ポルテの観測によると、南のアマラーク地方のシュタール鉱野は、「はじまりの地」のあったレストリア地方よりも一層創生のチカラが弱いようでした。でもさらに南下すると、またチカラが濃くなってきたようでした。
川辺の休息所では、町を見つけたものの門番に追い返された南方面小隊が為すすべもなく立ち尽くしていたので、合流しました。
野営をすることになったのですが、ジーガンフは木工職人だったらしく即興で「じょうぶな釣りざお」を作り、手持ちの「ぎんのルアー」とセットでくれました。「アイテムの歴史」を見ても「ジーガンフが作った」とか「ジーガンフがくれた」などの記述がないので、ずっととっておく必要もありませ~ん。
現地のさかな、ゼニアスマスが釣れた~。食べられるのかどうかは不明ですが。
このゼニアスマスの解体はジーガンフがやってくれました。ギルドの兼業はご法度ですが、「調理」でなく「料理」ならば、木工職人にもやることが許されているんですね~。
その後に採取したキノコは、ジーガンフによるとアストルティアにもある「マガマガタケ」でした。毒があるけど、処理すれば食べられるんだそうです。ところで繰り返しになりますが、未知のさかなであるゼニアスマスの心配はしなくていいのでしょうか?
ジーガンフの思い出話を聞きながら夕飯を食べていると、「なぞの黒騎士」なる人物がこちらの正体を見極めるために戦いを仕掛けてきました。
我々が「フーラズーラ」とやらに見えないという理由から最初からある程度は信用していたようですが、ある程度ダメージを与えると完全に信用したらしく、アマラーク王国のイルシームだと自己紹介した上で入国の便宜をはかってくれました。
ここで、アマラーク人は種族といえば人間しかいない世界の住民なので、オーガのジーガンフが奇異な目で見られるであろうという話になりました。
一方で星月夜隊長の種族については特に話題にならなかったので、おそらく人間に見えているのでしょう。この成果を踏まえ、過去記事「最近また強調された「主人公の外見は時代・世界ごとに決まる」設定の再確認と、その例外ルールについて」に追記をしました。
この見慣れぬ文字ですが、スラスラ読めました。
6.0で魔族になったときも学んだことのない魔界文字が読めたので、この世界の文字というのは特定の生物が持つ先天的な読解能力に訴えかけるように作られているのかもしれませんね。
アマラーク城に着くと「フーラズーラ」の脅威を目にしました。突然どこにでも出現する量産型のモンスターであり、イルシームが国王リズクから預けられている国宝「黒槍クバーラト」以外の攻撃が全部すり抜けてしまう相手らしく、今回はイルシームが間に合ったものの、大昔から人がしばしば食われてきたのだそうで~す。
「あらゆる攻撃がすり抜けてしまう敵」についてはサブストーリー「魔物たちの挽歌」で実体化の技法が確立していますが、このフーラズーラはゴリウスの怨霊と違っていつどこに出現するか不明であり、しかも折角苦労して一匹倒してもあまり意味がないということで、ゴリウスの怨霊問題の強化版として優れた設定だと思いました。
アマラーク史を総合すると、ほぼ滅んだ世界であるゼニアスでかつて遊牧を続けながら、珍しく野菜が育つ定住の地をようやく見つけた民族のようでした。職業としてはフーラズーラの襲撃において民の身代わりになる兵士こそが最も尊敬されているらしいで~す。女性は法律で兵士になれないものの、人口が増えてきた現代ではこの法律を見直す動きもあるのだとか。
城でさらに情報を集めたところ、先王は武勇にも優れていたとか、イルシームの活躍のおかげで兵士余りの時代になってきているとか、現王リズクは民が委縮しないように意図的に贅沢をしているけれども性欲の強さだけは本心とか、色々聞けました。
さらに対フーラズーラ戦に協力すると決めてからそれに特化した情報を集めました。アマラーク人の祖先がここに住み着いたのは300年前であり、その時点でフーラズーラの存在を示唆する警告文と黒槍は遺されていたのだそうで~す。そして200年前からフーラズーラの襲撃が始まり、20年前からイルシームのおかげで犠牲者が激減したのだとか。あとイルシームの休憩中は、アドハムとシャムスというコンビが黒槍を使うのだそうで~す。
以上を勘案してメレアーデが考えた案は、ドゥラに黒槍のレプリカを作らせるというものでした。この案は過去には何度も失敗に終わったらしいのですが、異世界の物質があれば何とかなるかもしれないという話になりました。
この案のために動いている最中、イルシームが少年時代に山賊団の一員であったことや、先王に敗けてから忠義ある国民になったことや、先王は幼いリズクを守って死んだことなどの設定が語られました。
さて、近在の物質を調べた結果アストルティアのものとほぼ一致してしまった一方で、黒槍はドゥラにとっても未知の物質だったため、この案は没となりました。
ところがその結果を確認している会議の最中、黒槍の作成者の子を自称する「ラキ」なる少年が突然現れ、ハディン採石場の奥で黒槍の仕組みを全部教えると語り、またすぐ消えてしまいました。
他に手掛かりもないので、藁にも縋る思いでハディン採石場に行きました。ラキを信じていないジーガンフすら、「ミミックを恐れていては 宝箱を開けられない」という諺を根拠に採石場行きに賛同しました。
現地でラキから聞いたところによると、黒槍がフーラズーラに効くのは創生のチカラを強く宿しているからであり、創生のチカラを加えた攻撃なら他の方法でもフーラズーラに勝てるとのことでした。
武闘家として「気」を学んできたジーガンフはこれですぐにフーラズーラに勝てるようになり、星月夜も一戦してすぐにその奥義のコツを会得しました。
ラキによると、フーラズーラは何度もアマラーク城を使って人間を養殖しては食い尽くしてきた連中らしいで~す。そして今まさに、アマラークも過去の住民たちと同じ目に遭いかけているのだとか。これは大急ぎで助けないと…。
アマラークを襲っていたフーラズーラの大軍は、この親玉の「アズ・フーラズーラ」を倒すと一気に去っていきました。
ジーガンフはフーラズーラを倒せる戦い方を指南すると宣言しましたが、兵士も民衆も心が折れてしまい、誰も弟子入りをしようとしませんでした。
でもそこへリズク王が現れ、一人目の弟子になる姿を国民の前で疲労しました。すると老若男女が一気にそれに続きました。
そしてこれを機に、「命を犠牲にして民を守る男性の兵士が一番偉い」という古い価値観も変わり始めたようでした。
これは地球の歴史における、「銃火器の普及による市民革命」のアナロジーです。
かつては武力は高価な武器と防具を持ちその訓練をする余力を持った特権階級に独占されており、その時代の特権階級と一般人の身分の差は相当なものでした。
しかし性能の良い銃火器が比較的安価かつ大量に出回るようになると、一般人をなるべく多く囲い込んだ勢力の発言力が増すようになりました。こうして人の戦力的な価値が質より量となったことで、政治・思想においてもそれを背景に平等主義や民主主義の影響力が高まっていったので~す。
「王」という立場の存在は、地域によってはこの流れに抵抗して倒される側にもなりましたが、むしろこの流れに乗ってかつて自分に匹敵していた諸勢力を打ち破る側にもなりました。
老若男女の誰もが学べるジーガンフ流の対フーラズーラ武道の出現は、地球において旧来の身分制や男尊女卑といった価値観を弱めた「銃」の普及に非常に似ており、リズク王はこの機運を上手に活用するタイプの王だったというわけで~す。
こうして南方の人々を救ったことで星月夜は「星のオーラ」を得ました。
ジーガンフはこのままアマラークに残って武術を伝えていくことにしたようでした。