ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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夕月夜の読書メモその3-1 ドストエフスキー著『カラマーゾフの兄弟』

 お久しぶりで~す、夕月夜で~す。

 今回読む本は『カラマーゾフの兄弟』で~す。姉の書いた「『大審問官』と「大審門」の関係 そして明かされるモーモン王国と「荒野」の真実」という記事に影響を受けて読み始めました。

 ロシア文学は人名がややこしくて挫折するケースが多いので、このメモは徹底的に登場人物中心で作りました。

 底本は米川正夫訳の岩波文庫ですが、「ワ」に濁点などの容易に再現できない表記が多かったので、人名はwikiの表記を参考に書き換えました。

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第1篇 ある一家族の歴史

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 フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフは絵に描いたような俗物の地主。

 アデライーダ・イワーノヴナ・ミウーソワはその先妻。駆け落ちして結婚するが夫に持参金の大半を奪われる。長男が3歳のときにまた教員と駆け落ちしてペテルブルクへ逃亡し、現地で死亡。

 ドミートリイ・フョードロウィチ・カラマーゾフは長男。三兄弟で彼のみが先妻の子。

 イヴァン・フョードロウィチ・カラマーゾフは次男。

 アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフは三男で、作者の設定上は主人公。

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 グリゴリイ・ワシーリエヴィッチ・クツーゾフカラマーゾフ家の忠僕。アデライーダ出奔後にネグレクトを受けたドミートリイをしばらく育てる。

 ピョートル・アレクサンドロウィチ・ミウーソフはアデライーダの従兄弟。義憤からドミートリイを引き取るが、パリで自由主義の活動をしているうちにすっかりその存在を忘れてしまう。

 ドミートリイは父フョードルを大金持ちだと思い込んだまま育つが、実は過去に受け取った仕送りだけで本来の相続分を越えていると知らされ、それが詐欺ではないかと疑う。

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 ソフィヤ・イワーノヴナはフョードルの後妻。アレクセイが四歳の時に死ぬ。

 ヴォロフ将軍夫人は、ソフィヤの育ての親。ソフィヤ死後にネグレクトを受けたイヴァンとアレクセイを引き取る。

 エフィーム・ペトローウィチ・ポレーノフは、将軍夫人の後継者であり、イヴァンとアレクセイを養育する。

 イヴァンはその文才で十分に生きていける人材に育った上、俗物っぽいところがないのに、なぜか大学卒業後に故郷に戻ってきてしかも父と不思議なほど仲が良い状態である。

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 アレクセイが俗物の父を含めて誰からも好かれる性格であること、中学を卒業せずに故郷に戻ってきたこと、僧院入り志望であることなどが語られる。

 そして彼が最も尊敬しているのがゾシマ長老である。

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 アレクセイとゾシマのさらなる紹介がなされたのち、カラマーゾフ家とミウーソフとゾシマが親睦会をするということが決まる。

第2篇 無作法な会合

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 ミウーソフは親睦会に遠縁のピョートル・フォミッチ・カルガーノを連れてくる。

 僧院内ではマクシーモフという地主と軽い出会いがある。

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 一行は庵室でゾシマと会う。ただしドミートリイは遅刻。

 僧院側からは「図書がかり」の僧(のちに「ヨシフ」という名前だと判明)・パイーシイという僧・ラキーチンという神学生の三名も同席する。

 この数十年間どんな人物でもゾシマと会うと敬虔な気持ちになってきたのに、フョードルは史上初めて会った次の瞬間からひたすら馬鹿話を開始し、周囲を驚かす。

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 親睦会を一時中座したゾシマは、彼を慕う多くの民衆の悩みに的確に答えていく。

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 ゾシマの最後の対話の相手は、信仰と不信の狭間で悩む貴婦人。名前はのちにホフラコワ夫人と判明。

 ここで有名な、「全人類を愛する一方で個々の人類への憎しみが募る」という話が出てくる。

 ホフラコワ夫人の娘リーザカチェリーナ・イワーノヴナ・ヴェルホフツェヴァの手紙をアレクセイに渡す。カチェリーナは、のちにドミートリィの元許嫁と判明する。

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 ミウーソフとイヴァンと僧たちの間で、国家と教会のあるべき関係をめぐり、三つ巴の論争が始まる。

 ミウーソフは自由主義。僧院はロシア正教。そしてイヴァンは「このように考えるとこうなる」という理論が中心であって、本人自身の理想はよくわからない。

 最後にドミートリイがようやく到着する。

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 ドミートリィの遅刻は、本人がいうにはフョードルの召使のパーヴェル・フョードロウィチ・スメルジャコフに騙されたから。

 関係者が見ている前で、フョードルとドミートリィの大袈裟な告発合戦が始まる。どうやらフョードルは一人の売春婦(のちに通称グルーシェンカことアグラフェーナ・アレクサンドロヴナ・スヴェトロヴァと判明)を唆してドミートリィを陥れようとしているらしいが、現時点ではまだどちらが本当に悪なのかは不明である。

 その後、一行は僧院長との会食をしにいくことになる。

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 ゾシマは近日中の己の死を予言し、アレクセイに対して家族一行と合流するよう促す。アレクセイがしぶしぶ従うと、廊下で待っていたラキーチンと出くわす。

 ラキーチンはカラマーゾフ家の争いを密かに研究していたらしく、近々殺人事件が起きることを予測する。さらに、父と兄のアグラフェーナをめぐる争いに中立的に見えるイヴァンには、カチェリーナの次の許嫁になりたいという裏の目的があるとまで語る。

 この話が長引いているうちに、僧院長との会食でもまた揉め事が起きたことが示唆される。

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 帰宅したかに思われていたフョードルが会食中の僧院長室に乱入し、ここでまた僧院に対してあらん限りの罵倒をする。

 そしてイヴァンにはともに帰宅することを命じ、赤の他人のはずのマクシーモフには着いてくればもっと旨いものを食わせてやると誘う。

 それまで常識人に見えていたマクシーモフは突如としてその誘いに乗り、カラマーゾフ家の馬車に相乗りしようとするが、イヴァンはマクシーモフを突き落としてしまう。

雨月「世界名作のはずなのに、カオスすぎるで! 雨月好みや!」

第3篇 淫蕩なる人々

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 カラマーゾフ家の召使は三名。既出のスメルジャコフと老僕グリゴリイの他に、グリゴリイの妻マルファ・イグナーチエヴナ

 グリゴリイ夫妻の子が生後二週間で死んだその夜に、女性宗教家イリヤー・リザヴェータ・スメルジャチシャヤカラマーゾフ家の湯殿に侵入して産んだのが、スメルジャコフである。

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 リザヴェータを妊娠させたのはフョードルという説もあるが、出産直後に本人が死んだこともあって真相は不明。

 グリゴリイ夫妻は死んだ子の代わりとして、スメルジャコフを育てた。

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 アレクセイは手紙に答えるためにカチェリーナを訪ねる途中、ドミートリイと再会する。

 ドミートリイは世の中は矛盾でいっぱいであるということを懸命に説明しようとするが、基本的に彼の主張はよくわからない。

3-4

 ドミートリイの過去の話。

 カチェリーナもその父の中佐もドミートリイのことを嫌っていたが、中佐が公金横領の疑いをかけられる陰謀を受けたとき、ほぼ全財産である5000ルーブリを提供して彼らを救ったのがドミートリイであった。そのほぼ全財産とは、「これ以上は遺産も何もいらない」という証書と引き換えにフョードルから譲り受けたものだったのである。

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 その後三ヶ月で運命は反転し、中佐は死に、さらに遠縁の大金持ちも死んだことで、今度はカチェリーナが80000ルーブリの財産を持つ大金持ちとなり、ドミートリイに求婚してきたのである。

 ドミートリイとしては、こんなに優れた娘が自分なんかと結婚をして不幸になってはならないと考え、イヴァンにその地位を譲ろうとしている。

 さらにはダメ人間を演じるためカチェリーナが依頼した送金3000ルーブリを使い込んでしまうのだが、これは別れる前に返金したいと思っているらしく、返金費用はアレクセイ経由で父から最後の無心をしようと思っている。

雨月「頭おかしすぎ」

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 物語としてはアレクセイが父の元を訪ねたというだけしか進展せず、作者はスメルジャコフの人物紹介を突然始める。

 ネコを殺して葬式ごっこをする危険な少年だったらしい。そして誰とも仲良くならなかった。ただし金に淡白だった上に料理の才能はあったので、フョードルからは大切にされて育った。

3-7

 カラマーゾフ家で会食が続く。

 スメルジャコフはそれなりに聖書の知識もあり、宗教上の議論もできるようである。

3-8

 下男らを退席させたフョードルは馬鹿話を続けるが、後妻のソフィヤがヒステリー症だったという話になったとたんにアレクセイも母と同じような症状を起こして倒れてしまう。

 そこへドミートリイが乱入する。

3-9

 ドミートリイが乱入してきたのはグルーシェンカがカラマーゾフ家にいると思い込んだからのようであったが、フョードルに暴力を振るったあとは、アレクセイの言を信用して去っていく。

 フョードルはこれだけ痛い目に遭わされても、実は自分はイヴァンのほうを怖れているとアレクセイに漏らす。

 イヴァンは何を考えたか、アレクセイへとの友好を急に深めようとする。

3-10

 アレクセイはドミートリイから頼まれた「兄はダメ人間です」の伝言をカチェリーナに伝えにいくが、実はカチェリーナはすでにグルーシェンカと通じており、何もかもお見通しという超展開であった。

 これですべてが丸く収まりそうな雰囲気となるが、アレクセイの目の前でカチェリーナとグルーシェンカが仲違いをしてしまい、結局カチェリーナのドミートリイへの愛情も薄まるという超展開返しが続いた。

雨月「カオスすぎるわ」

3-11

 僧院への帰り道、アレクセイはドミートリィに遭遇して一部始終を話す。

 僧院に戻るとゾシマは死にかけていた。

 リーザからアレクセイに恋文が届く。

夕月夜「ここで一区切り。大勢の民衆に慕われているゾシマですが、「長老」という立場自体が一部の僧の反感を買っているようで~す。長老制度のせいで、本来のキリスト教では一対一の関係でなされる「懺悔」が公開型になってしまっているとかで」

雨月「集団型の懺悔って、奇しくもロシアを中心に発生する共産圏における独特の自己批判文化に似とるな~。何か文化的なつながりとかあるんかいな~。教えて、偉い人!」