ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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アラハギーロ王子(連続)殺人事件の謎

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1.「12年前」のアラハギーロ王子夫妻死亡事件

 『アストルティア創世記』の18ページでは、ゲーム開始の「12年前」に「アラハギーロ王子夫妻死亡事件」とありま~す。

 この事件は、アスフェルド学園の7月*1ミラン君から聞ける「11年前」の両親の死亡事件とは、おそらく別件で~す。

 なぜなら王子夫妻死亡事件は、ゲーム開始時にすでに12年前の話でした。

 創生番号102が語る「外の世界との 奇妙な時間的なズレ」を考慮したとしても、このズレによる時差は「1.0の初期村の物語で見えた勇者覚醒の光は、レンダーシア時間では2.0中盤に放たれたものだった」という程度のもので~す。よってメインストーリーを2.1まで進めてようやく4月に転校できるアスフェルド学園の7月の時点では、やはり事件から12年以上経過しているということになりま~す。

 だから今のところ、この12年前のほうの事件は詳細が一切不明の事件といわざるをえませ~ん。

 しかし星月夜は、他の類似の事件からこれが殺人事件であった可能性が高いと考えておりま~す。その根拠について語るのが本稿の目的で~す。

2.第二のアラハギーロ王子夫妻死亡事件

 アスフェルド学園の7月から約11年前にミラン君の父親が「不慮の死」を遂げま~す。

 これも殺人事件として扱われてはいませんが、別の王子の死と不自然なほど連続しているので、事故に見せかけた殺人である可能性が高いですね~。

 そしてその直後、ミラン君暗殺未遂事件が起きまして、彼を庇った母親が代わりに殺されてしまったようでした。

 公式の見解では首謀者は正体を暴かれて処罰されたことになっていますが、後述するようにその「首謀者」の背後に真の黒幕がいた可能性が高いと星月夜は考えていま~す。

3.「11年前」のガーゴイル襲撃事件

 そしてまた『アストルティア創世記』の情報に戻りますが、ゲーム開始の「11年前」に「ガーゴイル襲撃事件」とあります。

 グランゼドーラ城のテラスにいたトーマ王子とアンルシア姫を、ガーゴイルが暗殺しようとして返り討ちにあった事件で~す。

 この事件についてはメインストーリーのムービーで盟友も追体験できますね~。

4.三大事件の類似性・近接性

 この三つの事件には被害者たちが勇者や「準勇者」であるという共通点がありますね~。

 トーマ王子が単なる勇者の影武者ではなく、覚醒できなかった「魔勇者」なんかよりも勇者に近い存在であることは、大魔王軍における両者の立場と実績から明らかで~す。

 そして学園の7月にミラン君の命が危険になったときに、自然に対ネロドス戦*2で使用した「盟友の盾」に似た特技が盟友から発動されました。だからアラハギーロ王家も、過去のグランゼドーラ王家との政略結婚などによって勇者の血をある程度ひいた、「準勇者」たちによって構成されているのでしょう。

 そしてこの三つの事件はほぼ同じ時期に一度に起きており、しかもその後10年間は類似の同レベルの事件が急に起きなくなりました。

 単に年表上省略されているのではなく本当に10年間事件が起きていないことは、アンルシア様の記憶の中に入った盟友にとっては明らかな事実で~す。また長年暗殺未遂事件のトラウマに苦しんでいたミラン君自身も、首謀者が処罰されて以来暗殺の危険はなくなったと証言してくれていま~す。

 この一連の事件の不自然な類似性・近接性については、偶然の可能性もありますし、刑事裁判の世界などでは偶然とみなさなければならなかったりもしま~す。

 しかし歴史学的な考察においては、必然であった可能性についても一定の考慮をすべきでしょう。

5.連続暗殺計画の中止の動機

 本章では、一連の事件が単一の黒幕によるものであったと仮定してみま~す。

 トーマ王子を襲ったガーゴイルの所属は大魔王軍であったので、その黒幕とは大魔王かその有力な部下ということになりま~す。

 そしてこの連続暗殺計画が急に中止になったということは、大魔王軍の側で事情の変化があったということになりま~す。

 のちに大魔王は成長した準勇者の一人を黒仮面に変えて、神の緋石を破壊し奈落の門の封印を解いているので、これらに関連する事情が何か変わったのでしょう。

 具体的にどう事情が変わったのかについては、無数に考えられるので、一つに限定はできませ~ん。

 それでもいくつか例を挙げてみましょう。

「当初は決して破壊できないと諦めていた神の緋石について、より弱体化が進んだ約10年後ならば勇者または「先代勇者の指輪をはめた準勇者」によって破壊できるという研究成果が、急にもたらされた。

 しかし人間の死体を黒仮面にして操れる期間は短いという裏設定もあったので、しばらく静観することにした」という説

「同盟が可能かもしれない冥王が約10年後に活動を開始するとの研究成果が、急にもたらされた。

 よって、派手に王族を殺しまくって五大陸の有力な冒険者レンダーシアに招き寄せるよりも、しばらく雌伏した後に冥王にレンダーシアを孤立させるというプランが採用された」という説

「黒仮面に神の緋石または奈落の門の封印またはその両方を破壊させるには、素体となる者に勇者としての才能の他に一定の基礎ステータスが必要だと、急に判明した。

 だからトーマ王子やミラン君の成長をじっと待つプランが採用された」という説

(2021年12月10日追記)

 『アストルティア秘聞録』の28ページでは、「アラハギーロ王子夫妻死亡事件」が「11年前」になっていました。そして注釈によるとこれは本稿第2章のミランの父母の死についての話でした。

 『創世記』からサイレント修正をしたのかもしれませ~ん。でも本稿と同じ立場からの、「『創世記』記載のものが第1事件で『秘聞録』記載のものが第2事件」という設定の可能性もありま~す。