ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

『ドラゴンクエストXのあるきかた』シリーズ紹介

 一年前の記事「「秋の電子書籍割引キャンペーン」関連メモ」で書いた件になりますが、2022年の「秋の電子書籍割引キャンペーン」では大量の電子書籍を買いました。

 その後は長らく仮想空間に積読しておいたのですが、今年の秋は急に暇になったので、やっと読み始めることができました。

 まずは『ドラゴンクエストXのあるきかた』シリーズから紹介していきま~す。

※『ドラゴンクエストXのあるきかた Vol.1』 80点

1.総評

 5ページによると、2016年4月1日~6月23日の設定を元に書かれているようで~す。バージョンでいうと3.3時代で~す。

 以下に見るように、問題のある記述が多くて盲信するのは危険な本なのですが、一方で貴重な記述もありま~す。

 功罪両面を無理矢理に総合的に評価すると80点ぐらいなのですが、買うべき状況の人には強く推したいですし、そうでない人には「やめておいたほうがいいよ」と言いたいで~す。

2.評価点

 11ページ、ドラクロン山地の中規模の竜の骨を「飛竜の骨」と明言し、かつレイダメテスにある竜の骨を「同じタイプの骨」と明言していました。「レイダメテスの骨は飛竜の骨」とまでは明言していないものの、大いに参考になりました。

 28~41ページの「第3話」は、このゲームの戦闘システムについての最高の解説であるかと思いま~す。相撲や「ツッコミ避け」についてはゲーム内にチュートリアルがないことがしばしば批判されてきましたが、この本のこの部分を読んで解説通りに訓練をすれば、それがそのままチュートリアルになると思いま~す。

 42~53ページの「第4話」では、当時判明していた情報を元に「魔界」が想像されていました。6.0以降に明かされた実態よりも、冥界・地獄との関係が深いことが推測されていました。

 拙稿「アストルティアの地獄の研究」の第3章でも、モンスターのまめちしきを読む限り地獄・冥界・魔界は往来がかなり自由に思えることを語っていたので、その考察に自信が持てました。

3.問題点

 39ページの記述は、「はげしいおたけび」の範囲がいわゆる「正面扇状型」しかないかのように誤解させかねないものとなっているので、これについては大減点で~す。

 40ページの記述も、カジノでアトラスカードではなくアトラスコインが交換できるかのように誤解させる内容となっていま~す。これも減点で~す。

 87ページでは、本文でこそ「アストルティアで太陽が昇って沈み、元の位置に戻ってくるまで、リアル世界の時間で約72分間かかっている」と正確なことが書かれているのですが、それを省略したスローガンが「日が昇って沈むまで = リアル時間で約72分!!」という非常に不正確な内容になっていました。これも減点で~す。

 そして最大の問題点は99ページ。走って42秒間かかった距離のメートル換算を推定する際に、「リアル世界の成人男性が42秒間で走れる距離を参考に」していました。まずアストルティアでは性別や年齢とは無関係に足の速さが同等であり、かつ短距離走でも長距離走でも速度が一定なので、比較の対象がおかしすぎま~す。そしてこの本が出るはるか前から、プレイヤーの側ではDQ10フロンティアさんが大変な苦労をしてアストルティアにおけるメートル法の研究をし、記事「呪文・特技の射程と移動速度 ~ドルボード移動速度の謎~」にまとめあげていま~す。その中にはメートル法での走行速度についての丹念な研究もありました。そういったものを完全に無視してこのような大雑把な計算をするのは許せませ~ん。

※『ドラゴンクエストXのあるきかた Vol.2』 90点

1.総評

 5ページによると、2016年11月25日~2017年2月2日の設定を元に書かれているようで~す。バージョンでいうと3.4時代で~す。

2.評価点

 16~31ページのハウジングの小技が非常に充実しているので、「ハウジングに興味があるのに、下手で困っている」という立場の人は、今からでも是非買うべきで~す。

3.問題点

 71ページの「えっ! 違うの!? マシン系っぽいけど違うモンスターたち」のコーナーの出来が一番ひどかったで~す。

 まず「アストルティアのどこにいる学者がモンスターの系統を決めているのか定かではないが」と書き、ゲームの設定上の系統をゲーム内の学者が決めていると決めつけていま~す。しかし少なくともモンスターリストで表示される系統については、武器の対系統特技のダメージ増加と完全に対応しているので、アストルティアの学者はそれについて調査・研究をすることはあっても決定権を持っているわけではないはずで~す。

 次に「メカカンダタ」を「メカ・カンダタ」と誤記した上で、「マシン系という確証が持てない」と書いていました。しかし第一回の仲間モンスター協力バトルチャレンジ*1時にツメスキルの裂鋼拳を使ってマシン系かそうでないかを調べたプレイヤーは大勢いたでしょうし、ネットに発表された調査記録は今検索しても見つかりま~す。たとえばIKEドラクエ10攻略さんの2015年11月3日更新の記事「ムーンブレイカー 攻略」では、メカカンダタがマシン系であることが明記されていま~す。そうであるのに安易に「マシン系という確証が持てない」と公式本で語ったのは、大いなる失敗で~す。

 また細かいことですが、88ページの「おもな部活動と部員名」では、本来「道具鍛冶部」と書くべき部が「ランプ鍛冶部」と誤記されていま~す。