ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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調理職人における「焼き戻し」の研究

0.経緯

 2ヶ月前、通称『魔人本』の256ページを元に「調理職人における「焼くチカラ」の数値の法則を見抜いたので、計算式を作りました」という記事を書きました。

 他の職人での類似の作業は先に全部終わっていたので、「これでギルドの計算式はコンプリートだ!」という気分になりました。

 ところがそのほんの三日後、『魔人本』当時には存在しなかった「焼き戻し」という特技が今では存在していることを思いだし、大急ぎで調査を再開しました。

 すると「半熟封じ」と「焼き戻し」の効果が被った場合、極めて複雑な作用が発生していることに気づきました。

 これは一朝一夕で解決できる問題ではないということになったので、まとまった実験時間がとれる日まで「調査中」ということにして課題を先送りすることにしました。

 それから約2ヶ月後、ようやくまとまった時間がとれたので実験を再開しました。

 本稿はその結果報告で~す。

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1.半熟封じも完熟封じもしていないときの焼き戻し

 あらゆるマスのあらゆる焼き加減において、-16から-12までの連続する五通りの整数となりま~す。これらを"m"と定義しま~す。

 特技としての焼き戻しだけでなく、レシピの特性によって4ターンまたは8ターンごとに強制的に発生するメーター減少も、mと同じ数値で~す。それについては『魔人本』255ページですでに明かされていました。

2.焼き戻し開始の直後の、半熟封じと焼き戻しの相乗

2-1.「焼き戻し開始」の定義

 後知恵で判明していったことですが、ここでいう「焼き戻し開始」の定義は複雑で~す。

 当然ながら基本的に想定されているのは、半熟封じ状態の料理の上に、特技「焼き戻し」をした場合で~す。

 焼き戻し効果の続いていたマスにあった半熟封じ状態の料理の上に、さらに特技「焼き戻し」をした場合も含みま~す。

 焼き戻し効果の続いていたマスに、半熟封じ状態の料理を別の焼き戻しではないマスから運んできた場合も含みま~す。

 ただし、焼き戻し効果の続いていたマスに、半熟封じ状態の料理を別の焼き戻しマスから運んできた場合は含みませ~ん。その場合はどういうわけか第3章の数値になるようで~す。

2-2.本題

 あらゆるマスのあらゆる焼き加減において、-8から-6までの連続する三通りの整数となりま~す。

 特技としての焼き戻しだけでなく、レシピの特性によって4ターンまたは8ターンごとに強制的に発生するメーター減少も、-8から-6までの三通りの整数で~す。これについても『魔人本』255ページですでに明かされていました。

 そして実験したところ、-8の頻度だけ低かったで~す。

 よって、mを構成する-12と-13が-6と化し、-14と-15が-7と化し、-16のみが-8化していると思われま~す。

 以上により、以下の式が多分正解で~す。

{\displaystyle\begin{equation}{\large \lceil 0.5m \rceil }\end{equation}}

2-3.半熟封じと同時開始のケース

 レシピの特性によるメーター減少とその直前の半熟封じとを併用すると、本章で扱った「焼き戻し開始直後」と次章で扱う「半熟封じ開始直後」とを兼ねたような状態にできま~す。

 実験したところ、そのような場合は本章前節の計算式と同様の結果となりました。

 だから次章の題名に「前章の場合を除く」と入れました。

3.前章の場合を除く半熟封じ開始の直後か、焼き戻しマスから焼き戻しマスへと移動した直後の、半熟封じと焼き戻しの相乗

3-1.「半熟封じ開始」の定義

 これも後知恵で判明していったことですが、ここでいう「半熟封じ開始」の定義も複雑で~す。

 当然ながら基本的に想定されているのは、前のターンまで半熟封じではなかった料理、すなわち封じられていない通常状態の料理または完熟封じ状態の料理に、特技「半熟封じ」をした場合で~す。

 そして焼き戻しのときと違い、すでに半熟封じ状態の料理に重ねて特技「半熟封じ」を使った場合は含みませ~ん。その場合は第4章の数値となりま~す。

3-2.調査手法

 特技「半熟封じ」の直後には第4章で見るような普通の相乗の場合とは異なる数値になることは経験から知っていたので、3種類のマスの3種類の温度の計9パターンのマスで、それぞれ6回「焼き戻し」→「半熟封じ」をしてその直後の数値を記録しました。その成果が3-3で~す。

 やや試行回数が少なめとも感じましたが、既発見の式が何らかの形で作用している可能性が高かったので、まずはこの程度の資料を元に考えることにしたので~す。

 そうしてその数値群と矛盾しないような計算式を、前掲記事から前章までの知見から導き出せないかを考えました。その成果が3-4で~す。

 こうしてできあがった計算式に矛盾するような数値が出るかどうかランダムで100回ぐらい試しましたが、すべてうまくいきました。それどころか3-3では採取できなかったような理論上ギリギリ許されるような値も次々に出てくれて、ますます計算式に自信を持てました。

 そしてこの計算式が、前章で例外とした「焼き戻し効果の続いていたマスに、半熟封じ状態の料理を別の焼き戻しマスから運んできた場合」の結果とも矛盾しなかったのは、まったくの偶然で~す。

3-3.データ採取

3-3-1.強マス

3-3-1-1.強マスの強火焼き

 0・-3・0・-1・-3・0

3-3-1-2.強マスの中火焼き

 -7・-6・-8・-6・-8・-4

3-3-1-3.強マスの弱火焼き

 -10・-10・-9・-8・-10・-10

3-3-2.中マス

3-3-2-1.中マスの強火焼き

 -10・-10・-6・-10・-8・-6

3-3-2-2.中マスの中火焼き

 -12・-10・-10・-11・-10・-8

3-3-2-3.中マスの弱火焼き

 -10・-11・-12・-13・-12・-10

3ー3-3.弱マス

3-3-3-1.弱マスの強火焼き

 -9・-12・-11・-10・-12・-10

3-3-3-2.弱マスの中火焼き

 -10・-10・-11・-12・-13・-12

3-3-3-3.弱マスの弱火焼き

 -15・-11・-11・-11・-12・-12

3-4.計算式作成

 本章で出てきた数値はどれも、普段焼き戻しをせずに「半熟封じ」で焼いた数値に、mを加えた数値の範囲内に、ピタリと収まりました。

 またこの実験中に「会心」は一度も起きませんでした。

 よって普段の式に「会心ではないこと」を意味する"w=1"と「半熟封じ」を意味する"x=0.5"を代入した⌈z⌈0.5⌈ny⌉⌉⌉に、mを加えればいいということになりま~す。

{\displaystyle\begin{equation}{\large \lceil z\lceil 0.5\lceil ny \rceil \rceil \rceil + m }\end{equation}}

3-5.その計算の結果として、有り得る数値

3-5-1.強マス

3-5-1-1.強マスの強火焼き

 -7 ~ 2

3-5-1-2.強マスの中火焼き

 -10 ~ -3

3-5-1-3.強マスの弱火焼き

 -13 ~ -7

3-5-2.中マス

3-5-2-1.中マスの強火焼き

 -11 ~ -2

3-5-2-2.中マスの中火焼き

 -13 ~ -4

3-5-2-3.中マスの弱火焼き

 -14 ~ -9

3ー5-3.弱マス

3-5-3-1.弱マスの強火焼き

 -13 ~ -8

3-5-3-2.弱マスの中火焼き

 -14 ~ -9

3-5-3-3.弱マスの弱火焼き

 -15 ~ -10

4.前章までの場合を除く、半熟封じと焼き戻しの相乗

4-1.調査手法

 基本的に3-2の説明と同じ作業をしました。

4-2.データ採取

4-2-1.強マス

4-2-1-1.強マスの強火焼き

 4・5・6・6・4・2

4-2-1-2.強マスの中火焼き

 1・0・0・0・1・1

4-2-1-3.強マスの弱火焼き

 -1・-3・-4・-3・-2・-1

4-2ー2.中マス

4-2-2-1.中マスの強火焼き

 1・0・-2・-2・-1・-2

4-2-2-2.中マスの中火焼き

 -2・-3・-2・-2・-4・-4

4-2-2-3.中マスの弱火焼き

 -5・-4・-5・-5・-4・-5

4-2-3.弱マス

4-2-3-1.弱マスの強火焼き

 -4・-4・-5・-2・-4・-2

4-2-3-2.弱マスの中火焼き

 -5・-5・-5・-4・-4・-4

4-2-3ー3.弱マスの弱火焼き

 -7・-6・-5・-5・-5・-5

4-3.計算式作成

 本章で出てきた数値はどれも、普段焼き戻しをせずに「半熟封じ」で焼いた数値に、第2章で出てきた⌈0.5m⌉を加えた数値の範囲内に、ピタリと収まりました。

 またこの実験中に「会心」は一度も起きませんでした。

 よって普段の式に「会心ではないこと」を意味する"w=1"と「半熟封じ」を意味する"x=0.5"を代入した⌈z⌈0.5⌈ny⌉⌉⌉に、⌈0.5m⌉を加えればいいということになりま~す。

{\displaystyle\begin{equation}{\large \lceil z\lceil 0.5\lceil ny \rceil \rceil \rceil + \lceil 0.5m \rceil }\end{equation}}

-4.その計算の結果として、有り得る数値

4-4-1.強マス

4-4-1-1.強マスの強火焼き

 1 ~ 8

4-4-1-2.強マスの中火焼き

 -2 ~ 3

4-4-1-3.強マスの弱火焼き

 -5 ~ -1

4-4-2.中マス

4-4-2-1.中マスの強火焼き

 -3 ~ 1

4-4-2-2.中マスの中火焼き

 -5 ~ -1

4-4-2-3.中マスの弱火焼き

 -6 ~ -3

4ー4-3.弱マス

4-4-3-1.弱マスの強火焼き

 -5 ~ -2

4-4-3-2.弱マスの中火焼き

 -6 ~ -3

4-4-3-3.弱マスの弱火焼き

 -7 ~ -4

5.恒例の座談会

夕月夜「元記事より文字数の多い追加記事、お疲れさまでした。これで本当の意味でギルドの計算式を見抜く作業が終わりましたね」

暁月夜「このシリーズ恒例の座談会もこれで終わりかと思うと、少し寂しいぜ」

雨月「新しい特技が追加されたら、また続編があるかもしれんで~。この記事自体がそういう性質のものやし」

夕月夜「さて本題で~す。運営はどうして焼き戻しと半熟封じの相乗だけ、こんなに複雑にしたんでしょうね?」

雨月「これは雨月なりの想像にすぎんのやが、レシピ特性による1ターンだけのメーター減少システムの影響がありそうやな。何か作業をした直後の1ターンだけ、式がおかしくなっとるんやから」

暁月夜「意図的な複雑化ではなく、仕様上の限界から仕方なくこうなったというわけか。もしそうならば、不具合の一種としていつか修正されるかもな」

夕月夜「その日が来たらこのせっかくの研究成果も水の泡ですわ~」

雨月「正解値がいつも一定の木工ギルドやさいほうギルドならばともかく、正解値が毎回揺れ動く調理ギルドでこんな複雑な式や表を参照しながら調理する冒険者なんてほぼおらんやろう。修正されたところで世の中にとっては、どーせほぼ同じことや」