ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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アストルティアの原理ともいうべきウロボロスのフラクタル構造の考察。そしてそこから神都フォーリオンの指導者の行末を推測。

0.はじめに

 「ウロボロス」とは、蛇が自分の尻尾をくわえて形作られた円のことで~す。

 「無限の循環」などを象徴するケースが多いで~す。

 本日は『ドラゴンクエストX』においてこのウロボロスの影響を受けたと思われるものを紹介し、それらがフラクタル構造を持ちやすいことを確認していきま~す。

 最後にウロボロスウロボロスに似て非なるものとを比較して、神都フォーリオンの指導者の行末を推測しま~す。

1.ナドラガンドはウロボロス

1-1.ナドラガンドはウロボロスそのもの

 ナドラガンドは、ウロボロスそのものでした。

 どの領界でも解錠の円盤を使って新たに行けるようになる領界はそれぞれ一つだけであり、すべての解錠を終えると五つの領界が円の形でつながりま~す。

 各領界には竜であるナドラガの骨が封印されていたので、五つの領界を円の形にするとおそらく蛇の姿勢の意味でもウロボロスが完成するのでしょう。

 フィナがナドラガンドの歴史を語るムービー「明かされし竜の伝承」で描かれたナドラガの絵も、掲載写真のようにウロボロスを暗示していま~す。

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1-2.楽園という小ウロボロス

 闇の領界にある楽園の外周は円の形をしておりました。

 完全再生後の理想のナドラガンドの模型ともいうべき形だったのかもしれませ~ん。

1-3.四つの環という極小ウロボロス

 そんな楽園の外周には、四つの環がありま~す。やはりそれぞれの中心部には行けないようになっていま~す。

 ナドラガンドというウロボロスの中に楽園の外周という小ウロボロスがあり、さらにその中に四つの環という極小ウロボロスがあるという、一種の自己相似形を成していま~す。

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2.ロヴォス高地もウロボロス

2-1.ロヴォス高地自体がウロボロス

 レンダーシアの一部地域であるロヴォス高地は、まず名前ウロボロスと似ていま~す。

 次に地形も、ゼドラ洞を通過することでぐるりと一周できるようになっていま~す。

 さらにドラクロン山地とも隣接しており、ゼドラ洞には巨竜の巣があるなど、竜経由で蛇とも縁が深いで~す。

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2-2.樹天の連橋(樹天の里)の小ウロボロス

 そんなウロボロス型のロヴォス高地の一角に、また小さなウロボロスがありま~す。樹天の連橋で~す。

 連なっている橋の上をぐるりと一周できま~す。

 ちなみにこの連橋は、1000年前は樹天の里でした。

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2-3.樹天の里の家の中の極小ウロボロス

 そんな樹天の里の家の中では、また小さなウロボロスが成立していま~す。

 どの家も中心部は木の幹を柱として利用しているため入れない空間となっており、それをぐるりと取り囲む形で生活空間が広がっていま~す。

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3.アストルティアウロボロス

3-1.レンダーシアという大ウロボロス

 さて続いては逆に、ロヴォス高地の外へと視界を拡大していきましょう。

 するとレンダーシア自体が内海を持つ環の形をしており、これ自体が大きなウロボロス形であったと気づくわけで~す。

 さらにロヴォス高地の対極にはセレドット山道というやはり環の形のマップがありま~す。

 なおリンジャの塔に隣接する五行の塔は、それぞれ中央の塔を経由しないと行き来できないので、ウロボロスとは似て非なる存在で~す。偽の魔幻宮殿の三大区域*1もしかりで~す。

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3-2.大陸間横断鉄道という極大ウロボロス

 そんな大ウロボロスの大陸をぐるりと包囲し、半永久的に循環し続ける大陸間横断鉄道こそ、最大最強のウロボロスで~す!

 そしてこの鉄道でもロヴォス高地とセレドット山道と同じくちょうど南北に、「円」を基本構造とするレンドアの町と娯楽島ラッカランとが存在しているので~す。

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3-3.以上を人為的に模したアルウェーンの町

 「中央の大ウロボロス型大陸を五大陸が囲んで極大ウロボロスを作る」という構造を人為的に模倣したのが、アルウェーンの町で~す。

 中央地区を五つの地区が五方向から囲んでおり、それら周辺の五地区は前述の五行の塔なんかとは違って中央地区に寄らずに一周できる仕様となっていま~す。

 しかも各地区の中心に丸いものがあり、その周囲の円が自由に使える空間となっているわけで~す。

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4.以上の原理から見えてくるもの

 以上からわかるように、アストルティアの七大陸を作った神にとっても、それを人為的に強めようとした大陸間横断鉄道計画においても、それを人為的に模倣しようとした第二次ゴフェル計画においても、ウロボロスは基本的な原理となっていました。

 1.0のメインストーリーも、ウロボロスが象徴する「永遠」にちなんだエテーネ人が、「永遠」に反する原理である「死」を司る冥王を倒す話でした。

 そういう世界の原理から導き出される真理とは、アストルティアにおいては循環する円こそが主役であって、円に囲まれた中央は別段偉いというわけではない」で~す。

 そして「円の中央こそが偉くて、その中央が円を統括すべきだ」と思い込んだナドラガ・リンジャーラ・マデサゴーラ・パルミオ二世らは、みな悲惨な末路を遂げてきました。最初のボスであるベドラーもその一人かもしれませ~ん。

 さて、6.0では、上述のリンジャの塔や偽の魔幻宮殿のような、中央を経由しないと行けない四天を従える神都フォーリオンが登場しました。過去の例から考えるに、その指導者の末路もまた相当悲惨なものかもしれませ~ん。

暁月夜「ウロボロスって『IX』の破壊神フォロボスとも名前が似ているな。こいつがそう遠くないうちに出てくると予言しておく」

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