=13でx=0.5のときに小数点以下を繰り上げて出来る数値7が先に存在しており、そこからz=2の影響が及んで14になったと考えるべきで~す。
つまりxとzでは、xが先に計算され、そのときに切り上げを伴うというわけで~す。
2-3.wについて
会心が発動すると理想値に到達しない限りは常に偶数なので、経験的にこれが最後とわかりま~す。
2-4.小結
y→x→z→wの順に計算されま~す。
3.焼き戻し(6月27日加筆・8月19日大幅修正)
『魔人本』出版後に「焼き戻し」という特技が加わっていたことを思いだし、これについては文献ではなく実験を元に調査をしました。
この「焼き戻し」は半熟封じが関係すると異常に複雑になることから、まとまった時間がとれるまで立ち往生の状態だったのですが、8月19日にやっと調査が終了しました。
その調査の過程をまとめた記事は、本稿の2ヶ月後を記念した8月24日に発表し、本稿にもリンクを貼る予定で~す。
8月19日まで本章に書いてあった中途半端な研究成果は、当該記事へと発展解消させました。
ただし次章の計算式のため、"m"の定義が「-16から-12までの連続する五種類の整数」であることだけはここに残しておきま~す。
4.結論
(イ)原則
(ロ)半熟封じと無関係な焼き戻し
(ハ)焼き戻し開始の直後の、半熟封じと焼き戻しの相乗
(二)前項の場合を除く半熟封じ開始の直後か、焼き戻しマスから焼き戻しマスへと移動した直後の、半熟封じと焼き戻しの相乗
(ホ)前項までの場合を除く、半熟封じと焼き戻しの相乗
5.リンク
ランプ錬金とツボ錬金ではこういった数値は存在しないので、職人作業における数値の計算式はこれでコンプリートで~す。
今回を含めたシリーズへのリンクを貼っておきま~す。
リンクの掲載順序は、記事の発表順ではなく、『魔人本』に敬意を表してそのページの順としました。
5.余談?
暁月夜「上のリンクをたどっていったら、原則の式はどれも今回のw⌈z⌈x⌈ny⌉⌉⌉とほぼ同じだったな。木工の原則の式なんか完全に同じだった」
夕月夜「さいほうの原則の式では天井関数が一回少なかったけど、それはさいほうでのzが常に整数だから省略されただけであって、調理や木工と同じように表記してもいいということになるわ」
雨月「鍛冶も温度をxではなくcとして、x=0.5+0.0005cと定義すれば、このw⌈z⌈x⌈ny⌉⌉⌉型に落とし込めるで~。生産系職人の共通点は「nは12~18の自然数」に始まり「計算式は原則としてw⌈z⌈x⌈ny⌉⌉⌉と表現できる」に終わるというわけやな」
(6月27日追記)
焼き戻し関連の加筆をしました。3章は全部加筆で、4章も加筆が多いで~す。
これは相当複雑そうなので、研究はまだ始まったばかりで~す。
そして題名とカテゴリーから「コンプリート」を外しました。
(8月19日追記)
焼き戻しの調査が完了したので、第3章では中途半端に終わっていた研究報告の部分を削除し、その部分の内容を膨らませた記事を8月24日発表用記事としました。
そして題名とカテゴリーに「コンプリート」を復活させました。