各武器の160~180スキルは、内容を自分で選ぶことができま~す。その選択には完全な正解というものがありませ~ん。汎用性の低い配分が、状況次第で一気に光ったりしま~す。
たとえば両手杖のこうげき力を高めるというのは、汎用性が非常に低く、原則としておすすめできませ~ん。しかし全属性に完全な耐性を持ったスライムマデュラに両手杖で挑む場合には、会心の一撃のダメージがほんの少し高まるので、こうげき力の上昇には一定の意味がありま~す。
しかしながらあらゆる状況下において不利になってしまう、完全な不正解というものは存在するようで~す。
星月夜は最近、苦い実体験からそういう完全な不正解を一種類発見しました。探せばまだ他の不正解も見つかるかもしれませんが、本日はこの一種類を緊急にみなさまにお伝えしようと思いま~す。
それは、「マダンテ+」を「さいだいMP+」よりも高い地位に置くことで~す。
マダンテは攻撃魔力を無視してMPに比例して威力が高まる呪文で~す。ダメージの上限も9999と高いので、威力の計算をかなり機械的に行うことができますね~。
「マダンテ+」は、160スキルなら+1%、170なら+2%、180なら+3%となっていま~す。「さいだいMP+」は、それぞれ+20、+30、+45となっていま~す。
さてここに、両手杖の魔法戦士がいたとしましょう。170スキルと180スキルに「マダンテ+」と「さいだいMP+」を入れようとしつつ、どちらを180にするかで迷っていたとしま~す。
それではマダンテを+3%にしたとき、マダンテが+2%よりも威力が高くなるような、MPの値Xを、高校一年生レベルの不等式で求めてみましょう。なおここでいうXは当然ながら、両手杖の170・180以外のスキルを割り振ったあとの、スキル配分が完成直前の状態のときの数値で~す。
1.03(X+30)>1.02(X+45)
1.03X+30.9>1.02X+45.9
1.03X-1.02X>45.9-30.9
0.01X>15
X>1500
は~い。な~んと、MPが1500以上ないと、170・180間で「マダンテ+」を「さいだいMP+」の格上にしても意味はないことになりま~す。
しかも仮に最大MPが1500をこえても、マダンテを使うまでのあいだに大量のMPを消費してしまえば、また立場は逆転してしまいかねませ~ん。
さらに1500をこえるころになると、相手の属性やぶきみなひかりやマダンテの極意の宝珠などの状況次第で、簡単に上限の9999に到達してしまいそうで~す。「どうせ威力が9999なら、他の行動にも使えるMPが多いほうがよい」という意見も出てきそうですね~。
では同じように160・180間で迷ったと考えてみましょう。「170に活命の杖IIを絶対入れる!」とかを先に決め込んだ場合、こういうこともあるでしょうから。
1.03(X+20)>1.01(X+45)
1.03X+20.6>1.01X+45.45
1.03X-1.01X>45.45-20.6
0.02X>24.85
X>1242.5
お、少しましになりましたね。でも現状ではやはり非現実的な数値で~す。
では180にどちらか一方を入れようと迷っていた場合はどうなるでしょうか?
1.03X>X+45
1.03X-X>45
0.03X>45
X>1500
わ~、また1500がノルマになっちゃった~。
というわけで、マダンテ+3%は完全に運営による罠で~す。その罠が意識的に設置されたものか、何も考えずに作られたものなのかは不明ですが、決して使うべきではないでしょう。
マダンテを+3%にするぐらいなら、MPを+45にしましょう。話をマダンテに限ってすらそうなのですから、ましてMPの他の用途まで考えたら、そのほうが絶対にお得で~す。
続いて念のため、160・170間で「マダンテ+」と「さいだいMP+」の序列を迷った場合の計算もしておきます。
1.02(X+20)>1.01(X+30)
1.02X+20.4>1.01X+30.3
1.02X-1.01X>30.3-20.4
0.01X>9.9
X>990
この場合、マダンテの序列を高めて得をするためのMPのノルマは990と出ました。やはりまだまだ非現実的な数値ですね~。
そういうわけで星月夜が半月前に考えた「スキルポイント配分メモ その5」の両手杖170の「さいだいMP+20・マダンテ+2%」という部分は、完全に愚かしいものであったと判明いたしました~。
では、170にどちらか一方を入れようと迷っていた場合はどうなるでしょうか?
1.02X>X+30
1.02X-X>30
0.02X>30
X>1500
またまた1500がノルマで~す。
最後の計算で~す。160にどちらか一方を入れようと迷っていた場合はどうなるでしょうか?
1.01X>X+20
1.01X-X>20
0.01X>20
X>2000
ノルマ2000! 最悪ですね~。
そういうわけで160~180スキルを使ってマダンテの威力を上げたいのであれば、「さいだいMP+」を使うことを第一に考え、それで物足りなければその劣位の枠で「マダンテ+」を補助的に使うべきだということが判明しました。
よって「マダンテ+3%」は、あらゆる状況下において使うべきではないということになりま~す。
これが運営による意図的な罠なら、諦めるしかありませ~ん。
しかし、「もっと 人によってキャラクターの育成にバリエーションや 個性が出せるようにしたいと思い 今回のシステムにし」*1ようとしたのに、運営自身の計算ミスでこうなってしまったのならば、「さいだいMP+」と「マダンテ+」の少なくとも一方を検討しなおし、どちらを上位に置くべきかの問いに完全な正解がない状態を作るべきでしょうね~。
(以下、2019年6月29日追記)
4.5後期の200スキルの解放により、「マダンテ+3%」と「さいだいMP+45」とを両立できるようになったので、「特に3%は完全に罠」とまでは言い切れなくなりました。
改善までに3年かかったことになりますが、改善されないまま配信終了という悪夢は避けられたようで~す。
(以下、2022年8月11日追記)
「戦闘中に一発目のマダンテを放ち、その後にマホトラやまほうのせいすいでMPを回復し、「200」などの目標に至った時点で二発目以降のマダンテを何度も放つ」という戦闘スタイルの場合、4.5前期まででも「マダンテ+3%」の価値が「さいだいMP+45」の価値を超えるケースがゼロではなかったと気づきました。
もちろんそういう戦闘スタイルは非現実的なので、題名の「完全な罠」をわざわざ「ほぼ完全な罠」と書きなおしたりはしないでおきま~す。