昔々、あるところに、グレーテルという女の子がいました。ある日、魔女の魔法で30分だけヨーロッパの民族衣装に身を包むことができました。
普段はモリナラ大森林などの和風の森にしか溶け込めなかったグレーテルですが、おかげでミュルエルの森などの洋風の森でも、そこそこ見栄えのよい写真を自撮りできるようになりました。
調子に乗って魔女の森に行くと、道に迷いかけました。そこでキラキラ光る宝石を惜しげもなく地面に置いて道標にしました。
でも金に飢えた薄汚い冒険者たちが、それを勝手に持ち去ったため、迷子になりました。
グレーテルは仕方なく近所の洋館に救いを求めました。
中には親戚のグレイツェルがいました。
グレーテル「道標においた宝石が盗まれてしまったの。どうしたらいいかな?」
グレイツェル「パンとか、地面に置いたら価値が大幅に低下する物品を使えばいいじゃない」
グレーテル「でもパンなんか持っていないよ~」
グレイツェル「パンがなければ人間を材料にパンを作ればいいじゃない。馬鹿ね~」
それを聞いたグレーテルは、役立たずで穀潰しの兄であったヘンゼルを鍋でドロドロに溶かして、パンらしきものを大量に作りました。
そのおかげでグレーテルは無事に家に帰ることができました。帰宅後は、かつて自分に兄がいたという痕跡を消すため、一生懸命掃除をしたそうです。