ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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ジア・クトの重要な元ネタかもしれない『双亡亭壊すべし』。マデサゴーラみたいなのもいるよ。

1.『双亡亭壊すべし』の侵略者とジア・クトの類似性

 藤田和日郎の近年の漫画に『双亡亭壊すべし』(2016~2021)という作品がありま~す。

 「双亡亭」という危険な建物の地下には、宇宙からの侵略者の先遣隊が住んでいま~す。彼らは地球などを侵略しないと存続できない立場であり、物語中ですでに別の星を一つ滅ぼしていま~す。彼らは地球人の体内に入って行動を操ることができますが、本格的に操るには本人のトラウマを利用して心を壊さなければならないという設定でした。また父からの仕打ちへのトラウマから自発的にこの侵略者に協力している五頭応尽という手駒もいました。 

 これは5.5後期から6.5前期までに明らかになってきたジア・クトの性質に非常に似ていま~す。

 ジア・クトはアストルティアなどを侵略しないと存続できない立場であり、物語中すでにとこしえのゆりかごを滅ぼしていま~す。ジア・クトは脈動する鉱石をアストルティア人の体内に埋め込むことで行動を操ることができますが、本格的に人格を変えるには悪神の火種を使ってトラウマを刺激しなければならないという設定でした。また父母や義姉やその子孫からの仕打ちへのトラウマから自発的にこの侵略者に協力しているレオーネという手駒もいました。 

 SFに登場する宇宙からの侵略者は多様であり、『双亡亭壊すべし』自体も『ソラリスの陽のもとに』などの先行する多くのSFに影響を受けているので、「『双亡亭壊すべし』こそが100%の確率でジア・クトの唯一の元ネタだ!」などと主張するつもりはありませ~ん。偶然似たのかもしれませんし、同じ先行作品を参考にしたのかもしれませ~ん。

2.元々似ていた『ドラゴンクエストX』と『双亡亭壊すべし

 仮に『双亡亭壊すべし』からの影響関係があるとした場合、運営がこの作品を参考にした動機はおそらく「元々『ドラゴンクエストX』に似ていたので真似しやすかったから」であると、星月夜は考えていま~す。

 あるいは、「まず『ドラゴンクエストX』が直接または間接に『双亡亭壊すべし』に影響を与え、次に『双亡亭壊すべし』が5.5後期以降の『ドラゴンクエストX』に影響を与えた」という可能性すらゼロではないと思っていま~す。

 以下に類似点を列挙していきま~す。

2-1.飄々としているけど本質的に心が強い主人公

 主人公の凧葉務は飄々としたキャラであり、双亡亭を壊すために集まった権力者や天才や異星の残党と比較すると「ただのお人好しの凡人」に見えま~す。しかし心の芯は滅法強く、殆どのキャラが一人では耐えられなかったか耐えるために多くのものを失ったトラウマ攻撃を跳ね除けま~す。

 我らが公式主人公のエックス君もこれにそっくりで~す。茫洋とした顔をしているので濃い設定を持つゲストキャラと比較すると常に見劣りしま~す。でもマルグリットが心の闇を突こうとしても労魔デスワークがマインドセラピーを浴びせてきても、まったく効きませんでした。

2-2.長年戦ってきた主人公の親戚

 凧葉務の親戚である凧葉青一と真琴の兄妹は、見た目こそ幼いものの、物語開始の45年前から別の場所で侵略者と戦い続けてきました。

 エックス君の兄弟姉妹も、見た目こそ若いものの、60年前の世界に飛ばされてからは長年戦いを続けてきました。

2-3.侵略者と利害が多少一致する天才芸術家

 凧葉務以外で独力かつ無傷でトラウマ攻撃を耐え抜いたのが、双亡亭の主である天才芸術家の坂巻泥努で~す。彼は侵略者から得た力を活用しており、たとえば他者を追いかける無数の手を操れたりしま~す。ラストバトルでは時間すらある程度操れるようになっていたことが判明しました。侵略者とは多少は利害が一致する部分もあるため相互に利用し合う関係にありますが、基本的には同床異夢の第三勢力的存在で~す。

 天才芸術家のマデサゴーラもまた、無数の手によって象徴されるジャゴヌバの力を得てからは、ラストバトルの「加速する世界」で時間すらある程度操りました。ジャゴヌバとは多少は利害が一致する部分もあるため相互に利用し合う関係にありますが、基本的には同床異夢の第三勢力的存在で~す。

 そして「坂巻泥努」の名を「坂」"SAka"・「巻」"MAki"・「泥努」"DEdo"と二音節ずつに分解してから各パーツの最初の音節を読むと、「サ」・「マ」・「デ」になりま~す。並び替えると「マデサゴーラ」から姓の部分を削除した「マデサ」になりま~す。