バージョン2.1時代に配信された「重なりし運命の大地」は、真の世界のメルサンディ・セレド・アラハギーロの三ヶ所で物語が展開され、プレイヤーは自由にその順序を選び、最後にラスボスであるヘルバトラーに挑む仕組みになっていま~す。
これが配信をされた直後のころは、アラハギーロの物語をクリアーしてもバトルロードはすぐには再開されませんでしたが、今では即座に再開される仕組みになっておりま~す。
よって現在では、「重なりし運命の大地」の開始早々にアラハギーロの物語だけをクリアーし、その後はメインストーリーに一切触れずにバトルロードにのみ耽るというプレイスタイルも、理論上は可能だということになりま~す。
そうなると困るのが、最近実装されたレジェンドバッジに描かれたキャラクターと、物語の時系列の問題で~す。
まずメインストーリー「重なりし運命の大地」を始めるのに必要なキーエンブレムは6個で十分で~す。6個集めるのがネルゲルを倒すための条件なので、プレイスタイルによってはプスゴンやイッドを倒さずにカレヴァンを救出できてしまうので~す。
ここで問題となるのが、キーエンブレムを入手するのに必要なボスたちがレジェンドバッジに描かれているという事実で~す。
バザグランデやクァバルナは大昔からいたので描かれて当然ですが、アラグネや呪術師マリーンの正体が描かれているのは、やや問題で~す。プスゴンにいたっては初めから強ボスとしての「覚醒」が銘打たれていますね。
レジェンドバッジにおける彼らの存在を正当化するためには、以下のような裏設定が必要ですね~。
※妖魔ジュリアンテ&呪術師マリーン
旅芸人ピュージュは、ぬいぐるみから妖魔ジュリアンテ&呪術師マリーンを作ったのち、賢者マリーンとその妹に変装させる前に、その姿のまま試験運用をしていた。生きのびた被害者もいるため、賢者マリーンとは名前と体形が似ている別個体として一定の知名度を持っている。
※魔軍師イッド
人間に変装してプクランド大陸に行く前は、特に変装も変名もせずにレンダーシアを荒らしまわっていたため、レンダーシアでは有名なモンスターである。
※怪蟲アラグネ
50年前にアグシュナに変装して行方不明になるが、その後半世紀も人々に語り継がれる有名なモンスターであった。
※悪魔長ジウギス
ザイガスが負ける前から、たまにはアストルティアに侵攻していた。
※覚醒プスゴン
プレイヤーが遭遇できるのは本物のプスゴンに一度勝利してからであるが、その前からプスゴンをモデルにして魔瘴から発生していた。
ここまでは、かなり簡単に辻褄の合う設定を作れました。
しかし難しいのが、ハートボイルドで~す。ヘルバトラーや魔元帥ゼルドラドと違って、昔からいたモンスターではありませ~ん。「重なりし運命の大地」でメルサンディを未攻略の場合、まだこの世に存在していない未発生のモンスターということになりま~す。
一応、同時期のメルサンディ村の物語の第一話である「童話の村で」をクリアーすると、未発表の草稿として『小さな英雄ザンクローネの物語』の「まぼろしの第4話」が存在していたことになっていました。だから架空のモンスターとして、設定のみはすでに現実世界に存在していたことになりま~す。
この点が唯一の救いなので、ここから合理的な説明を考えてみましょう。
未発表の作品に登場する架空のモンスターをカレヴァンが描けたということは、まぼろしの第4話の内容の一部は、すでに外部に流出していたということになりま~す。
いかなる経路で流出したのかについては、いくつかの仮説が考えられま~す。ちょっと列挙してみましょう。
※熱心な愛読者にせがまれると、遺族はこっそり個人的に第4話を見せていた。
※パンパニーニはモンスターを創作するにあたって、まもの使いの助力をえており、そこから情報が流出した。
ただし、こういった設定では、情報の流出こそ説明できますが、ハートボイルドの世間における知名度は低すぎることになり、わざわざバッジにした説明が難しくなりま~す。
そこで以下の説を考えました。
※生前のパンパニーニ自身が、「次回予告」という形で第4話に登場する予定のモンスターの一部を紹介しており、その中にはハートボイルドもいた。
これならば、グレイツェルが実際にハートボイルドを作る前から、カレヴァンがハートボイルドを描くことができ、なおかつみんなが欲しがるバッジにしたことの説明がつけられそうで~す。