ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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何度でも復活する厄介な敵への対処法の創始者

 何度でも復活する厄介な敵っていますよね。不死の魔王とか魔軍十二将とか天魔クァバルナとか。

 こういう敵は生かしたまま封印するか異世界に放逐してしまうというのが一番現実的な対処法で~す。

 もっと根源的な解決をするならば、(できればロンデやドロシーのような被害者のいない)異世界に放逐した後に、世界を跡形もなく消せるダークドレアムの実体版の力を借りるなりダークドレアムの実体版級の力を会得するなりして、その異世界を完全消滅させてしまうという処理も考えられますが、大概の場合は現実的ではありませ~ん。

 そして『ドラゴンクエスト』シリーズを通じて、こういう厄介な敵に一番苦労しているのは、歴代のラスボスで~す。

 何しろ、主人公たちときたら、倒しても倒しても復活するのですから。諸善の根源である「冒険の書」の執筆者や「復活の呪文」の語り手を全滅させてしまえば何とかなるかもしれませんが、歴代のモンスターの軍団にはそれを実行できるほどの実力はありませんでした。

 そうした中で最初に「何度でも復活する厄介な敵は、殺さずに封印すればいい」と気づき、しかもかなり上手にその作戦を実行できた者がいま~す。

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 それは竜王で~す。何度でも復活して挑んでくるロトの勇者への対処法を編み出し、実行してきま~す。この対処法は実際に有効であり、勇者の方が完敗したパラレルワールドもしっかり存在することも、近年公式に認められました。

 初代『ドラゴンクエスト』は、何度死んでもゲームオーバーにならないシステムが当時のRPGとしては画期的だったと評価されますが、さらにその世界観において敵も現実的な対策を打ち出してきた点にこそ、真の名作としての永久の価値があると、星月夜は考えておりま~す。闇の世界送りという竜王の究極の逆転技がなければ、単なるヌルゲーと評価されて終わっていた可能性すらありま~す。

 後のシリーズでも、何度でも復活する厄介な敵への対処法を考えた有力な魔族も数名いましたが、ついに竜王を超えられませんでした。

 ハーゴンはロトの子孫を殺さずに犬に変えましたが、ラーのかがみによって簡単に変身は解除されてしまいました。しかも、ハーゴン自身にはこの技は使えなかったのか、あるいは生涯で一度しか使えないような大技だったのか、はたまたすでに諦めの境地だったのか、ハーゴンの神殿におけるハーゴンはこの技を使ってきませんでした。

 バラモスは相手が二度と生き返れない殺し方を模索していたようですが、理論倒れに終わりました。バラモスの理論が一度も実証できていないことは、「バラモス強」の「まめちしき2」にも書かれていま~す。

 ゲマ・ジャミ・ムドーなども色々がんばったようですが、結局は時間稼ぎ程度の効果しかなかったようで~す。これらは「ハーゴン型の時間稼ぎ」に分類できるかと思われま~す。

 「ドラゴンクエストシリーズで一番偉大なラスボスは?」という議論では、「魔王の上司の大魔王」という理由でゾーマデスタムーアが挙げられたり、「ステータスが理論値」という理由でシドーが挙げられたり、「征服の達成率」という理由でオルゴ・デミーラが挙げられたりすることが多いです。星月夜もそうした意見はかなり優れていると思いま~す。しかし「主人公への対策の見事さ」という観点で竜王を評価することも忘れてはならないと思いま~す。

 かつて星月夜は、「今まで登場した敵キャラクターの中で星月夜がもっとも尊敬している相手は、魔元帥ゼルドラドなのでありま~す」と書き*1、「二番目に尊敬している敵こそ、このジャミラスなのでありま~す」と書きました*2

 しかし公式イベント「竜王城の決戦」でアレフガルド竜王と同一個体の竜王が登場し、しかも討伐モンスターリストに掲載される仕様だったことから、竜王もまた『ドラゴンクエストX』の敵として認め、尊敬する敵の序列を再考しました。

 「今まで登場した敵キャラクターの中で星月夜がもっとも尊敬している敵」を、今後は竜王としま~す。そしてゼルドラドが二位で、ジャミラスは三位で~す。