ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2017/12/31/000000)がオススメで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

剛勇のベルトのおもさ理論値が完成しました~。もちろん伝承もしましたよ~。

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 剛勇のベルトのおもさ理論値が完成しました~。

 そしてもちろん、四年間以上タンスの肥やしだったハイドラベルトのおもさ理論値*1も伝承に使いましたよ~。

50種類時代の戦神封印メモその2 改変の理由は万魔の塔と5.1の新仕様

0.はじめに

 「50種類時代の戦神封印メモその1」はそれなりに自信作だったのですが、万魔の塔が公開されたことにより事情が大いに変わってきました。そしてさらに5.1の新仕様の発表を受けて、封印の再考を決意しました。

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1.万魔の塔による事情の変化

1-1.扇の雷

 まず自分にとって最大の変化は「扇の雷」の価値で~す。

 星月夜は万魔の塔には扇の天地雷鳴士でいくことが多いのですが、土の「めいどうふうま」では中心となる敵を選ぶのに苦労しま~す。せっかく選んだ相手が先に誰かに倒されてしまうと、発動までの時間が一気に無駄になりますから。でも雑魚が大量に沸いている中で慎重に選びすぎると、それはそれで時間を無駄にしてしまいま~す。

 そんなとき便利なのが、「いなずま」なので~す。

1-2.扇の光と闇

 続いて万魔の塔のせいで「扇賢者」への認識を改めました。

 「賢者といえば両手杖」という発想で一度は軽視した扇賢者ですが、それは「壁」が存在するのを前提にしたものでした。

 雑魚が四方八方から大量にわいてくる万魔の塔では、壁ではなく盾で生存しつつ隙を狙ってはイオ系やドルマ系で反撃をすべきでした。

1-3.鎌の炎と氷

 デスマスターで炎と氷の呪文を連発するという状況が想定できず、いったんは軽視した鎌の炎と氷ですが、やはり万魔の塔で考え方を変えさせられました。

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2.新仕様による事情の変化

2-1.鎌の風

 これからはスーパースターは鎌を装備してバギ系を撃つことが期待されるようですね~。なのでこれも解禁したいと考えました。

2-2.オノ全般

 ここまでは全部解禁したい部門の話でしたが、これだけは逆に封印したい部門で~す。

 オノについては、戦士なら両手剣のほうが便利でまもの使いならツメのほうが便利であったため、レンジャーで近接戦闘をするという限定的状況下でしか使っていませんでした。

 そしてそのレンジャーが今後は特別に強力なツメスキルを得るわけですから、今後はますます使わなくなるでしょう。

 そこで思い切ってオノ関連を全部封印することにしました。

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3.結論

3-1.計算と調整

 上述の文章をまとめると、新たに封印したい効果はオノの7種、新たに解禁したい効果は扇の3種と鎌の3種の計6種ということになりま~す。1のズレがありますね~。

 そこで元々悩んだ末に封印していた盾のピオラを解禁することで、調整をしました。

3-2.封印一覧表

※スティック 全部 計7種

※両手杖 風・雷・土 計3種

※オノ 全部 計7種

※ハンマー 土以外 計6種

※棍 氷以外 計6種

※扇 氷・風 計2種

※ムチ 全部 計7種

※ブーメラン 全部 計7種

※鎌 雷・土・光 計3種

※盾 マホトラマホターン 計2種

クロニコの正体と目的を今こそ考える。

0.はじめに

 2.1後期以来、主人公との共同研究を通じて5000年前の世界の歴史を探求し、「5000年の旅路」の予告編的な機能を果たしてきたヒストリカ博士ですが、いざ4thディスクの物語が始まるとほとんど活躍の機会はありませんでした。

 今ではヒストリカも助手のクロニコもすっかり「過去の人」の扱いで~す。

 しかしながら星月夜は、まさにそうした傾向自体も一つの資料として使いつつ、「ヒストリカとその研究とは何だったのか?」について考察を深めていました。

 そうするうちにクロニコこそが真の重要人物であるという疑惑が深まっていきました。

 本日は彼の正体と目的について考えたことを発表したいと思いま~す。

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1.出発点はクロニコの名前

 クロニコの語源としては、クエスト「流星の追憶」の紹介記事で、「年代記」を意味する英語の"chronicle"(クロニクル)を挙げました。

 しかし発音場の類似性を考えるに、直接の語源はこの単語の先祖であるラテン語の"chronica"(クロニカ)であると今では思っておりま~す。意味はやはり「年代記」で~す。

 そしてこの単語をさらに遡ると、古典ギリシア語の時間の神"Χρόνος"(クロノス)に行きつきま~す。

 これは4thディスクのラスボスである時見の箱ことキュロノスの語源でもありま~す。

 こういう名前を持つ人物が、4thディスクの予告編的な物語に絡んだのが、ただの偶然である可能性は低いでしょう。

 そこで「彼もまた何らかの意味でキュレクスの関係者の一人であり、何らかの目的のためにヒストリカを利用している」という仮説を立て、これを出発点とすることにしました。

 なおクロニコの名前についてはのちにもう一度検討するので、覚えておいてくださ~い。

2.ヒストリカの業績から考える、クロニコの目的

 クロニコがキュレクスの関係者でヒストリカを利用していると考えた場合、その真の目的のための手段はヒストリカの業績で~す。

 そのヒストリカの業績から考えると、クロニコの目的はパドレの子に5000年前の歴史と自分の出自を自然な形で伝えることにあったかと思われま~す。

 そのようにすることで、5000年前の世界での冒険やパドレとの和解が容易になり、少しでも主人公のキュロノスに対する勝率が上がるとでも考えたのでしょう。

 4.0になる前にヒストリカの研究の進展が止まったのも、クロニコが主人公に伝えたかったことが全部伝わったために、影ながらの研究への助力を中止したのだと考えれば、納得がいきま~す。

3.直接本人が活躍しない理由

 クロニコが主人公に4.0の予習をさせる使命を帯びていたとして、なぜ自身で主人公に伝言をするという直接的な手段を用いず、ヒストリカを利用するという間接的な手段を用いたのかを考えてみました。

 これはおそらく、クロニコ本人はキュレクスの分身ではないからでしょう。だから自力での時見や時渡りができず、使命についても大まかなことしか知らないがゆえに、「研究発表」の形で全世界に5000年前の歴史とパドレの子の名前を広めようとしていたのだと考えれば、辻褄が合いま~す。

 でも時渡りの才能のない者が時渡りをしたことで主人公の兄弟姉妹と同じく成長が止まり、「自身が普通に学校に通って、やがて大人の研究者としての資格と権威を得て、世間にメッセージを伝える」という手段が取りにくかったので、ヒストリカを利用したのだと思いま~す。

 クロニコの「年齢の割に大人びている」という設定は、実は主人公の兄弟姉妹と同じく「外見上の年齢の割に大人びている。なぜなら中身は本当に大人だから」という真相の伏線だったと考えれば、完全に辻褄が合いますね。

4.補強証拠としてのワラタローと黒衣

 この「ヒストリカは、クロニコの操り人形である」という仮説を補強してくれるのが、ワラタローで~す。

 運営はヒストリカと操り人形のワラタローの強い結びつきを何度も強調することで、「この研究者は操り人形であり、別に人形遣いがいるぞ」というヒントをくれていた可能性がありま~す。

 そして日本の文楽で黒い服を着て人形遣いをする人のことを、「黒衣(くろご)」といいま~す。「くろこ」という不正確な発音も流行しておりま~す。

 すなわち「クロニコ」には、ラテン語「クロニカ」の他に、日本語「くろご」または「くろこ」が元ネタとしてあると考えることができま~す。

 さらに、キュロノスの側には四体のプレゴーグを操る「黒衣の剣士」がいて、それに立ち向かう側にもライバルとしてヒストリカを操る「黒衣」がいると考えれば、非常に対称的な対立構造ができあがりますね~。

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5.傀儡としてヒストリカを選んだ理由

 クロニコが世界を破滅から救うために現代の学者を傀儡として利用するにしても、なぜそれがヒストリカでなければならなかったのか、という問題が出てきま~す。

 これについては「ヒストリカが、リンジャハルやパドレの研究者としてうってつけだった」という説明が可能で~す。

 学者に一つの研究テーマに打ち込ませるには、本人がその分野に強い興味を持たなければなりませ~ん。

 たとえばライバルのロッサム博士が「古き神の遺跡」の研究に打ち込んでいるのは、本人が神学者でもあるからでしょう。これについては以前「ロッサム博士の経歴について」という記事で検証しました。

 さて、『アストルティア創世記』の7ページによれば、リンジャハルは「町をおこしたのは、レンダーシア内海の航路を確立した「商売の怪物」と呼ばれる女商人」なのだそうで~す。

 ヒストリカは実家が貿易商であり、幼少期から貿易というものを肌で理解してきたからこそ、この都市の歴史をテーマに選ぶことへの敷居が低くなった可能性が高いですね~。そして貿易で栄えた海洋都市を研究することは、やがて研究者をやめて実家の貿易業者の役員になったあとも、何かしらの役に立つことでしょう。こうした人生設計における保険という観点も、頭の片隅にあった可能性がありま~す。

 そしてリンジャハルの歴史の中でも、ヒストリカがとりわけ最後の市長リンジャーラとその友人のパドレに関連する事績に惹かれていったのは、「友情」というものに強い興味を持っていたからで~す。

 クロニコまたは彼に使命を与えた者は、そこまで考えてヒストリカを選んだのだと思いま~す。

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6.クロニコに使命を与えたのは誰か?

 以上の仮説が正しいとして、クロニコに使命を与えて現代に飛ばしたのは誰でしょうか?

 まずキュロノスである可能性は低いですね。彼は時の異分子に邪魔されずに秘密裡に事を進めたがっていましたから。

 そしてキュレクスである可能性も低いで~す。彼は長年力を失っていて、それを取り戻した直後にキュロノスの野望を知り、そのまた直後に死にましたから。

 「ドミネウスの陰謀の正体に気づいた他の王族の誰か」というのも可能性が低いですね~。本人がエテーネ王族として時渡りができるなら、あえて一般人のクロニコを利用するという間接的な手法を採用する必要性が乏しいですから。

 「滅びの未来の回避のために活動していた時期のメレアーデ」も同様の理由から除外で~す。しかもその時点での彼女の場合は「主人公がパドレと和解」まではすでに確定事項でしたから、ますます可能性は低まりま~す。

 すると消去法で、「キュルルを手放す前の兄弟姉妹がキュルルに命じてクロニコに使命を与えて現代に飛ばした」というのが、一番可能性が高そうで~す。この人は滅びの未来の回避が必要なことを認識していた上、自身はエテーネ王族と違って好きな時代に自由に行けるわけではない体質でしたから、いかにもクロニコに頼りそうな立場で~す。

7.まとめ

 クロニコは、主人公の兄弟姉妹から滅びの未来を回避する使命を託されて、主人公に自然な形で4.0の予習をさせにやってきた別の時代の人物であり、そのために最適な藁人形としてヒストリカを利用していた可能性が高い。

 その証拠は、クロニコの名前・クロニコの外見と精神年齢の落差・ヒストリカの活躍時期・ワラタローである。

ドラゴンクエストX アストルティア創世記 (SE-MOOK)

ドラゴンクエストX アストルティア創世記 (SE-MOOK)

 

「伝説の大商人」の称号と立ちかたを得ました。

 バザーに出品した商品が30000回売れ、「伝説の大商人」の称号と立ちかたを得ました。

 これは相当面倒だったので、感無量で~す。

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 せっかくなので、やはり伝説的な商人であるトルネコさんと記念撮影しました~。

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 もう1枚!

バトルロードコイン100万枚突破記念記事。レア敵パーティに関するレアケースの紹介。

 バトルロードコインについては、一生懸命稼いだり節約したりしていなかったのですが、自然に100万枚を突破しました。

 これを記念して、バトルロードで最近体験した不思議な事件を紹介しま~す。

 まずはこの写真をご覧くださ~い。

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 敵パーティの名前がで書かれている場合、BPかコインが特別報酬のどれかの気前がいいものですが、この回の赤のキラークリムゾンはすごーくケチでした。

 いやはや、こういうこともあるんですね~。

 自分の知る限りは初だったので、バグか、5.0以降ならではの仕様なのかもしれませ~ん。

 「いや、こんなの昔からだ!」というかたからの情報もお待ちしていま~す。

レジェンズ装備をコンプリートしました。

 「キラバトエン」のコンプリートに使おうかと迷いながら、バトエンポイントを少しずつ貯めてきました。

 でも長年続けてきた「重そうな武器の不使用縛り」を完全に卒業すると*1、途端にキラバトエンよりもレジェンズ装備のほうが魅力的に見えてきました。

 しかも多くの人のコーデを拝見しているうちに、配色さえ上手に変えればオモチャっぽくない雰囲気も出せるのだと知りました。

 そこで貯まっていたポイントを一気に消費し、装備を先にコンプリートしました。

 まずは1200ポイントで交換できる四品から紹介で~す。

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 レジェンズロッド。

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 レジェンズショット。

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 レジェンズエッジ。

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 レジェンズクロー。

 続いて2000ポイントの四品の紹介で~す。

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 レジェンズシールド。

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 レジェンズソード。

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 レジェンズランス。

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 レジェンズワンド。

 次に2400ポイントの四品の紹介で~す。

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 レジェンズステッキ。まるでハンマーみたいな外見ですね~。

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 レジェンズハンマー。

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 レジェンズブレード。

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 レジェンズアックス。

 最後は2800ポイントで交換できる五品で~す。

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 レジェンズウィップ。

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 レジェンズファン。

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 レジェンズウィング。

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 レジェンズサイズ。

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 レジェンズガード。

 この中でさっそく使ったのがレジェンズエッジで~す。以前二本持っているグラフィアスの内の片方だけの外見を変えたので*2、機会があればもう片方も変えようと思っていたので~す。

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 ジャジャーン。

 ちなみに5.0では短剣の更新をしないことにしたので、グラフィアスにはまだまだ当分現役でがんばってもらいま~す。

でろりん論。ドラゴンクエスト史および『ダイの大冒険』において果たした彼の役割。そしてその代役たち。

0.はじめに

 『ダイの大冒険』の再アニメ化の波に乗り、登場キャラクター「でろりん」について語りたいと思いま~す。

1.ドラゴンクエスト史における「デルパ! イルイル」の役割から考える。

 『ダイの大冒険』は「デルパ! イルイル」の前後編二話の読み切りから始まりました。アンケートでこの話への反応が良好だったからこそ、やがて週刊連載になったといわれていま~す。

 掲載時期は1989年の中旬であり、おそらく実際に描かれたのは『ドラゴンクエストIII』発売日と『ドラゴンクエストIV』発売日のほぼ中間あたりだったことでしょう。

 この話では、でろりん率いる『III』の推奨構成パーティのガラを少し悪くしたような四人組が悪役であり、瀕死になった魔王ハドラーの養生中に穏健化したモンスターを狩り続けて富と名声を得ていました。主人公のダイは、でろりんらの横暴にモンスターたちの特技を活かして立ち向かい、やがては王様もダイのほうが正しいと認めま~す。

 これ以降のドラゴンクエストシリーズでは、モンスターは単純な悪ではなくなり、敵には敵なりの大義があったりとか、人間の醜さが描かれたりとかしていき、作品としての奥行きが深まりました。よってドラゴンクエストシリーズをマンネリやイノベーションのジレンマから救った功績があるといえましょう。

 「このマンガがすごい!WEB」で加山竜司氏が書いたこのリンク先の記事も、より詳細にそういうことを語っているので、オススメで~す。

 ただしこれは、一人の天才漫画家がドラクエを変えたという話ではありませ~ん。もしもアンケートで「勇者と長年評価されてきた男が、モンスターに負けるなんてイヤだ!」とか「絵は気に入ったしドラクエも好きなので長期連載して欲しいが、息子がグレないように徹底的な二項対立型の勧善懲悪の物語にして欲しい!」といった意見が多数であれば、後のドラクエシリーズも『ダイの大冒険』も商業的な理由から内容は初期三部作のマイナーチェンジになっていったことでしょう。

 いわば、初期三部作の単純な正義にそこはかとない違和感を持っていた日本中のプレイヤーが、『少年ジャンプ』のアンケートを通じて新しいドラクエ史の方向性を決めたので~す。

 また、この話の題名の「デルパ! イルイル!」は、直接的には作中のアイテムを使用するときの掛け声ですが、アイテムの使用方法に忠実であるなら、先行する「イルイル!」あってこそ意味のある「デルパ!」なので、この語順には違和感がありま~す。しかしこういう歴史上の役割を知ったうえで考えるならば、「ドラクエの古い約束事の一部から勇気を持ってて、新しい世界にる」という裏の意味もあるでしょうから、その語順に従った可能性が非常に高いで~す。

 題名だけでなく、「デルムリン島」・「でろりん」などの作中の固有名詞でも、とにかく「出る」ことが推奨されてますしね。

 以上から考えるに、ドラクエ史におけるでろりんとは「当時の堀井雄二たちが脱出し乗り越えなければならない過去の自分たちの業績」を象徴していたといえましょう。

 ちなみに、でろりんたちが扮した勇者・戦士・僧侶・魔法使いと並んで多くの『III』のプレイヤーが連れまわして愛着を持っていたであろう「賢者」は、「デルパ! イルイル!」の次の話である「ダイ爆発!!!」で、バロンを通じてその権威を削がれました。

 こういう点からも、初期の『ダイの大冒険』が旧三部作を公式側自らが否定することでイノベーションを狙うための手段であったことがわかりま~す。

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2.『ダイの大冒険』史における、「デルパ! イルイル」の役割から考える。

 長期連載の漫画の中には、やがて内容が原点から遠く離れてしまう作品も数多くありま~す。原点が実験的に掲載された完結型の読み切りという制約の多いものだった場合には、そうなる可能性はさらに高まりま~す。

 しかし『ダイの大冒険』では、その後も何度も「デルパ! イルイル!」のでろりんたちのような人間の醜さが強調され、それを明確に批判する大魔王バーンに一定の大義が与えられ続けました。

 「でろりんみたいな連中が大手を振るっている腐敗した旧体制 VS 極めて単純な弱肉強食の新体制」がこの作品の戦いの構図であるとするならば、でろりんとはバーンが挑むべき「旧体制・旧体制の恩恵を受け続ける人類・旧体制を作った神」を全般的に象徴し続けたといえましょう。

3.でろりんの分身としての、ポップ

 それでも作品を「腐敗まみれの旧体制が勝利したのは、奇矯な新秩序構想に敗北するのよりかは多少マシだったので、一応めでたしめでたし」で終わらせるためには、でろりんの醜さのみならず美しさも描かなければなりませ~ん。

 だからこそ途中で少しだけ改心した姿を見せ、最後には他の誰もどうにもできなかったであろう世界の破滅を回避するという偉業を、そこそこ格好良く成し遂げたので~す。

 しかしこういうキャラの緩やかな進歩の物語を丹念に描いてもマンガとしては中弛みになってしまうので、進歩の動機と過程は読者の想像に委ねるしかありませ~ん。

 そこで代役・分身として使われたのがポップなので~す。

 序盤のポップは、「人間の弱さと醜さを多々持っている雑魚だが、ダイに感化されて自主トレーニングをするという美点の片鱗も見せる。雑魚には分不相応なメラゾーマという才能もある」というキャラでした。「人間の弱さと醜さを多々持っている雑魚だが、島のモンスターの皆殺しを提案するずるぼんを悪党呼ばわりするという美点の片鱗も見せる。雑魚には分不相応なイオラという才能がある」というでろりんと、何と酷似していることでしょうか。またでろりんのメラは一瞬で複数のモンスターを焼いているので、のちにポップが使うことになる「フィンガー・フレア・ボムズ」の弱小版(『X』流にいうなればメラストーム)を体得していた可能性が非常に高いで~す。

 この「少し美点と才能のある雑魚の初期ポップ」が、でろりんの仲間の「まぞっほ」に促成で改心させられて「中堅級戦力の中期ポップ」となりま~す。続いてまぞっほの兄弟子マトリフから厳しい修行を受けたりして、やがては大魔王の目算をも狂わす「救世主級の後期ポップ」となっていくので~す。

 そして読者の多くは、ポップやでろりんに感情移入をして自分も多少は努力をしたり、「作中の人類も現実の人類も弱くて醜いが、美しくなれることもあるので、大量破壊兵器で一層するには惜しい生物だ」という感想を持ったりしたので~す。

 こういう流れを見ることで、「雑魚だった初期でろりんもまた、まぞっほと行動をともにしているうちに、緩やかかつ間接的にとはいえマトリフとまぞっほの共通の師の教えを学び、徐々に成長していったのだろうな~」と読者は想像できるわけで~す。

 「勇者アバンに一年以上師事しても卑怯者だった男が、小悪党のまぞっほに改心させられる」とか「ポップに作中最強の呪文を覚えさせたマトリフは、まぞっほの兄弟子」とか「でろりんが救世主になる最後の一押しの助力をしたのはマトリフ」といった設定を使い、ポップとでろりんの縁を維持し続けたのは、「ポップとはでろりんの代役・分身だった」考えると極めて深い意味があったといえましょう。

4.もう一人の分身であるノヴァとともに、初期五部作を乗り越える。

 「北の勇者ノヴァ」については、登場させる必要のなかったキャラであるという意見がありま~す。しかしでろりんの重要性がわかってくると、その存在意義もわかってきま~す。

 初登場時のノヴァは、「勇者とは一時代に原則として一人だけであり、それ以外はニセ者」という勇者観を持っていました。その上で、自分こそが本物だという自負を持っていました。

 この勇者観はシリーズの『I』~『V』ぐらいのものであり、リアルタイムの読者にもこれに近い考えを持っていた人は多かったことでしょう。

 さらにはロン・ベルクを魔族であるというだけで嫌悪するという点でも、やはりでろりんと同じくロト三部作を引きずっているわけで~す。

 これが戦いを通じて、「勇者は何人いてもいい」・「救われる人がいるなら勇者」というダイが提唱する新しい『VI』的な勇者観に目覚め、行動パターンもそれに応じたものとなっていきました。

 ノヴァの変化を通じて、リアルタイムの読者もまた『VI』的勇者観を受け入れていったと思われま~す。

 そしてノヴァが真の勇者へと成長したのとほぼ同時期に、ノヴァがかつて救えなかった「北」の旧オーザム王国で、でろりんがやはり真の勇者になるので~す。

 「こんな の果てにもちゃんと勇者サマはいるから安心しろい!! …ニセ者だけどなあっ!!!」と、でろりんはわざわざセリフでも「北」を強調しており、また「ニセ者」についても文脈と表情から見るに、悪としての居直りではなく単なる謙遜として使っているようで~す。

 これこそが、ノヴァがポップと並ぶでろりんのもう一人の分身であったことの、何よりの証拠で~す。

 そして真の勇者となったでろりんを阻む相手は、作中唯一の『VI』由来のデザインのジャミラス風のボスでした。

 こうしてノヴァとでろりんと読者は、初期五部作の世界の勇者概念から脱出し、『VI』以降の世界の勇者概念へと軟着陸したので~す。

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5.まとめ

 ここまでの文章は作中の時系列を重視していたので、ここでもう一度でろりんの果たした役割の意義を簡潔に再確認しておきま~す。

ドラクエ史における第一の意義・・・ロトパーティまがいの格好で穏健なモンスターに対して残酷にふるまうことで、『III』から『IV』への橋渡しとなった。作中では仲間ではなかったバロンもこの意味では仲間である。

ドラクエ史における第二の意義・・・勇者とは血統を元に先天的に決定された一名ではないという価値観を分身のノヴァとともに証明し、『V』から『VI』への橋渡しとなった。

※作中での意義・・・分身のポップとともに初期の「卑劣な雑魚」から中期の「人格・実力ともに中堅」へと成長し、さらには後期の「救世主」になることで、人類を滅ぼそうとするバーンに一定の大義を与えると同時にその限界も証明し、作品に深みを与えた。

6.おわりに 新アニメ版への要望

 以上、強烈なでろりん推しの文章を発表しました。

 ここまで読んでくれた人の中には、星月夜が「でろりんを新アニメ版でも絶対活躍させてほしい!」と望んでいると思った人も多いでしょう。

 しかし彼のドラクエ史における存在意義は「ドラクエにおける勇者の概念を、初期三部作や初期五部作の常識で固定化させない」というものだったのですから、今やその歴史的使命は終えているといえましょう。

 また残る作中での意義も、ポップという偉大な代役がいるのですから、無理に本人を出す必要はないとすら思っていま~す。

 加えて存在意義がタイムリーだった旧アニメ版では原作以上に頻繁に登場してくれたのですから、逆にでろりんがいない『ダイの大冒険』もまた、それはそれで面白いかもしれないとすら思っていま~す。

 だから新アニメ版にでろりん関連で望むことは、まず現代において『ダイの大冒険』のどの部分を強調すべきかを決め、かつ上述のでろりんの意義をしっかり知ったうえで、目的に照らして的確にでろりんの扱いを決めてほしいということで~す。