1.北海道で実写版『ゴールデンカムイ』を観てきました。
星月夜「夕月夜ちゃん、映画版『ゴールデンカムイ』を観にいかないかね?」
夕月夜「コロナは怖いですけど、このアバターの人生の最後の映画館の思い出が『ユア・ストーリー』となる可能性を放置したままというのも問題ですね。おつきあいいたしますわ」
星月夜「せっかくなので映画の舞台である北海道で観ようよ」
夕月夜「骨川家みたいな発想ですね。旅費を出していただけるなら、おつきあいいたしますわ」
星月夜「ゴー!」
星月夜「JR札幌駅やその近接施設では、映画で使われた衣装や小道具が展示されていました」
夕月夜「でも実写版『ゴールデンカムイ』の第一作の主な舞台は小樽でしたよね」
星月夜「当然ながら、札幌ではなく小樽の映画館まで行きますよ~」
夕月夜「ひゃ~。こだわり強すぎ。こうなったらどこまでもついていきますよ~」
それから数時間後。
夕月夜「映画も旅行も面白かったですわ~」
星月夜「まだまだ旅行は続くよ~。明日はドラクエとコラボした「旭川冬まつり」に行くよ~」
夕月夜「わ~い!」
2.映画の感想(ネタバレあり)
2-0.総論
原作を尊重しつつも、映画という媒体に合わせた最低限度の改変をしている作品でした。
原作のある映像作品としては、非常に理想的な形といえま~す。
以下、個人的に「良い」と感じた改変を列挙していきま~す。
2-1.入浴シーンの筋肉
原作では、中盤以降から入浴シーンで筋肉が強調されるようになり、それが人気の理由の一つとなりました。
これを映画では序盤である小樽の風呂の時点でやってくれました。
こういう改変は、原作を機械的に再現したような実写化よりも、一層原作を尊重していると言えま~す。
2-2.笠原勘次郎と白石由竹の同時捕獲
尺が限られている以上、登場してすぐ死ぬ笠原勘次郎の物語を白石由竹の物語と同時並行にしたのは、優れた省略の形だと考えました。
2-3.クライマックスの戦闘の正しい形での追加
終盤にはクライマックスの戦闘シーンがあったほうが盛り上がるわけですが、原作にはそのためのちょうどよい戦いがありませ~ん。
そこで原作で詳細が省略されていた「仮病で病院に馬橇で運ばれる途中の脱出劇」を、大きく膨らまして最終決戦にしていました。
これならば派手に話を追加しても、続編で整合性に苦しんだりはしないわけで~す。
しかも「高速で動いて足場が安定しない馬橇の上での戦い」というのは、原作の最終決戦である「高速で動いて足場が安定しない列車の上での戦い」へのオマージュにもなっていま~す。
最高で~す。
2-4.二階堂浩平の大怪我
その追加の戦闘で敗北した二階堂浩平が、大怪我をしていました。
これで次回作の脚本の自由度が飛躍的に向上しました。「造反組に入ったことがバレて拷問を受けた」物語や「土方に斬られた」物語や「薬物中毒で頭がおかしくなった」物語について、原作準拠するのも自由であり、また「心身の不調は全部前作の最終決戦の負傷のせい」とすることも自由で~す。