ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

夕月夜の読書

夕月夜の読書 笹沢佐保著『木枯し紋次郎』シリーズ その4

今までの底本は光文社文庫でしたが、ここからは原則として新潮社です。諸般の都合により「悪女を斬るとき」だけ単行本であり、他は新潮社文庫です。 ※16.『帰って来た木枯し紋次郎』 16-1.「生きている幽霊」 嘉永2年陰暦11月10日ごろ~同3年陰暦4月…

夕月夜の読書 笹沢佐保著『木枯し紋次郎』シリーズ その3

※第11巻 11-1.「白刃を縛る五日の掟」 天保11年梅雨明け 信州刈谷原→千曲峠 今回は新しい趣向の弱体化の物語。固い契約により、五日間は脇差を抜いてはならないという立場に追い込まれてしまいました。 11-2.「雷神が二度吼えた」 天保11年晩夏 …

夕月夜の読書 笹沢佐保著『木枯し紋次郎』シリーズ その2

※第6巻 6-1.「錦絵は十五夜に泣いた」 天保10年9月(旧暦8月半ば) 上州渋川 「天保十年九月、旧暦八月の半ばであった」という表記が登場しま~す。素直に解釈すると、今までの月の設定は全部新暦だったことになりそうです。 6-2.「怨念坂を蛍が越…

夕月夜の読書 笹沢佐保著『木枯し紋次郎』シリーズ その1

夕月夜「本日の文責は、わたくし、夕月夜です」 御姉様の書いた記事「旅の覇者モンジには、「木枯し紋次郎」の他に、もう一人隠れたモデルがいると考えておりま~す」に影響され、『木枯し紋次郎』の一気読みに挑戦しました。 底本は光文社時代小説文庫(199…

夕月夜の読書 清水俊史著『ブッダという男』 & 大きな影響を受け埴谷雄高の『死霊』等を再考する星月夜のメモ

夕月夜「前回から一年以上経過してしまいましたが、本日は話題の新書『ブッダという男』を紹介し、各部ごとにゲストと雑談をしていきま~す」 暁月夜「ゲストは東洋思想に関心のある暁月夜です」 星月夜「興味を持って二人の話を聞きに来た星月夜です。最後…

夕月夜の読書メモ 薮下紘一訳『スウェーデン民話名作集III』収録「こりない老婆」 『蜘蛛の糸』や「一本のネギ」に似た話

はじめに 薮下紘一訳『スウェーデン民話名作集III』に収録された「こりない老婆」という話は、お姉様が紹介した芥川龍之介の『蜘蛛の糸』*1やその原型である"The Spider-web"*2、さらには私が紹介した『カラマーゾフの兄弟』の作中話「一本のネギ」*3に似た…

夕月夜の読書メモ 高野史緒著『カラマーゾフの妹』

お久しぶりで~す、夕月夜で~す。 かつて私はこのブログをお借りしてドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』(以下、『兄弟』と表記)の読書メモを三回にわたって書きました。そのリンクをまず貼っておきま~す。 「第1~3篇」・「第4~8篇」・「第…

夕月夜の読書メモ ホイジンガ著『ホモ・ルーデンス』

夕月夜「本日は遊び人の職業クエストの紹介記事でお姉様が紹介していた『ホモ・ルーデンス』を読んでいきま~す。中公文庫の高橋秀夫訳は2019年に新しい版が出たそうですが、古い版しか実家にないのでこれに全面的に頼りま~す」 暁月夜「以下は私も一緒にな…

夕月夜の読書メモ ホッブズ著『リヴァイアサン』第3部・第4部 & そして明らかになるブルラトスとミナデインの意味

第3部 キリスト教のコモン-ウェルスについて 3-32 キリスト教の政治学の諸原理について キリストもいっているように、奇蹟をおこなう偽預言者というものも存在する。だから予言者と偽預言者の区別は難しい。しかも近年では奇蹟自体が起きていない。 よ…

夕月夜の読書メモ ホッブズ著『リヴァイアサン』第2部

第2部 コモン-ウェルスについて 夕月夜「「コモン-ウェルス」って、書くのが面倒なのと序章で著者自身が別名として「ステート」を挙げているので、このメモでは目次以外では主に「国家」と書いておきますね。その原初的なものを意味するときは「共同体」…

夕月夜の読書メモ ホッブズ著『リヴァイアサン』序文・第1部

暁月夜「最近『リヴァイアサン』に興味を持ったのだが、姐御に色々質問しても「自分で読め」という反応が多い。私は「暁」という名前のとおり西洋畑は苦手なので、夕月夜殿の助力を借りに参った」 夕月夜「私も興味があったので、ここは協力して読んでいきま…

夕月夜の読書メモ 吉川英治著『新・平家物語』 その2

14.くりからの巻 源義仲が平氏の追討軍を撃退して北陸を支配するまでの話。 かねてより義仲をめぐっては幼馴染の巴と地方豪族の娘の葵の二人が寵を平和的に競っていたが、義仲は葵の部下の山吹にも手を出す。葵は怒って山吹の身分を雑兵に落とし苦しめる…

夕月夜の読書メモ 吉川英治著『新・平家物語』 その1

夕月夜「オリンピックの開会式に関する記事で登場した後白河法皇に興味がわいたので、吉川英治著『新・平家物語』を読んでメモをとっていきま~す。底本は1976年に講談社から出た吉川英治文庫の96~111巻の全16冊で~す。史実や『平家物語』(以下、『旧』と…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『罪と罰』第5~終篇

第5篇 5-1 ドゥーニャの元婚約者のピョートル・ペトローヴィッチ・ルーヂンが宿泊していたのは、偶然にもアンドレーイ・セミョーノヴィッチ・レベジャートニコフの家であった。 カテリーナ・イワーノヴナが夫の追悼式を見栄を張って豪華にしているのを知…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『罪と罰』第3・4篇

第3篇 3-1 ピョートル・ペトローヴィッチ・ルーヂンへの対応をめぐり、母プリヘーリヤと妹ドゥーニャはラスーコリニコフを責める。 しかしラズーミヒンがしっかりラスコーリニコフの面倒を見ると主張して上手に二人の信頼を得たため、二人は丸め込まれる…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『罪と罰』第1・2篇

夕月夜「前回に続いて、ドストエフスキーを読みま~す。今回は『罪と罰』で~す。きっかけは姉の書いた「『罪と罰』で読み解くリベリオ ―― 強力な暗号「そうニャ」の秘密。そして思想的元凶は……」という記事で~す。底本は中村白葉訳の岩波文庫で~す。前回…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』第9~13篇

第9篇 予審 9-1 ピョートル・イリッチ・ペルホーチンがホフラコワ夫人から「ドミートリイに金を貸さなかった」という一筆をとりにいき、そこで大いに気に入られ、のちの出世の足掛かりになったという話。 9-2 事件の起きた夜、ミハイル署長の家には、…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』第4~8篇

第4篇 破裂 4-1 ゾシマの昨日の予言どおり、ホフラコワ夫人に奇跡が起きる。 僧たちの多くはゾシマの死後にさらに偉大な奇跡が起こるに違いないと思い込む。 ゾシマはアレクセイに対し、最後の遺言はとっておいてやるので、まずは外で家族に対する義務を…

夕月夜の読書メモ ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』第1~3篇

お久しぶりで~す、夕月夜で~す。 今回読む本は『カラマーゾフの兄弟』で~す。姉の書いた「『大審問官』と「大審門」の関係 そして明かされるモーモン王国と「荒野」の真実」という記事に影響を受けて読み始めました。 ロシア文学は人名がややこしくて挫折…

夕月夜の読書メモ 吉川英治著『私本太平記』

1.底本 1990年に講談社から「吉川英治歴史時代文庫」の一部として出版されたシリーズを読みま~す。 2.今回のメモの特徴 人物紹介を多少重視した「あらすじ」を書いていくことで、人間関係や話の流れを理解したいと思いま~す。時々余談もいれま~す。 …

夕月夜の読書メモ 井上靖著『おろしや国酔夢譚』

ごあいさつ みなさんこんばんは、夕月夜です。 私の姉は幼いころから病弱であったため、長年寝転がって本ばかり読んでいました。そしてその読書で得た知識を用いてしばしば私に対してマウントをとってきます。 私も最近ではさすがに悔しくなってきたので、せ…